普段何気なく生活しているとき、「あの人は気性があらいな~」と思ったり、「このプラスチックは表面状態があらい」などと「あらい」という言葉をよく使用することでしょう。
ただ。この「あらい」は漢字にすると「粗い」と「荒い」という2通りの漢字で表現することができますが、これらの違いや使い分けについて理解していますか。
ここでは、「荒い」と「粗い」の違いや使用方法について、例文を交えて解説していきます。
目次
「荒い」と「粗い」の違い
まずは、「荒い」の意味について考えていきましょう。
「気性が荒い」「荒波」「荒いタッチの絵画」などと表現するように、「荒い」の意味としては、
・気質、性質などがあれている
・(波など)が激しい、勢いが強い
・度を越して乱暴
などが挙げられます。
例えば、荒い絵とは以下のようなイメージです。
つまり、心情的な部分や、物体などの動的なものに対して「あらい」という意味を使用したいときには、「荒い」を使用することが多いといえます。
荒々しさなどとも呼ぶことから、より内面にフォーカスした「あらい」がこちらの「荒い」にあたると考えておくといいです。
一方で「粗い」の意味としては、「プラスチックのの表面を粗く加工する」「粗い目のふるいでこす」などからもわかるように、
・粒が大きく、ざらっとした状態
・適当、大雑把な様子
・でこぼこや隙間などが大きい
などを表すといえます。
どちらかといえば、物体の静的な状態が「あらい」ときに使用するのが「粗い」であるといえます。
プラスチックの表面状態などを粗いとは以下のようなイメージです。
※
他にも、ふるいの目が粗いのは以下のような状態を指すわけです。
※
これらが、荒いと粗いの違いです。
大雑把な見分け方としては、
・「荒い」は心情・気質や人・物体の動的なものがあらいときに使用
・「粗い」は物体の静的な性質があらいときに使用
すると覚えておくといいです。
ただ、例外として山や岩などの物体などがあらいときには、物体の状態ですが「粗い」ではなく「荒い」を使用することもあります。
これはおそらくですが、状態よりもそこからくる「荒々しさ」の方が強調されるために「荒い」が使用されているのではないかと思います。
他にも、仕事があらいは実は「粗い」も「荒い」も使用するため、一概に上の使い分けが完全に適用されることでもないことを理解しておきましょう。
粗いと荒いの使い分け
それでは、粗いと荒いの違いを理解していくためにも、実際の例文を交えて考えていきます。
まずは「荒い」から確認していきます。
・今日は荒波の日だ(波が荒い)
・あの人は気性やが荒い
・私の友人は性格が洗い(荒々しい)
・上司は人使いが荒い
・同僚は仕事が荒い(仕事において激しい気質を持っている)
一方で、粗いを使用した例文としては、以下のようなものが挙げられます。
・この材料の表面状態は粗い(ざらっとしている)
・私の部下は仕事が粗い(適当である)
・あの人の肌のきめが粗い(隙間が多い)
・このふるいの目はとても粗い
・写真の画質が粗い
上述のよう、心情、感情的なものや動的なものには「荒い」を使用し、人や物体の静的なものには「粗い」を使うのが違いといえます。
たくさんの例文に慣れ、「粗い」と「荒い」の使い分けに慣れていきましょう。
まとめ
ここでは、「粗い」と「荒い」の違いや使い分けについて解説しました。
荒いの意味は、「気質、性質などがあれている」「激しい、勢いが強い」「度を越して乱暴」などであり、基本的に心情、感情的なものや人や物体などの動的なものに使用します。
一方で、粗いの意味は、「粒が大きい、ざらっとした状態」「適当、大雑把な様子」「でこぼこや隙間などが大きい」などの意味を持ち、基本的には人や物の静的な状態に対して、使っていきます。
「荒い」と「粗い」の違いや使い分けを理解して、より円滑なコミュニケーションを図っていきましょう。