よく富士山などの山に登ると「水などの沸点が低くなる」ということが言われていますが、実はこれは科学的に説明することが可能です。つまり、水などの液体において気圧(圧力)と沸点は関係性があるのです。
ここでは、この「圧力が低下すると水の沸点が下がる理由」について水の状態図を用いて解説していきます。
目次
気圧が下がると沸点も下がる理由【水】
まず、水の沸点と圧力の関係を考えるまでに、水の状態図(相図)というものを確認します。
この状態図とは、物質が気体・液体・固体と変化する際の温度や圧力の関係性を表した図であり、以下のようなものを指します。
そして、気体と液体の境目の線が沸点(液体から気体になる)を表す線になっているわけです。このとき、この線が右肩上がりつまり、温度が上がると圧力(気圧など)も上昇する正の相関関係にあるのです。
よって、気圧が下がると水の沸点も低下し、逆に圧力が上昇すれば沸点も上がっていくわけです。つまり、沸点が下がる原因として、「外部の圧力」や「物質の種類」などがあるといえます。
なお、富士山などの山では標高が高くなるほど、気圧が低くなります。そのために、山頂に近づくほどに沸点も低下するのです。
富士山などの山頂でカップラーメンが作りにくい理由
そして、富士山などの高い山であれば、山頂に到達すると気圧がかなり低下しています。そのために、水が100℃以下でも沸騰するような状況になるのです。
このときに、カップラーメンなどを食べようと山頂でお湯を沸かそうとしても、この原理によって100℃に満たない80℃前後で沸騰してしまいます。
基本的にカップラーメンなどの面は100℃の高温で戻すことでおいしく食べられるように設計されているために、あまりおいしくないものとなることが多いといえます。
まとめ
ここでは、「水などの液体において、気圧が下がると沸点も低下する理由」について状態図(相図)の考えを元に解説しました。
上述のよう、液体から気体に変わる境目の線が沸点となりますが。水の場合は上のよう右肩上がりになっています。よって、圧力が上がると沸点も上がるといえるのです。
そのため、富士山などの高い山における山頂では気圧が低いために、沸点も大きく下がるのです。結果として、100℃以下で沸騰してしまい、カップラーメンなどをおいしく食べられなくなるといえます。
身近な科学現象を理解して、より毎日を楽しんでいきましょう。