身近な科学現象として、「特定の物質の電気が流れるかどうか」を考えることがよくあります。
例えば、よく見かける物質の牛乳や炭酸水には通電性があるのものなのでしょうか。
ここでは、牛乳や炭酸水には通電できるのかについて、その理由と共に解説していきます。
目次
牛乳が通電できる理由は?
結論から言いますと、牛乳は電気をかけると電流が流れます。つまり、電気を通すことができるのです。
この理由について以下で確認していきます。
まず牛乳とは混合物であり、乳脂肪、水分、乳酸などの有機酸が混ざっている物質といえます(以下写真)。
ここで乳酸などの有機酸は基本的に電解質であり、水に溶けて電離(プラスイオン、マイナスイオンに分かれる)するのです。
そして、このイオンが溶液中に存在している状態で電圧をかけるとプラスの電極側にはマイナスイオンが、マイナスの電極側にはプラスのイオンが移動していくのです。
つまり、これが電流が流れることに相当します。
まとめますと、牛乳では電流が流れるためのイオンの元となる電解質(乳酸などの有機酸)が含まれているために、通電することができるといえるのです。
炭酸水は電流を流すことはできるのか
一方で、炭酸水も電気を通すことができる物質の一つです。
この理由としては、先にも述べたように電解質に対応する二酸化炭素が水に溶けたものが炭酸水であるためです。具体的には、CO2(二酸化炭素)が水に溶ける際には、H2CO3(炭酸)を生成するわけですが、このとき溶液中では電離するためH2CO3→2H+ + Co3 2- とプラスイオン、マイナスイオンに分離していることとなるのです。
これが、炭酸水には通電性がある理由なのです。
電気を通すかどうかは、電解質が存在し、それが溶液中で電離しているかどうかによって判断できることを理解しておくといいです。そのためにも、各溶液で「何が電解質なのか」も併せて覚えておきましょう。
まとめ
ここでは、牛乳や炭酸水は通電できるのかとその理由について解説しました。
牛乳も炭酸水も、電気を通すことが可能です。これは牛乳では、乳酸といった電解質を持ち、炭酸水では炭酸がこれに相当するためです。
電気を流せる理由などの身近な科学を理解し、毎日をより楽しんでいきましょう。