薄毛に悩む方であれば、生活習慣の改善や育毛剤・発毛剤の使用などによって治療を試みていることが多いです。中でも、食生活の乱れでハゲている場合はそれを見直すだけでもAGAがある程度回復する可能性があるのも事実といえます。
例えば、「昆布(コンブ)などの海藻類を食べるとハゲが回復する」というイメージを持っている方が多いと思いますが、これは本当なのでしょうか。
ここでは、「昆布には育毛効果があるのか」についてその成分の観点から解説していきます。
目次
昆布には薄毛の改善効果があるのか
結論からいいますと、昆布などの海藻成分を摂取することによってある程度のハゲの回復が期待できるといえます。
これは昆布などの海藻は「髪の毛や頭皮を構成する成分であるたんぱく質」「体の健康・美容を維持っするために必要な各種ミネラル」を多く含むだけでなく、育毛効果が高い昆布特有の食物繊維(フコイダンやアルギン酸)を含有していることも理由として挙げられます。
https://kombu.or.jp/power/eiyou.htmlより引用
特に「食物繊維自体の薄毛治療への効果」「フコイダン特有の育毛効果」について確認していきます。
昆布に含まれる食物繊維(アルギン酸・フコイダン等)にはAGAの回復が期待できる
私達が何気なく生活していると、基本的に徐々に老化が進んでいきます。老化が進行することによって、
・髪の毛の土台である頭皮のハリが低下する
・育毛を促す毛母細胞の機能も落ちる
・脱毛因子である男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の分泌量が上がる
といった頭皮への悪影響が表れます。
結果として、脱毛の促進、育毛・発毛機能の低下が起きることによって、AGAが進行しやすくなるわけです。
そして、この老化が起こる大きな原因の一つに高血糖が挙げられます。血糖値が高い状態が続くと、血中の別の物質であるタンパク質と糖が結びついたAGE(糖たんぱく質結合体)と呼ばれるものが多く生成されます。
このAGEは別名老化物質とも呼ばれており、この量が増えれば老化が進むことを意味しています。
このときに、昆布に含まれるアルギン酸やフコイダンなどの食物繊維を摂取するとこの血糖値の上昇を緩やかにできる効果からAGEの生成を防ぐことができるのです。
アルギン酸やフコイダンとはいわゆる昆布のネバネバ成分のことと考えていいです。
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つまり、この昆布の粘り気成分の食物繊維を摂取することでAGAの進行を抑制できるといえます。
昆布など海藻に含まれるフコイダンは育毛効果が期待できる
なお、昆布などの海藻が含有している成分であるフコイダンには、上とは別の薄毛の治療効果が期待できます。
具体的には、フコイダンは育毛・発毛を促進する細胞の毛母細胞を活性化させる元の細胞の毛乳頭細胞自体の働きを促進させることができるのです。
毛入頭細胞が増えると、育毛・発毛を促す毛母細胞の量も増加させることができるため、育毛効果が期待できるわけです。
このフコイダンは昆布として摂取することでも、その薄毛の回復の効果が期待できますが、海藻エキス成分としてフコイダンを頭皮に塗ることでもそのハゲ改善への効能があることがわかっています。
https://www.aderans.co.jp/corporate/rd/pdf/aderans-plus01.pdfより引用
もちろんフコイダンを摂取することによっても、体内から同じように作用することができるため、AGAの改善への効果が期待できるといえるわけです。
育毛効果を得るための昆布(海藻)の摂取量や方法
このように、ハゲの回復を見込める昆布ですが、具体的にどの程度の量を摂取すると薄毛の改善に期待できるのでしょうか。
まずは、昆布の食物繊維の量と1日あたりの摂取目安量との比較により、AGAへの作用を考えていきます。
昆布にはいくつか種類がありますが、代表的な刻み昆布(切り昆布)を元に考えていきましょう。
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おおよそ1回の昆布摂取量としては20g程度であり、この中には食物繊維(アルギン酸、フコイダン)がこの合計量の30%弱である20 × 0.3 = 6g程度含有されています。
一方で1日あたりの摂取量である食物繊維20gに対して、昆布1回で摂れる食物繊維の量はおよそ30%程度であることがわかります。
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/intake/より引用
結果として、昆布の食物繊維によって比較的ハゲの回復が期待できるといえるわけです。
また、昆布に含まれるフコイダンとアルギン酸の量はおよそ重量の10%以下程度であり、フコイダンの含有量が半分と仮定すると約5%が含まれていることとなります。
https://kombu.or.jp/power/eiyou.htmlより引用
つまり、昆布一食相当量の20gを摂取した場合、20 × 0.05 × 1000 = 1000mgを得ることができる計算となります。
このとき、1日あたりのフコイダンの育毛への摂取目安量は以下のよう100~2000mgの範囲内に含まれていることから、薄毛の改善が期待できるのです。
http://www.jhnfa.org/kikaku9.pdfより引用
これらの理由から、昆布にはAGAへの改善が比較的期待できると判断できるのです。
昆布(海藻)の過剰摂取(ヨウ素)には注意すべき
ただ、昆布を始めとした海藻類には摂りすぎになると危険な成分である「ヨウ素」も含んでいるため、過剰摂取には気を付けましょう。
具体的には、ヨウ素の1日摂取推奨量の上限は3mgとされているのに対して、上述の昆布20gではヨウ素の含有量が約47mgと多すぎになってしまいます。
つまり、数日レベルで上述のような育毛にいいレベルの昆布をとっても体への負担はそこまでないのですが、1年間毎日摂取するような頻度では甲状腺機能の低下が起こるリスクがあるのです。
実際に以下のよう、昆布15gを55~87日程度取り続けることで、明確な甲状腺機能の低下が報告されています。
http://www.heisei.or.jp/blog/?p=1404より引用
そのため、先にも述べたハゲの回復として昆布だけの摂取を毎日を行うことはあまり現実的ではないことがわかります。
昆布などの海藻エキスが入った育毛剤を使う方がいい
そのため、体の中から昆布のフコイダンなどの育毛成分を摂るのではなく、育毛剤によって外部から頭皮働きかける方がよりハゲの改善効果を副作用なしで得られやすくなります。
具体的には、海藻エキス「M-034」などの有効成分が代表的であり、これらの海藻成分を含む育毛剤としては、チャップアップなどが挙げられます。
チャップアップは以下のような外観をしています。
なお、海藻エキスを含む成分は以下の通りです。
なお、チャップアップなどの人気の育毛剤であれば、
・基本的に脱毛因子であるジヒドロテストステロンを抑制できる成分
・血行促進成分
・頭皮環境を整える成分
をバランスよく含んでいることがほとんどであるため、発毛剤と同等といかないまでもAGAの治療効果が期待できるわけです。
昆布からは摂りすぎに控えながら育毛成分を得て、同時に育毛剤等で外部から薄毛の治療も併せて行っていくといいです。
まとめ
ここでは「昆布などの海藻にはAGAの回復効果があるのか」についてその成分の観点から解説しました。
昆布などの海藻は「髪の毛や頭皮を構成する成分であるたんぱく質」「体の健康・美容を維持っするために必要な各種ミネラル」を多く含むだけでなく、育毛効果が高い昆布特有の食物繊維(フコイダンやアルギン酸)を含有していることから、薄毛の回復に有効的といえます。
ただ、昆布には摂りすぎると甲状腺機能の低下を招くヨウ素も多く含んでいるため、実際のところ毎日ハゲの改善に効果がある量を食べると過剰摂取となってしまいます。
そのため、昆布の成分が「海藻エキス」として含まれている育毛剤などの使用によって、外部から頭皮に働きかける方が効果的といえます。
昆布の摂取や海藻エキスの活用などの適切な薄毛対策を摂り、AGAを克服していきましょう。