その年によって流行語も大きく変化するように、言語は時代に併せて徐々に変化するのが基本です。
以前では普通と考えられていた言葉も、長い時間が経過することによってその言葉の使用方法が常識でなくなっていることも多々あります。
このような言葉の使い方ですが、徐々に自然に使う人が増えつつあるものに「ら抜き言葉」というものがあります。
この「ら抜き言葉」とはどのような意味で、社会に出たとしても使用して問題ないのでしょうか。
ここでは、「ら抜き言葉の使用方法や見分け方」を例文を交えて解説していきます。
目次
ら抜き言葉の意味
従来の日本語の文法として本来ならば、「~を食べられる」「~に来られる」など使用する場面で、「食べれる、~に来れる、」とらを抜いた言葉で表現する方が増えつつあります。
この本来文法的には「食べられる」と使うべき場面で、「ら」を抜いた「食べれる」などと表現した言葉のことを「ら抜き言葉」というのです。
この「ら抜き言葉」の方が短く言いやすいこともあり、特に若い世代では「ら抜き言葉」を多用する傾向にあります。割合として考えても、食べれないのようなら抜き言葉で表現するケースの方が多いといえます。
なお、従来から伝わる日本語の文法としては、「食べる」「来る」「起きる」などの上一段、下一段、カ行変格活用の動詞に対しては、「~られる」と使うのが正しいとされています。
ただ、これも時代の流れにより、~れるという「ら抜き言葉」の方の使用率が高まれば、上の文法自体も変化することも考えられるでしょう。
ビジネスの場で「らぬき言葉」を使用しても問題ないのか?気になる方は多いのか?
このように、口語としては普通に使用され始めている「ら抜き言葉」ですが、ビジネスの場で使用しても大丈夫なのでしょうか。
一概に正解はないのですが、ビジネスの場面ではできる限り「ら抜き言葉」の使用を避けた方がいいです。特に年配の方に対してら抜き言葉を使用していると、「この人はマナーがなっていない」と評価が下がるリスクがあるためです。
これが原因で、商談が失敗してしまっては、もったいないのでできる限り「ら抜き言葉」を使用していた方が無難といえます。
なお、私の経験では上述のように年配の方ほど、ら抜き言葉に対して「気になる」方が多く、ひどいケースでは「嫌い」と考えていることもあるので、十分に気をつけましょう。
ら抜き言葉の見分け方
ら抜き言葉を使い慣れていない方にとっては、その言葉が「ら抜き言葉なのかどうか」わからない可能性があります。
具体的に「ら抜き言葉かどうか」を見分ける方法としては、上述の通り従来の日本語の文法に適合しているかどうかです。改めて記載しますと、上一段、下一段、カ行変格活用の動詞に対して、可能(~できる)という意味を付与したいケースでは、~られるとします。
ただ、文法的に見るのは難しく、実は簡易的にら抜き言葉かどうかを見分ける方法があります。それは、動詞の現在系の語尾の「る」をとったものが「動詞の命令形」としておかしくないかどうかを確認するというものです。
まずは、らを省略すると「ら抜き言葉」となる言葉について確認していきます。
・「起きれる」
・「食べれる」
・「来れる」
・「見せれる」
・「着れる」
などが代表的です。
ここで、「食べれる」の「る」をとると「食べ!」になりますが、これは命令形として違和感があるのがわかるでしょう。
つまり、「食べれる」はら抜き言葉であり、ビジネスでは避けた方がいいと見分けることができるわけです。
一方で、ら抜き言葉ではない正しい表現は以下のような言葉があります。
・「乗れる」
・「歩ける」
・「買える」
などが例として挙げられます。
乗れるに着目して、「る」をカットした場合、「乗れ!」となり自然と意味が通ることが確認できます。
よってこれらはら抜き言葉ではないと判断できるわけです。
きちんとら抜き言葉かどうかを判断する方法を身に着け、使い分けることができるようにしておきましょう。
まとめ
ここでは「ら抜き言葉の意味や見分け方」「ビジネスにおいて使用してもいいのか」ということについて解説しました。
ら抜き言葉とは、本来の文法では「食べられる」のように表現する場面において、「食べれる」などと言葉の「ら」を抜いて表現した用語のことを指します。
そして、特に年配の方はこのら抜き言葉を嫌う傾向があるため、ビジネスなどで多くの方と関わる場面ではなるべく使用しない方がいいです。若者同士や口語で使う分には問題ないといえます。
なお、このら抜き言葉がどうかを判断するためには、その言葉の語尾の「る」を取り除いた命令形が言葉としておかしくないかどうかに着目することで見分けることができます。
おかしかったら「ら抜き言葉」、問題なかったら「ら抜き言葉ではない」と判断できるわけです。
ら抜き言葉を使いこなして、毎日を楽しく過ごしていきましょう。