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オリーブオイルは体にいいのか?体に悪いのか?主成分のオレイン酸を元に解説

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近年ではアンチエイジングブームや健康などに対する注目が集まっていることもあり、体にいい食品への注目もより増してきています。

例えば、よくネットやテレビなどのメディアによって「オリーブオイルが体にいい」という意見や「体に悪い」という意見がありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

ここでは「オリーブオイルの構成成分」「オリーブオイルは加熱に強いのか」などの観点からオリーブオイルの体への影響について解説していきます。

目次

オリーブオイルは体にいいのか?体に悪いのか?

結論から言いますと、オリーブオイルは脂肪酸の種類の観点からは「体にいい」とも「体に悪い」ともいえない無害なものと考えるといいです。

この理由についてオリーブオイルの構成成分と照らし合わせて確認していきます。

https://www.nisshin-oillio.com/oil/healthy/oleic.html(日清オイリオHPより引用)

中でも、オリーブオイルにおける脂肪酸(体にいい、悪いを決める油の要素の一つ)に注目していきますと、一価の不飽和脂肪酸であるオレイン酸(オメガ9の一種)が多いことがわかります。

このオメガ9系の脂肪酸(オレイン酸等)は、実際のところ体にいいとも体に悪いとも言えないような位置づけの脂肪酸といえるのです。この理由について、現代での「体にいい油」か「体に悪い油」かを決める主な要素であるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸と照らし合わせて確認していきます。

オメガ9脂肪酸は体にいいとも体に悪いともいえない

まず、現代における油で「体にいい」か「体に悪いか」を判断する場合、

・オメガ6系の脂肪酸を多く含むと体に悪い傾向にある

・オメガ3系の脂肪酸を多く含むと体にいいことが多い

・オメガ9系脂肪酸は体に悪いとも体にいいとも言えず、若干摂取量を控える程度が好ましい

と考えていいです。

これは私たちが普通に生活している場合では、オメガ6系の脂肪酸(特にリノール酸)を過剰摂取している方がほとんどだからです。実のところ、身の周りにおいてあるパン、お菓子、お惣菜など多くのものにこのオメガ6脂肪酸が豊富に含まれているために、意識していないと摂りすぎになっているのです。

以下のようなものです。

オメガ6の過剰摂取すると「慢性的な炎症反応を引き起こす」「細胞膜や血管幕が硬くなり水る」などの体への悪影響から、「動脈硬化、糖尿病、がん」などの生活習慣病のリスクを高めることが科学的にわかっています

一方で、オメガ3脂肪酸ではこのオメガ6と逆の作用があり、上の過剰摂取による悪影響を抑制できるために、積極的に摂取した方がいいと今の時代では進められているのです。つまりは、オメガ6もオメガ3も体の健康を保つ上で必要だけれども、現代の生活ではオメガ6を摂りすぎなので、オメガ3を適切量とると「体にいい」という理屈なのです。

同時にオメガ6の摂取量も控えるとさらに体の健康を保ちやすくなります。

なお、これらオメガ3とオメガ6は実は体内で合成できない必須脂肪酸と呼ばれるものであり、食品から摂るしかないです。一方で、オメガ9脂肪酸は必須脂肪酸ではなく、体内で合成でき、かつその摂取目安量も定められていません

実際に農林水産省のHPにも明記されています。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_eikyou.html(農林水産省HPより引用)

つまり、リノール酸の過剰摂取による体への悪影響と比較して、オメガ9の摂りすぎではそこまで重篤な身体への悪い影響を及ぼすことがほとんど報告されていないといえます。

さらに、オレイン酸(オメガ9脂肪酸)は食品からの摂取がなくても上述のよう体内で合成することができるため、オメガ9が欠乏することはあまりないです。よって、オリーブオイルなどの食品を積極的にとる必要もないのです。

よって、このように油が「体にいい」か「体に悪い」か決める要素である「含有される脂肪酸の種類」の観点から、オリーブオイル中のオメガ9は「体にいい」とも「体に悪い」ともいえないわけです

オリーブオイルをそのままかけるのは健康的なのか

このようにオリーブオイルに含まれるオメガ9脂肪酸はそこまで積極的に摂る必要はないのです。

ただ、これはあくまで脂肪酸からの観点であり、エクストラバージンオイルなどの質のいいオリーブオイルであれば、ビタミンEやポリフェノールといった抗酸化物質を豊富に含んでいます

かつ上述のように、オメガ9は体への悪影響もほとんどないことから、サラダなどにオリーブオイルをかけることは健康的といえます。

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なお、上述のようオメガ9の摂取上限量などが規定されていないことから、限度を超えた摂取は控えるといいといえます。

さらに「オリーブオイル」と「体にいい脂肪酸のオメガ3脂肪酸を含む亜麻仁油やえごま油」を併せて使用するのはおすすめです。

先にも述べたようオメガ3脂肪酸(αリノレン酸、DHA・EPA)は不足しがちであるため、積極的にとった方がいいのです。ただ、このとき体内に活性酸素が多い状態では、酸化に弱いオメガ3脂肪酸が酸化され、逆に体に悪い影響を与えることがあります。

活性酸素はストレスや生活習慣の乱れなどによって増加しますが、抗酸化作用のあるオリーブオイル(ポリフェノール)を同時に摂取しておくと、この影響を抑え込むことができるのです。結果として、亜麻仁油やえごま油に含まれる「オメガ3(αリノレン酸)の体にいい効果」を最大源に得られるようになるといえるのです。

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上手にオリーブオイルや亜麻仁油・えごま油を活用していきましょう。

オリーブオイルは酸化に強く、加熱調理に適している

そして、オリーブオイルが「体にいい」といわれる最も大きな理由が「加熱(酸化)に強い油」であるためです。

実際に私の家でも以下のように、加熱が必要な料理の場合にはオリーブオイルを使用しています。

これは先にも述べたように、オリーブオイルに豊富に含まれるオメガ9脂肪酸(オレイン酸)が熱に強いことが要因です。オメガ9脂肪酸は「別名:一価不飽和脂肪酸」と呼ばれていますが、化学構造内に二重結合の数が一つ(一価)である構造であることを意味しているのです。

そしてこの二重結合は反応性が高く、ここから酸化されるのですが、二重結合の数が「一つだけ」と少ないオレイン酸は酸化に強いといえます。よって、このオレイン酸の割合が高いオリーブオイルは熱などによる酸化への耐性が高いオイルなのです。

他の植物油脂ではたいていオメガ6系のリノール酸を多く含み(ごま油、大豆油など)、このリノール酸は多価不飽和脂肪酸(二重結合が多い)であるため、オレイン酸ほど酸化に強くありません

さらに、亜麻仁油などのオメガ3脂肪酸もこの多価不飽和脂肪酸の1種であるために、こちらも酸化に弱いのです。つまり体にいい油であるオメガ3加熱系の脂肪酸であっても、加熱調理することで「体に悪い油」に変化してしまうのです。

また、オメガ9を多く含むオリーブオイル以外の植物油としては菜種油(キャノーラ油)もあります。ただ、こちらは製造工程で溶剤のヘキサンを揮発させる工程があり、かなりの高温にするプロセスを経て作られます(オリーブオイルではこの工程がない)。

そのため、体に悪いトランス脂肪酸や酸化された油を多く含んでいるケースがあるのです。

このような理由から加熱などの調理を行う際の植物油としては、「オリーブオイル」が最も体にいいといえます。

オリーブオイルと同時にオメガ3(αリノレン酸、DHA・EPA)も併せて摂取すべき

このように加熱調理をする場合にはオリーブオイルを使うといいのです。

ただ、上述のような私達の生活ではオメガ6脂肪酸を過剰摂取しがちであるため、その影響を抑制できるオメガ3系の脂肪酸も摂取するといいです。

なお、オメガ3脂肪酸は「αリノレン酸、DHA・EPA」などが代表的であり、

・αリノレン酸は、亜麻仁油やえごま油から摂取でき

・DHA・EPAは、イワシやサバなどの青魚やサプリメント

から多くの量を摂取しやすいです。

なお、αリノレン酸は体内でEPAを経てDHAに変換されていくのですが、その変換率はそこまで高くないです。

同時に、オメガ3の中でもDHAにしか得られない脳への良い影響である「頭の回転が速くなる」「うつなどが改善する」効果もあるので、どちらかといえばDHA・EPAを意識して摂ることが大切です。

ただ、サバやイワシを毎日食べるとなるとよほどの魚好きの方でないと継続できないために、以下で進めているようなサプリメントから摂取した方が楽といえます。

・おすすめのDHA・EPAサプリメント

・サバの缶詰めに含まれるのDHAは酸化していないのか?

・DHA・EPAの「体にいい」効果のまとめ

オリーブオイルを加熱調理に使用し、併せて体にいい油(DHA・EPA・αリノレン酸)を適切に摂取することによって、より健康的に過ごしていきましょう。

まとめ

ここでは、オリーブオイルは「体にいいのか、体に悪いのか」「オリーブオイルは加熱調理に向いているのか」ということについて構成成分の観点から解説しました。

オリーブオイルには、オメガ9系の脂肪酸(オレイン酸)が多く含まれていますが、このオメガ9脂肪酸はそ積極的な摂取が進められているものではありません。かつ、過剰摂取によっても大きな副作用があるということはあまり報告されていないため、「体にいい」とも「体に悪い」ともいえないオイルといえます。

ただ、エクストラバージンオリーブオイルといった質のいいオリーブオイルでは、「ポリフェノールやビタミンE」などの抗酸化作用が高い物質を豊富に含んでいる観点からは体にいいといえます。

さらに、オレイン酸(オメガ9)の構造上、「酸化しにくい」という特徴をもつため、オリーブオイルは加熱調理用の油としては、非常におすすめです。

かつ同時に、より体にいい油を摂取するためにはオリーブオイルだけでなく、オメガ3系の脂肪酸を積極的に摂るといいです。

オリーブオイルを始めとした良い油を摂取して、より毎日を快適に過ごしていきましょう。

 

 

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アラサーの男性です。自分が今まで経験・勉強してきた「エクセル」「ビジネス用語」「生き方」などの情報を、なるべくわかりやすく、楽しく、発信していきます。 一緒に人生を楽しんでいきましょう