製造業などにおいてよく「~の製品の生産状況はどうなっているのか?」「~の製造工程が整備された」など生産と製造という言葉をよく使用することでしょう。
ただ、これら生産や製造はどちらも、「何かをつくる」という点では一致しているものの、どのような違いがあるのか理解していますか。
ここでは「生産」と「製造」の違いや使用方法について、例文を交えて解説していきます。
目次
「生産」と「製造」の違い
まずは「生産」の意味について考えていきましょう。
生産とは
・食べ物、飲み物を生産する
・スマホを生産する
・コンサルサービスを生産する
・システムを生産する
・仕組みを生産する
など日常生活に関する「あらゆるもの、こと、サービス、ソフトウェア」などを作り出すときに使用する用語といえます。
例えば、製造業で有名なメーカーのキューピー等では、製品(マヨネーズなど)を生産し、お客さんに届ける必要があるため、生産部門が設けられています。
https://www.kewpie.com/recruit/より引用
英語で「生産」を表す場合は、production(プロダクション)と訳されます。
一方で「製造」とは「ある原料を基に別のものを作りだすこと」を指します。つまり、何かを加工したり、組み合わせて別の新しい何かを作るのが「製造」といえるわけです。
製造を使う場面は、
・スマホを製造する
・薬品を製造する
・コーラを製造する
などと使用します。
このとき「仕組みを製造する」などと、目に見えないものに対して「製造」は使用できません。さらに、コーラに含まれる砂糖などは原料であるため「製造する」とは言わず、砂糖を「生産する」といいます。
このように、生産の中でも元のものがありきで「つくられること」が製造に相当するといえます。つまり、生産の中の一部が製造にあたるわけです。
なお「製造」は英語ではmanufacturing(マニュファクチュアリング)となることを理解しておくといいです。
製造業として有名な富士通のなHPでは、以下のように製造の記載がされています。
https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/manufacturing/より引用
このように、生産と製造の違いがあることを理解しておきましょう。
生産と製造の使い分け
それでは「生産」と「製造」の違いを理解していくためにも、実際の例文を交えて考えていきます。
まずは、生産の方の始めから考えていきましょう。
・今日のパソコンの生産量は100個だった
・生産性が高い仕事をしよう(より効率的に多くのものを生み出そう)
・新しい機種の車を生産した
・今度新規のコンサルサービスが生産予定だ
・塩を生産した
などと使用することができます。
一方で、「製造」を使用した例文としては、以下のようなものが挙げられます。
・ある製品を製造してから2週間たった特に問題なく動いている
・エアコンをたくさん製造した
・パンを製造した
などと使用します。
なお、上述の通り「製造」は「生産」の一部であり、置き換えても意味が通じることなります。ただ、生産技術や製造技術などの後に続く文字があると、その意味が異なることもあるので注意しましょう。
改めて記載しますが、
・製造は生産の一部であること
・製造は目に見えないもの(ソフトウェアやサービスなど)には使用しないこと
・製造は原料には使用しないこと
が「生産」と「製造」を使い分けるポイントといえます。
まとめ
ここでは、「生産」と「製造」の違いや使い分けについて解説しました。
生産とは、「食べ物、飲み物を生産する」「スマホを生産する」「コンサルサービスを生産する」「システムを生産する」「仕組みを生産する」など日常生活に関するあらゆるもの、こと、サービス、ソフトウェアなどを作り出すときに使用する用語といえます。
一方で「製造」とは、ある原料を基に別のものを作りだすことを指します。つまり、何かを加工したり、組み合わせて別の新しい何かを組み立てるのが製造といえます。
よって、製造は生産の一部となるのです。さらに、製造は目に見えないもの(ソフトウェアやサービスなど)には使用しないこと、原料には使用しないことを覚えておけば簡単に使い分けることができます。
「生産と「製造」の違いや使い分けを理解して、より円滑なコミュニケーションを図っていきましょう。