科学

三角形の内接円とは?半径や性質や面積や公式の求め方や計算方法!書き方や外接円も

当サイトでは記事内に広告を含みます

三角形の内接円とは何か、その半径の求め方や面積の公式、さらに書き方や外接円との違いまで、疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。

「内接円って三角形の中にぴったり収まる円のこと?」「半径はどうやって計算するの?」「外接円とは何が違うの?」といった疑問は、中学・高校数学を学ぶ中でよく出てくるテーマです。

この記事では、三角形の内接円とは何か、その半径・性質・面積・公式の求め方や計算方法、書き方、そして外接円との比較まで、ひとつひとつ丁寧に解説していきます。公式を丸暗記するだけでなく、その意味や導き方もあわせてお伝えしますので、理解をしっかり深めながら読み進めてください。

目次

三角形の内接円とは?結論|三角形の3辺すべてに接する円のこと!

それではまず、三角形の内接円とは何かという定義と結論について解説していきます。

三角形の内接円とは、三角形の内側にあって3辺すべてに接する円のことです。「内接」とは「内側で接する」という意味で、三角形の場合は3辺のすべてにぴったりと触れる円が内接円になります。

内接円の中心は「内心(I)」と呼ばれ、三角形の3つの内角の二等分線が交わる点と一致します。内心から各辺までの距離はすべて等しく、その距離が内接円の半径 r になります。

内接円の定義まとめ
内接円 → 三角形の3辺すべてに接する円
内心(I)→ 内接円の中心 = 3つの内角の二等分線の交点
内接円の半径 r → 内心から各辺までの距離(すべて等しい)
どんな三角形にも必ず内接円は1つだけ存在します。

内接円は三角形の面積や辺の長さと深い関係を持っており、面積の公式「S = r × s」(s は半周長)など、入試でも頻繁に使われる重要な公式につながっています。次の見出しからは、具体的な性質や公式の意味を詳しく確認していきましょう。

内接円の性質と内心の特徴

続いては、三角形の内接円の性質と内心の特徴を確認していきます。

内接円の性質を正確に理解しておくことは、半径を求める公式を導いたり、証明問題に対応したりするうえで非常に大切です。内接円には、3辺への距離が等しいという基本性質を中心に、いくつかの重要な特徴があります。

内心の性質|3つの内角の二等分線が交わる点

内接円の中心である内心Iは、三角形の3つの内角の二等分線が1点で交わる点として定義されます。これは内接円の最も重要な性質です。

内心の定義と性質
三角形ABCにおいて
∠Aの二等分線・∠Bの二等分線・∠Cの二等分線
→ すべて1点I(内心)で交わる
内心Iから各辺までの距離(垂線の長さ)はすべて等しい
内心から辺BCまでの距離 = 内心から辺CAまでの距離
= 内心から辺ABまでの距離 = r(内接円の半径)

角の二等分線上の点は、その角をはさむ2辺から等距離にあるという性質があります。3つの内角の二等分線がすべて交わる点では、3辺すべてから等距離になるため、その点を中心とした内接円が存在することになります。

内接円と接点の関係

内接円が各辺に接する点を「接点」と呼びます。三角形ABCの内接円の接点をそれぞれ P(辺BC上)・Q(辺CA上)・R(辺AB上)とすると、頂点から接点までの長さに興味深い関係が成り立ちます。

頂点から接点までの長さの関係
辺の長さを a = BC・b = CA・c = AB とする
半周長を s = (a + b + c) / 2 とすると
AR = AQ = s − a
BR = BP = s − b
CP = CQ = s − c
各頂点から2つの接点までの長さは等しく
その値は半周長から向かい合う辺の長さを引いた値になる

この関係は証明問題でもひんぱんに使われます。「同じ頂点から引いた2本の接線の長さは等しい」という接線の性質が背景にあります。問題を解く際に接点の長さを文字で置いて整理すると、方程式がスッキリまとまります。

内接円と三角形の面積の関係

内接円の半径 r と三角形の面積 S には、非常に重要な関係があります。

内接円の半径と面積の公式
三角形を内心Iを頂点として3つの小三角形に分割すると
三角形ABCの面積 S
= 三角形IBC の面積 + 三角形ICA の面積 + 三角形IAB の面積
= (1/2)ar + (1/2)br + (1/2)cr
= (1/2)(a + b + c)r
= sr
つまり S = r × s(s は半周長)

この公式は内接円の性質から自然に導かれる美しい関係です。「S = rs」という公式は内接円の問題を解くうえで最重要公式のひとつといえます。面積と辺の長さがわかれば半径が求められ、逆に半径がわかれば面積が求められます。

内接円の半径の求め方と具体的な計算方法

続いては、三角形の内接円の半径の具体的な求め方と計算方法を確認していきます。

内接円の半径を求める方法はいくつかありますが、最も基本的なのは面積と半周長を使う方法です。与えられた情報に応じて適切なアプローチを選べるよう、いくつかのパターンを覚えておきましょう。

面積と半周長から求める方法(基本公式)

最もシンプルで汎用性の高い方法が「S = rs」を変形した公式です。

内接円の半径の基本公式
r = S ÷ s = 2S ÷ (a + b + c)
S → 三角形の面積
s → 半周長 = (a + b + c) / 2
a・b・c → 三角形の3辺の長さ
例:3辺が 3cm・4cm・5cm の直角三角形の場合
面積 S = 3 × 4 ÷ 2 = 6(cm²)
半周長 s = (3 + 4 + 5) / 2 = 6(cm)
内接円の半径 r = S ÷ s = 6 ÷ 6 = 1(cm)

直角三角形(3・4・5)の内接円の半径が1cmになるというのは、非常にきれいな結果です。直角三角形の内接円の半径には「r = (a + b − c) / 2」(c は斜辺)という特別な公式もあり、覚えておくと便利です。

正三角形・二等辺三角形の内接円の半径

特定の形の三角形では、よりシンプルな公式で内接円の半径を求めることができます。

正三角形(1辺 a)の内接円の半径
面積 S = (√3/4)a²
半周長 s = 3a/2
r = S ÷ s = (√3/4)a² ÷ (3a/2) = (√3 a) / 6 = a / (2√3)
例:1辺 6cm の正三角形
r = 6 / (2√3) = 3/√3 = √3(cm)
二等辺三角形(底辺 2a・等辺 l)の内接円の半径
高さ h = √(l² − a²)
面積 S = a × h
半周長 s = a + l
r = S ÷ s = (a × h) ÷ (a + l)

正三角形の内接円の半径は「a / (2√3)」または「(√3/6)a」と覚えておくと計算が速くなります。外接円の半径が「(√3/3)a」であることと合わせて、内接円は外接円の半分の半径になるという関係も知っておくとよいでしょう。

ヘロンの公式と組み合わせた求め方

3辺の長さだけが与えられていて面積が不明な場合は、ヘロンの公式で面積を求めてから内接円の半径を計算します。

ヘロンの公式を使った手順
3辺を a・b・c、半周長を s = (a+b+c)/2 とする
面積 S = √(s(s−a)(s−b)(s−c))
内接円の半径 r = S / s = √((s−a)(s−b)(s−c)/s)
例:3辺が 5cm・6cm・7cm の三角形
s = (5+6+7)/2 = 9
S = √(9×4×3×2) = √216 = 6√6
r = 6√6 ÷ 9 = 2√6/3(cm)

ヘロンの公式と内接円の公式を組み合わせることで、3辺の長さだけから内接円の半径を完全に求めることができます。この流れは入試問題でも頻出のパターンです。

内接円の書き方と外接円との比較

続いては、内接円の実際の書き方と、外接円との違い・比較を確認していきます。

内接円を正確に作図する方法を知っておくことは、図形の理解を深めるうえでも役立ちます。また、内接円と混同されやすい外接円との違いをしっかり把握しておくことも重要です。

内接円の作図の手順

コンパスと定規を使って内接円を作図する手順は以下のとおりです。

内接円の作図手順三角形ABCを描く
頂点Aの内角∠Aの二等分線を引く
(コンパスで∠Aの2辺に等距離の点を取り、その点から等距離の点を結ぶ)
同様に頂点Bの内角∠Bの二等分線を引く
2本の二等分線の交点が内心I
内心Iから辺BCへ垂線を下ろし、
その長さを半径 r として円を描く→ これが内接円

作図のポイントは「2本の角の二等分線を引くだけで内心が定まる」

という点です。3本すべてを引く必要はなく、2本の交点がそのまま内心になります。

外接円とは何か?内接円との違い

内接円と似た概念として「外接円」があります。外接円とは、三角形の3つの頂点すべてを通る円のことです。内接円が3辺に接するのに対し、外接円は3頂点を通るという大きな違いがあります。

比較項目 内接円 外接円
定義 三角形の3辺すべてに接する円 三角形の3頂点すべてを通る円
中心 内心I(内角の二等分線の交点) 外心O(各辺の垂直二等分線の交点)
半径の記号 r(小文字) R(大文字)
三角形との位置 三角形の内側 三角形を囲む外側
常に存在するか どんな三角形にも1つだけ存在 どんな三角形にも1つだけ存在

外接円の半径の求め方と正弦定理

外接円の半径 R は、正弦定理を使って求めることができます。

外接円の半径の公式(正弦定理)
a / sin A = b / sin B = c / sin C = 2R
→ R = a / (2 sin A) = b / (2 sin B) = c / (2 sin C)
例:3辺が 3cm・4cm・5cm の直角三角形
最大角 ∠C = 90°(斜辺 c = 5cm)
R = 5 / (2 × sin 90°) = 5 / 2 = 2.5(cm)
→ 直角三角形の外接円の半径 = 斜辺 / 2
内接円の半径 r と外接円の半径 R の関係を整理しておきましょう。内接円の半径は「r = S / s」、外接円の半径は「R = abc / (4S)」で求められます。同じ三角形でも r と R の値は異なり、一般に R ≧ 2r という関係(オイラーの不等式)が成り立ちます。

内接円と外接円はそれぞれ別の公式・別の中心を持ちますが、どちらも三角形の辺や面積と深く結びついています。r は「S = rs」、R は正弦定理「2R = a / sin A」という2つの公式を軸に覚えておきましょう。

まとめ

この記事では、三角形の内接円とは何か、その半径・性質・面積・公式の求め方や計算方法、書き方、そして外接円との比較まで幅広く解説しました。

内接円とは三角形の3辺すべてに接する円で、その中心を内心(I)と呼びます。内心は3つの内角の二等分線の交点であり、内心から各辺までの距離がすべて等しく、その距離が内接円の半径 r になります。

内接円の半径を求める最重要公式は「r = S / s」です。S は三角形の面積、s は半周長を表します。3辺の長さしかわからない場合は、ヘロンの公式で面積を求めてから代入する流れで計算できます。直角三角形の場合は「r = (a + b − c) / 2」という特別公式も活用できます。

外接円との違いも重要で、内接円が3辺に接するのに対し、外接円は3頂点を通ります。外接円の半径 R は正弦定理「2R = a / sin A」から求め、内接円の r とは異なる値になります。

内接円に関する公式と性質は、試験でもよく出題される頻出テーマです。この記事を参考に、内接円への理解をしっかり深めていただければ幸いです。