何気なく生活をしているとさまざまな面白い科学現象を発見することがよくあります。
例えば、コップに入っている氷が溶けた場合には、その水面の高さはどのように変化するのか理解していますか。氷が溶けたら水が増えるのでしょうか。
ここでは、この水と氷の水位の変化とその理由について解説していきます。
目次
氷が溶けても水位は変わらない?その理由は?【コップ】
結論からいいますと、コップなどに入った水の上の浮かんだ氷が溶けたとしても、水の量は変化しません。
この理由についてアルキメデスの原理(浮力の公式)から科学的に解説していきます。
まず、このアルキメデスの原理とは簡単にいうと、水などの液体に固体が浮かぶ際、「その固体が受ける力は排除した液体(水)の体積の大きさに応じて変化する」といった原理です。
例えば、以下のような縦長の直方体の氷が水に浮かんでいる場面を考えましょう。
このとき、浮いているため氷の10gと浮力として下からかかる10g分の力は釣り合っているわけです。
つまり、氷として排除している部分(水)の質量(重さ)も10gということを意味しています。
そして、氷全体の10g分が溶けたときには、質量保存の法則(質量は状態変化では変わらない)ことによって、水の質量も10gとなるのです。
結果として、コップの氷が溶けたとしても水位は変わらないのです。パッと見では、氷が溶けると水から出てる分の氷があるため、「水が溢れるのでは?」と考えがちですが、これは誤りですので上の流れをきちんと理解しておきましょう。
まとめ
ここでは、「コップの氷が溶け水になると水位は変化するのか」について確認しました。
氷が溶けて水になっても水の高さは変化せず、水が溢れるようなことはありません。これは科学のアルキメデスの原理によって説明することができます。
具体的には、氷の質量と質量に応じた浮力(排除した水の重さ)は一致することから、氷全体分が水になっても、丁度排除した水に変化するようなイメージをもつといいです。高く出ている氷分だけ推移が高くなると誤解しないように注意しましょう。