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平衡定数の式の立て方は?反応式から導出する方法も!(化学反応式・係数・べき乗・質量作用の法則など)

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化学平衡の問題を解く第一歩は、正確に平衡定数の式を立てることです。

しかし「どの物質を分子に書いてどの物質を分母に書けばよいか」「係数はどう扱えばよいか」という基本的なところで迷ってしまう方は少なくありません。

この記事では、平衡定数の式の立て方を化学反応式・係数・べき乗・質量作用の法則の観点から、手順を追って丁寧に解説していきます。

基本的なルールをしっかりと習得することで、どんな反応式が出てきても自信を持って平衡定数の式を立てられるようになるでしょう。

具体的な反応例も豊富に紹介していきますので、理解を深めながら読み進めてください。

目次

平衡定数の式の立て方の結論:生成物を分子、反応物を分母に書き、係数をべき乗にする

それではまず、平衡定数の式の立て方の結論からお伝えしていきます。

平衡定数の式を立てる基本ルールは非常にシンプルです。

ステップ1:反応式の右辺(生成物)のモル濃度を分子に書く

ステップ2:反応式の左辺(反応物)のモル濃度を分母に書く

ステップ3:各濃度の項に反応式の係数をべき乗として付ける

ステップ4:純固体・純液体(および溶媒の水)は式から除く

この4つのステップを確実に実行することで、どのような反応式に対しても正確な平衡定数の式が立てられます。

以下では各ステップを詳しく確認していきましょう。

ステップ1・2:生成物を分子、反応物を分母に配置する

まず反応式を確認し、矢印(⇌)の左辺が反応物、右辺が生成物であることを確認します。

Kcの式では生成物(右辺)のモル濃度を分子に、反応物(左辺)のモル濃度を分母に書きます。

例:A + B ⇌ C + D

Kc = [C][D] / ([A][B])

例:2NO(g) + O₂(g) ⇌ 2NO₂(g)

Kc = [NO₂]² / ([NO]²[O₂])

この配置ルールは質量作用の法則から来ており、「生成物が優勢なほどKが大きい」という直感的な意味と対応しています。

反応式の方向が変わる(逆反応)と分子と分母が入れ替わるため、KはK’=1/Kとなることも覚えておきましょう。

ステップ3:係数をべき乗として正確に付ける

各物質のモル濃度には、反応式の係数をそのままべき乗として付けます。

これは質量作用の法則の核心部分であり、最も計算ミスが起きやすい箇所でもあります。

係数の種類 べき乗の扱い 具体例
係数1(省略されている) べき乗1(書かなくてよい) [A]¹ → [A]
係数2 べき乗2 2A → [A]²
係数3 べき乗3 3H₂ → [H₂]³
係数1/2(分数) べき乗1/2(平方根) ½O₂ → [O₂]^(1/2)

分数の係数が出てきた場合もそのままべき乗として使います。

たとえば ½O₂ の場合は [O₂]^(1/2)、すなわち√[O₂] として扱います。

係数のべき乗を忘れることが最も多いミスであるため、係数の確認は必ず行うようにしましょう。

ステップ4:純固体・純液体を除く

純固体・純液体の活量は定義上1であるため、平衡定数の式には含めません。

代表的な除外物質の例を確認しておきましょう。

除外される物質の例:

・C(s)、Fe(s)、CaCO₃(s) などの固体

・H₂O(l)(溶媒として存在する純液体状の水)

・Hg(l)(液体水銀)など純液体

含める物質の例:

・気体(g)の物質:すべて含める

・水溶液中の溶質(aq):すべて含める

・H₂O(g)(水蒸気):気体なので含める

同じH₂Oでも液体(溶媒)は除外し、気体(水蒸気)は含めるという区別が重要です。

様々な反応タイプでの式の立て方の実践

続いては、様々な反応タイプでの式の立て方を実践的に確認していきます。

典型的な反応パターンごとに練習することで、未知の反応にも対応できる応用力が身につきます。

気体反応での式の立て方

気体反応ではKcとKpの両方を立てられます。まずKcを立て、必要に応じてKpに変換するのが基本的な流れです。

例1:N₂(g) + O₂(g) ⇌ 2NO(g)

Kc = [NO]² / ([N₂][O₂]) (Δn = 2−2 = 0 なので Kp = Kc)

例2:2H₂S(g) ⇌ 2H₂(g) + S₂(g)

Kc = [H₂]²[S₂] / [H₂S]²

Δn = 2+1−2 = 1 なので Kp = Kc × RT

例3:CO₂(g) + H₂(g) ⇌ CO(g) + H₂O(g)

Kc = [CO][H₂O] / ([CO₂][H₂]) (水蒸気は気体なので含める)

例3では水が気体(H₂O(g))として現れているため、式に含める点に注意しましょう。

物質の状態(気体・液体・固体・水溶液)を必ず確認してから式を立てる習慣が大切です。

不均一系反応(固体・液体が混在する反応)での式の立て方

固体や液体が反応に関与する不均一系反応では、それらを式から除くことが必要です。

例1:C(s) + CO₂(g) ⇌ 2CO(g)

Kc = [CO]² / [CO₂] (炭素の固体は除く)

Kp = (P_CO)² / P_CO₂

例2:FeO(s) + CO(g) ⇌ Fe(s) + CO₂(g)

Kc = [CO₂] / [CO] (固体のFeOとFeは除く)

例3:Zn(s) + 2HCl(aq) ⇌ ZnCl₂(aq) + H₂(g)

Kc = [ZnCl₂][H₂] / [HCl]² (固体のZnは除く)

固体を除くと式が非常にシンプルになることが多く、計算も大幅に楽になります。

固体を誤って式に含めると計算が複雑になるだけで結果も変わらないため、必ず除外しましょう。

電離・加水分解・溶解度積の式の立て方

酸塩基・溶解平衡でも同じルールで式を立てます。

弱酸電離:HF(aq) ⇌ H⁺(aq) + F⁻(aq)

Ka = [H⁺][F⁻] / [HF]

難溶性塩の溶解:BaSO₄(s) ⇌ Ba²⁺(aq) + SO₄²⁻(aq)

Ksp = [Ba²⁺][SO₄²⁻] (固体のBaSO₄は除く)

塩の加水分解:CN⁻(aq) + H₂O(l) ⇌ HCN(aq) + OH⁻(aq)

Kh = [HCN][OH⁻] / [CN⁻] (溶媒の水は除く)

溶解度積Kspは固体塩を除いた後のイオン濃度の積であり、平衡定数の特別な形です。

すべての平衡定数はこの4ステップのルールで統一的に立てられることを理解することが大切です。

反応式の変形と平衡定数の式の変化

続いては、反応式を変形したときに平衡定数の式がどのように変わるかを確認していきます。

反応式の変形ルールを正確に理解することで、複合的な問題にも対応できるようになります。

反応式を逆にした場合の式の変化

反応式の向きを逆にすると、分子と分母が入れ替わり、平衡定数は逆数になります。

正反応:A + B ⇌ C + D → Kc = [C][D]/([A][B])

逆反応:C + D ⇌ A + B → K’c = [A][B]/([C][D]) = 1/Kc

これは ΔG° = −RT ln K において、逆反応ではΔG°の符号が逆になるためΔG°逆 = −ΔG°正、K逆 = 1/K正 となることに対応しています。

反応の向きが変わるたびに平衡定数が逆数になるという関係は確実に覚えておきましょう。

反応式の係数をn倍にした場合の式の変化

反応式全体の係数をn倍にすると、各濃度のべき乗がn倍になり、平衡定数はK^nになります。

元の反応:A ⇌ 2B → Kc = [B]²/[A]

2倍にした反応:2A ⇌ 4B → K’c = [B]⁴/[A]² = ([B]²/[A])² = Kc²

1/2倍にした反応:½A ⇌ B → K”c = [B]/[A]^(1/2) = √Kc

係数を変えることで平衡定数の数値が大きく変わるため、問題文で与えられているKが「どの係数の反応式に対応するものか」を確認することが非常に重要です。

複数の反応式を足し合わせた場合の式の変化

複数の反応式を足し合わせて一つの反応式を作る場合、対応する平衡定数はそれぞれの積になります。

反応1:A ⇌ B(K₁)、反応2:B ⇌ C(K₂)

反応1 + 反応2:A ⇌ C(K = K₁ × K₂)

これはΔG°の加法性(ΔG°₁ + ΔG°₂ = ΔG°total)から導かれます

ヘスの法則と似た考え方であり、反応式が足し算されるとき平衡定数は掛け算になるという対応関係を覚えておきましょう。

式を立てる際の典型的なミスとその防止策

続いては、平衡定数の式を立てる際によくある典型的なミスとその防止策を確認していきます。

ミスのパターンを知っておくことで、試験本番での失点を大幅に減らすことができます。

係数のべき乗忘れ

最も頻出のミスは係数のべき乗を忘れることです。

たとえば 2HCl の場合、[HCl]² とすべきところを [HCl] のままにしてしまうケースが多く見られます。

防止策として、式を立てる前に反応式の係数をすべて確認し、べき乗を必ず書き込む習慣をつけましょう。

係数確認を省略したまま計算に進むことが最大のリスクです。

固体・液体を除かずに式に含めてしまうミス

固体や純液体を誤って式に含めてしまうミスも頻出です。

特に水が生成物として現れる場合や、固体が反応物として明示されている場合に注意が必要です。

防止策として、反応式の各物質の状態(g, l, s, aq)を確認し、(l)や(s)が付いているものを式から除くルールを習慣化しましょう。

なお、(g)が付いている水(水蒸気)は式に含めることを忘れないでください。

分子と分母を逆にするミス

生成物と反応物を逆に配置してしまうミスも起こりやすいです。

「生成物が分子、反応物が分母」というルールを忘れ、逆にしてしまうと答えが1/Kになってしまいます。

防止策として、式を立てた後に「Kの値が1より大きいなら生成物優勢・1より小さければ反応物優勢」という確認を行いましょう。

問題文の条件(例えば「この反応は右方向に大きく進む」)と自分が立てたKの値の大小が一致しているかどうかを確認することが有効です。

平衡定数の式の立て方まとめ

この記事では、平衡定数の式の立て方について化学反応式・係数・べき乗・質量作用の法則の観点から詳しく解説してきました。

基本ルールは4ステップ(生成物を分子・反応物を分母・係数をべき乗・純固体液体を除く)であり、これを確実に実行することがすべての出発点です。

気体反応・不均一系反応・電離・溶解度積など様々な反応タイプでも、同じルールで統一的に式を立てることができます。

反応式の変形(逆向き・係数倍・複数の足し合わせ)に対応した平衡定数の変化ルールも合わせて習得することで、複合的な問題にも対応できるようになります。

係数のべき乗・純固体液体の除外・生成物と反応物の配置という3つのポイントを常に意識することが、正確な式の立て方を身につける最短ルートです。

多くの反応例で繰り返し練習を積み重ねることで、式を立てることが自然にできるようになるでしょう。

化学平衡の問題は式の立て方が正確であれば、あとは計算を丁寧に進めるだけで解くことができます。

ぜひ基礎を固めた上で、様々な問題に挑戦してみてください。

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