身近な科学現象として「特定の物質の電気が流れるかどうか」を考えることがよくあります。
例えば、とても身近な物質である「レモンなどの果汁」「木炭」には通電性があるのものなのでしょうか。
ここでは「レモンなどの果汁や木炭は電気を通すことができるのか」とその理由と共に解説していきます。
目次
レモンなどの果汁は通電できるのか?その理由は?
結論から言いますと、レモン果汁に外部電源などによって電圧をかけると電流が流れます。つまり、電気を通すことができるといえます。自由研究でレモン電池などを作ると豆電球が光ることなどからもこのことが想像できるでしょう。
なおレモンの表面だけではそこまで電気は通さないため、ここではレモン内部(果汁も含んでいること)に対して通電した場合を考えていきます。
まずレモン果汁は、水分、糖質、クエン酸などの有機酸などの複数の成分が混ざっています。ここでクエン酸を始めとした有機酸は基本的に電解質であり、水に溶けて電離(プラスイオン、マイナスイオンに分かれる)するのです。
そして、このイオンが溶液中に存在している状態で電圧をかけるとプラスの電極側にはマイナスイオンが、マイナスの電極側にはプラスのイオンが移動していくのです。
つまり、これが電流が流れることに相当します。
まとめますと、レモンなどの果汁には電流が流れるためのイオンの元となる電解質(クエン酸などの有機酸)が含まれているために、通電することができるといえるのです。
木炭には電流が流れるのか【電気を通す?】
なお、身近な物質である木炭などであっても、良く電気を通すといえます。
これは、木炭がグラファイト(元素記号:炭素C)で出来ているためなのです。そして、この木炭が金属ではないものの通電できる理由としては、その木炭の構造的に自由電子が多く含んでいるからといえます。
木炭の炭素原子に着目した場合、価電子の数が4であるのに対して結合の手が3であるため、電子が1個余っているのです。これが自由電子のようにふるまうのです。
外部から電圧をかけた際に、この自由電子が移動することによって電流を流すことができるわけです(定義として、電子の移動=電流の通電(向きは逆向き))。
これが、木炭に導電性がある理由といえます。
まとめ
ここでは、レモンなどの果汁や木炭には導電性があるのかとその理由について解説しました。
結論としては、レモン果汁にも木炭も電気を通すことが可能です。レモン果汁では、クエン酸などの電解質が水分中で電離し、イオンとなっているために電流が流れやすいのです。
一方で木炭では、素材がグラファイトであり、自由電子のようにふるまう余った電子を介して電気を通すことができるのです。
電気を流せる理由などの身近な科学を理解し、毎日をより楽しんでいきましょう。