いまではDHA、EPAなどのオメガ3脂肪酸を摂取することが「体にいい」と着目されはじています。
そして、このDHA・EPAはイワシやサバなどの青魚に豊富に含まれています。ただ、イワシやサバを毎日食べるとなると、「焼く」や「缶詰め」など調理方法が決まっているために飽きがくるともいえます。
また、DHA・EPA以外の栄養素の観点からも、同じ食品から有効成分を取るよりも、いくつかの種類の食べ物からDHA・EPAを摂取した方がより体にいいともいえます。
よって、イワシやサバ以外の青魚からもDHA・EPAを摂取した方がよく、この代表として「しらす」が挙げられます。
ここでは「しらすのDHA・EPAの含有量や効率的な摂取方法」について解説していきます
目次
しらすは青魚の稚魚
しらすとはDHA・EPAを豊富に含む青魚であるイワシの稚魚(子供)のことを指します。基本的には、イワシの中でもカタクチイワシであることが基本的に多いですが、マイワシなどの他の魚の子供であるケースもあります。
https://cookpad.com/recipe/3871264より一部引用
そして、「しらす」といってもその種類がいくつかあり、主に「釜揚げしらす」「しらす干し」「ちりめんじゃこ」などに分類されます。
しらす干しやちりめんじゃこのなどの種類とDHA・EPAの質の関係
ここで、簡単にこれら「しらす干し」「釜揚げしらす」「ちりめんじゃこ」の定義や、これらのDHA・EPAの質について確認していきます
実は「釜揚げしらす、しらす干し、ちりめんじゃこ」などの種類は、その干し方・乾燥度合によって分類されています。
つまり、イワシの稚魚であるしらすを窯の中で塩茹でた後に、そのままの状態にしたものが釜揚げしらすであり、以下のようなものです。
一方で、塩茹で後のしらすを半日以上天日干しし、水分を半分程度飛ばしたものがシラス干しと呼んでいます。
さらに天日干しの度合が進み、7割程度乾燥させたものがちりめんじゃこといえます。
さらに、ちりめんじゃこは以下のような製品であり、色が変化しているために明らかに乾燥が進んでいることがわかります。
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しらすやちりめんじゃこの種類とDHA・EPAの質
このように乾燥の度合によって、しらすの種類が分けられているのですが、実はこれらはDHAやEPAの質に影響を与えます。
DHA・EPAがオメガ3脂肪酸の一種であるため、その化学構造から酸化されやすいです(専門的には化学構造内に酸化が進みやすい二重結合を多く含むため)。
そして、このしらすのDHAやEPA酸化は「光(紫外線)」「高い温度(熱)」などの外部環境が過酷になるほど進行する傾向にあります。つまり、天日干しすればするほどに、しらすのDHAの酸化が加速されるわけです。
よって、上のしらすの種類としては、釜揚げシラスの方がDHA・EPAの質が高くなり、次いでしらす干し、ちりめんじゃことなるのです。
しらすに含まれるDHA,EPAの含有量は?【オメガ3】
上では、オメガ3に分類されるDHAの酸化の度合と、しらすの種類の関係について解説しましたが、そもそもしらすのDHAやEPAの含有量はどの程度なのでしょうか。
厚生労働省の記載から含有量を調べてみましたところ、約100gあたり、0.77g(770mg)の程度のDHA、EPA(合計)が含まれています。
http://honkawa2.sakura.ne.jp/0217.html(毎日新聞)より引用
ただ、先ほどの釜揚げしらす1パックすべてを食べたとしても、72g程度となります。
以下のように、内容量が明記されています。
つまり、しらすは基本的には1/3程度の24g程度が普通に食べる量であり、これはDHAおよそ0.22g程度に相当します。
一方で、成人男性が摂取すべきオメガ3脂肪酸(DHA,EPAなど)の量は約2g以上が推奨されています(厚生労働省より)
つまり、24gといったなかなか多い量のしらすであっても、DHAやEPAの一日の摂取目安量の10%程度であることがわかります。
よって確かにしらすには、DHA・EPAが配合されている割合自体は高いもののしらすが小魚であるためにあまり効率良くDHA・EPAを補給することは難しいわけです。
そのため、DHA・EPAをしっかりととりたいのであれば、
・イワシやサバなどの青魚(焼き魚、缶詰)で摂取するか
・DHA・EPAのサプリメントで補給する
のが、現実的なのです。
効率的なDHA・EPAの摂取を行い、脳を活性化させたり、うつを改善させたり、アンチエイジングを果たしていきましょう。
・私が実際に飲んで効果があったと感じるおすすめのDHA・EPAサプリ
・サバ缶に含まれるDHA・EPAの含有量は?
・DHA・EPAの一日の摂取量は?過剰摂取による副作用はあるのか
・DHA・EPAを適量摂取することで得られる効果
まとめ
ここでは、しらすの種類(釜揚げシラス、しらす干し、ちりめんじゃこ等)やしらすのDHA・EPAの含有量について解説しました。
しらすは「釜揚げシラス、しらす干し、ちりめんじゃこ」などの種類がありますが、これは天日干しによる乾燥の度合によって分類されています。中でも、しらすを塩茹でした後のそのままの状態である釜揚げしらすの方が、含有しているDHA・EPAの酸化が進んでおらず、質がいい傾向にあります。
ただ、しらす自体が小魚であるために、多くの量のしらすを摂取したとしても、私たちが一日に摂取すべきオメガ3の量の数%程度と少ないです。
よって、DHA・EPAの観点からしらすを食べるよりも、イワシなどの青魚やDHA・EPAサプリメントから摂取した方が質も効率もいいといえます。
上手にDHA・EPAを摂取することを心がけ、毎日をより快適に送っていきましょう。