トマトのカリウム含有量や摂取目安量は（meqも、1個に含まれる量が多い、腎臓病や透析なども）

トマトは世界中で愛される代表的な野菜の一つで、サラダ、パスタ、スープ、ジュースなど様々な形で私たちの食卓に登場します。その鮮やかな赤色と爽やかな酸味、そして豊富な栄養素で「トマトが赤くなると医者が青くなる」という言葉があるほど健康に良い食材として知られています。

トマトの注目すべき栄養素の中でも、「カリウム」は重要な位置を占めています。トマトのカリウム含有量は野菜の中では中程度で、1個で成人の1日推奨摂取量の約7％を摂取することができます。また、リコピンやビタミンCも豊富に含まれているため、栄養バランスの優れた食材です。

カリウムは血圧調整、筋肉機能、体内の水分バランスの維持に重要な役割を果たすミネラルです。適切な摂取は生活習慣病の予防にも役立ちますが、腎臓病や透析治療を受けている方にとっては、摂取量の管理が必要な栄養素でもあります。

この記事では、トマト1個に含まれるカリウムの詳細な量から、年齢別の摂取目安量、腎臓病患者の方への注意点まで、分かりやすく解説していきます。トマトを安心して美味しく楽しむための参考にしていただければ幸いです。

トマト一個に含まれるカリウムの量は？小さめ普通大きめトマト

トマトのカリウム含有量について詳しく解説していきます。

トマトのサイズによってカリウム含有量は異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

トマトのサイズ	重量（可食部）	カリウム含有量	meq換算
プチトマト（1個）	約15g	約32mg	約0.8meq
小さめ	約100g	約210mg	約5.4meq
普通サイズ	約150g	約315mg	約8.1meq
大きめ	約200g	約420mg	約10.8meq

普通サイズのトマト1個には約315mgのカリウムが含まれており、これはキウイ（約281mg）とほぼ同程度で、バナナ（約360mg）よりやや少ない量です。プチトマトの場合は1個あたり約32mgと少量ですが、10個食べると約320mgになるため、摂取量の把握が重要です。

トマトには品種による違いもあります。「桃太郎」や「ファーストトマト」などの一般的な品種は中程度のサイズが多く、「フルーツトマト」は小さめで糖度が高い傾向があります。「ビーフトマト」などの大玉品種は200g以上になることもあり、カリウム含有量も相応に高くなります。

また、トマトの熟度によってもカリウム含有量は変化します。完熟したトマトの方が栄養素が凝縮されており、やや高いカリウム含有量を示します。青いトマトよりも真っ赤に熟したトマトの方がカリウムが多く含まれています。

加工品では、トマトジュース（200ml）で約520mg、トマト缶詰（100g）で約200mg程度のカリウムが含まれており、生のトマトと同様に注意が必要です。

カリウムの1日摂取目安量に相当のトマトの量や個数は？年齢別

カリウムの1日摂取目安量に相当するトマトの個数について、年齢別に詳しく解説していきます。

年齢・性別	1日カリウム摂取目安量	トマト換算（普通サイズ）	推奨摂取量
成人男性（18歳以上）	3,000mg	約9.5個	1～2個程度
成人女性（18歳以上）	2,600mg	約8.3個	1～2個程度
小学生（6～11歳）	1,600mg～2,000mg	約5.1個～6.3個	1個程度
中学生・高校生（12～17歳）	2,400mg～2,800mg	約7.6個～8.9個	1～2個程度
高齢者（65歳以上）	成人と同様	成人と同様	1～2個程度

トマトは適度なカリウム含有量のため、健康な成人であれば1日1～2個程度を安心して摂取できます。これは普通サイズのトマトで約315mg～630mgのカリウム摂取に相当し、1日の推奨量の約11％～21％を占めます。

成人の場合、トマト2個で約630mgのカリウムを摂取でき、これは他の食材と組み合わせても適切な範囲内に収まります。特にリコピンやビタミンCも同時に摂取できるため、抗酸化作用や免疫力向上も期待できる優秀な野菜です。

子供の場合は、体重や代謝を考慮して1日1個程度が適量です。トマト1個（約315mg）で、小学生の推奨摂取量の約16％～20％を摂取できるため、成長期の栄養補給に適しています。

プチトマトを好む場合は、1個約32mgなので10個で約320mgとなり、普通のトマト1個分に相当します。お弁当や間食として食べる際は、個数の管理を意識することが大切です。

トマトは生食だけでなく、加熱調理することでリコピンの吸収率が向上します。ただし、トマトソースやケチャップなどの加工品は塩分も含むため、全体的な栄養バランスを考慮して摂取することをおすすめします。

腎臓病や透析患者の場合のカリウムの1日摂取目安量に相当のトマトの量や個数は？

腎臓病や透析患者の方のカリウム摂取について詳しく解説していきます。

患者区分	1日カリウム摂取制限量	トマト換算（普通サイズ）	実際の推奨量
腎臓病患者	1,500mg～2,000mg	約4.8個～6.3個	0.5個～1個程度
透析患者	1,500mg程度	約4.8個	0.5個程度

トマト摂取時の注意点

腎臓病や透析患者の方がトマトを摂取する際には、以下の点に注意が必要です：

トマト1個（約315mg）は、1日の制限量（1,500mg）の約21％を占めるため、他の食材からのカリウム摂取を慎重に考慮する必要があります。比較的摂取しやすい量ですが、油断せずに管理することが重要です。

– 医師や管理栄養士と相談の上で摂取量を決定する
– 血液検査の結果（カリウム値）を定期的に確認する
– 他の中～高カリウム食品との組み合わせに注意する
– トマト加工品（ジュース、ソース、ケチャップ）の摂取量も含めて計算する

トマトのカリウム除去方法

どうしてもトマトを食べたい場合は、以下の方法でカリウムを減らすことができます：

– 薄切りにして水にさらす（約15～20分）
– 湯通しする（短時間茹でる）
– 皮をむいて果肉のみを摂取する
– プチトマトの場合は半分に切って水にさらす

これらの方法により、カリウム含有量を約20～30％程度減らすことが可能です。

トマト加工品への注意

特に注意が必要なトマト加工品のカリウム含有量：

– トマトジュース（200ml）：約520mg
– トマトピューレ（100g）：約400mg
– ドライトマト（100g）：約1,400mg
– ケチャップ（大さじ1）：約60mg

これらの加工品は濃縮されているため、カリウム含有量が高くなります。

代替野菜の提案

トマトの代わりとして、以下の低カリウム野菜をおすすめします：

– きゅうり（1本約200mg）
– レタス（100gあたり約200mg）
– キャベツ（100gあたり約200mg）
– もやし（100gあたり約69mg）

免責事項

ここで記載した内容は、あくまでも一般的な目安値です。腎臓病や透析患者の方の場合、個人の病状や治療状況によって適切な摂取量は大きく異なります。必ず主治医や管理栄養士にご相談の上、個人に合った食事管理を行ってください。自己判断でのトマト摂取は危険な場合があります。特にトマト加工品は高濃度のカリウムを含むため、より慎重な管理が必要です。