いまではDHA,EPAなどのオメガ3脂肪酸を摂取すると体にいいといいうことが、常識になりつつあります。
特にDHA・EPAを多く含む食品としては鯖や鰯などの青魚が代表的ですが、毎日のように青魚を食べると飽きがくる場合がほとんどです。そのため、さまざまな食品からオメガ3を摂取することが大切といえます。
中でもスルメやあたりめなどがDHA・EPAの量が多いと聞くことがありますがその含有量はどの程度なのでしょうか。
ここでは「スルメやあたりめのオメガ3の含有量やその質(酸化されていないのか)」について解説していきます。
目次
スルメとあたりめの違い
まず、スルメとは何か簡単に確認していきます。スルメとは、実はイカの干したもの全般のことを指します。
なお、似たような言葉でスルメイカがありますが、こちらはイカの種類のことを指しており、スルメとスルメイカは別ものなのです。つまり、他のイカの種類であるヤリイカ、剣先イカなどであっても、干してあれば基本的に「スルメ」に相当します。
さらに、スルメと似た用語として「あたりめ」というものがありますが、これが呼び方が違うだけで同じものです。
スルメ(あたりめ)のDHAの含有量は?
なお、スルメやあたりめのDHA・EPAの含有量はそこまで多くなく、およそ100gあたりで0.8g程度です。
ただ、以下のよう上図のスルメ(あたりめ)1パックあたりでは、61gの内容量となります。
中身のスルメ(あたりめ)本体は以下のようなものです。
このとき、実際に一日に食べる量としては内容量25g程度(半分弱)とすると、この量にはDHA・EPAは約0.2g程度含まれていることとなります。
なお、成人男性が摂取すべきオメガ3脂肪酸(DHA・EPA、αリノレン酸合わせたもの)は2.1g程度ですが、このおよそ10%に満たない程度です。
そのため、DHA・EPAを摂取する目的だけでスルメを食べるはおすすめできません。効率的でないからです。
スルメのオメガ3は酸化している場合がある
かつ、オメガ3脂肪酸はその化学構造からしても酸化されやすいという特徴を持ちますが、スルメに含まれるDHA・EPAは酸化されている場合があります。これは、スルメ(あたりめ)を製造する工程と大きな関わりがあります。
スルメを製造する際には、基本的に水揚げされたイカを「暖かい空気(40℃)に晒し1日弱に干す」ことで乾燥していることが多いのです。
http://www.yamakyuu.jp/sub5.htmlより引用
そしてこの「酸化」は酸素にさらされた状態で、加熱されたり、光があたったりと外部からのエネルギーが加わると促進されます。つまり、空気中で干しされた状態であるスルメはDHA・EPAが酸化している可能性があるといえるのです。これは、別のDHA・EPAを豊富に含むシラス干しなどでも同じです。
そのため、DHA・EPAは、
・イワシやサバなど魚の缶詰め
・サプリメント
から摂取するのがおすすめです。
青魚の缶詰やサプリメントでは、DHA・EPAなどのオメガ3が酸化されていません。かつ、その含有量は非常に豊富であるといえます。
なお、いくらDHA.・EPAを多く摂取していたからといって、体内の活性酸素が多い状態でこれらをとった場合には体の中で酸化が進むことがあるのです。このとき、サプリメントであれば、ビタミンEなどの抗酸化物質も配合されていることが多く、この活性酸素の抑制も同時に行ってくれるものが多いです。
結果として、DHA・EPAの「体にいい」効果を最大限に得られるといえます。
まとめ
ここでは、「スルメ(あたりめ)に含有されるDHA・EPAの量や質」について解説しました。
スルメに含まれるDHA・EPAの量の割合自体は多いですが、そもそもスルメ(あたりめ)をたくさん食べるということが非現実的であるため、結果として多くのオメガ3(DHA・EPA)を摂ることができません。
かつ、スルメを製造する際には天日干しを行う行程が含まれているために、オメガ3脂肪酸自体が酸化されるリスクがあります。
そのため、質のいいDHA・EPAを多く摂取するという観点からはスルメではなく、青魚の缶詰やサプリメントから摂取する方が好ましいです。
適切にオメガ3脂肪酸を摂ることによって、より快適な生活を送っていきましょう。