身近な科学現象として、「特定の物質の電気が流れるかどうか」を考えることがよくあります。
例えば、とても身近な物質である「鉛筆の芯」「シャーペンの芯」には通電性があるのものなのでしょうか。
ここでは、鉛筆やシャーペンの芯は電気を通すことができるのか、その理由と共に解説していきます。
目次
鉛筆の芯は通電できるのか?その理由は?
結論から言いますと、鉛筆の芯は電流を流すことができます。鉛筆の芯(以下の写真)は、電気伝導性をもつ物質であるグラファイト(黒鉛)からできているためです。
そして、このグラファイト(黒鉛)が金属ではないものの通電できる理由としては、その構造的に自由電子が多く存在するからといえます。
鉛筆の芯の炭素原子に着目した場合、価電子の数が4であるのに対して結合の手が3であるため、電子が1個余っているのです。これが自由電子としてふるまうのです。
外部から電圧をかけた際に、この自由電子が移動することによって電流を流すことができるわけです(定義として、電子の移動=電流の通電(向きは逆向き))。
これが、鉛筆の芯に導電性がある理由といえます。
そのため、電圧が高い家庭用コンセントに鉛筆の芯を入れたりすると大電流が流れ危険なため、十分に気を付けましょう。
シャーペンの芯は電流が流れるのか
さらに、シャープペンシルの芯に対しても、通電できるのかについて考えていきます。
結論からいいますと、シャーペンの芯にも高い導電性があるといえます。これは、シャーペンの芯の材質も鉛筆の芯と同じ「黒鉛(グラファイト)」であるためです。
よって、この理由も上述の通りであり、黒鉛が自由電子を豊富に持つためといえるのです。
なお、同じ元素記号であるダイヤモンド(C)では、電気をかけても電流が流れることはありません。これは、ダイヤモンドと黒鉛では元素記号は同じものの、その化学構造が大きく異なるためです。
結果的にダイヤモンドは自由電子がない状態になっているために、電気を流すことができないのです。
まとめ
ここでは、鉛筆の芯やシャープペンシルの芯には、導電性があるのかとその理由について解説しました。
鉛筆の芯も、シャーペンの芯も実は材質が同じ「黒鉛(グラファイト)」によって出来ています。
そして、このグラファイトは自由電子を豊富に持っているため、電圧を外部からかけることによって、電流が流れだすといえます。
電気を流せる理由などの身近な科学を理解し、毎日をより楽しんでいきましょう。