いまでは接着剤の普及もあり接着がしやすいものであれば、接着剤によって基本的にどのような製品でもある程度の強度で接着することが可能です。
しかし、中には接着しにくい材質も存在し、その代表としてポリプロピレン(PP)などが挙げられます。つまり、PPは普通の接着剤ではなかなか接着ができないといえるのです。それでは、なぜポリプロピレンなどの材質は接着するのが難しいのか理解していますか。
ここでは、ポリプロピレン(PP)が接着しにくい理由や、おすすめのPP用の接着剤について解説していきます。
目次
ポリプロピレン(PP)が接着しにくい原因
結論からいいますと、PPが接着できない理由としては「ポリプロピレンは結晶性が高い」「接着剤と反応する官能器をほとんどもたない」ことが挙げられます。このことについて以下で詳細を確認していきます。
ポリプロプレンとはプロピレンが重合されたものを指し、規則正しい結晶性の高いポ
リマー(高分子)となっており、以下のような構造式で表されます。
つまり、PPは反応性がそもそも低い材料なのです。
逆にいうと、ポリプロピレンはその分、耐酸性、耐薬品性など他の物からの影響をうけにく
い、安定性の高い材料ともいえるわけです。
上述のようにポリプロビレンは規則的な構造だけでなく、通常の接着剤(極性のある有機系
の物質)と化学反応するための官能基(NH2 や COOHなど)も持っていないのです。こ
の影響もあり、さらに接着剤との反応性が低くなっているといえます。
このように、ポリプロピレンの結晶性の高さと、接着剤と反応しやすい構造がないことから、「PPは接着できない」「接着できにくい構造」といえるのです。
ポリプロピレンをくっつける方法【接着できる】
そして、ポリプロピレンの接着を可能にするための方法としては、複数の方法が存在し以下
で詳細を確認していきます。
プライマーが付属してあるPP用接着剤を使用する
ポロプロピレン(PP)用接着剤としては、プライマーとよばれるものがついている製品が
あります。このプライマーとは、いわば界面活性剤のような動きがあり、本来くっつきにく
い PP(ポリプロピレン側)と接着剤の橋渡し的な役割を担っているといえます。
代表的なプライマー付のPP用接着剤で有名なものには、以下の製品があり、コスト、性能、メーカーの信頼性(セメダイン社)ともにいいため、おすすめです。
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ポリプロピレン(PP)の表面を荒くするのもおすすめ
なお、接着剤だけでなく、PPの表面をやすりなどで削ることによって、荒くすることも接着力の向上につながります。
これは、表面が粗いと接着剤が船から出る錨(イカリ)のように、土台(PP)と結着しとれにくくなるためといえます(アンカー効果)。よって、接着剤を塗布する前に、まず紙や鉄のやすりなどで荒く磨くのもよく接着できるようになるのでおすすめです。
まとめ
ここでは、「ポリプロピレン(PP)が接着しにくい理由」や「PPをくっつける方法」について解説しました。
PPが付きにくい理由としては「ポリプロピレンは結晶性が高い」「接着剤と反応する官能器をほとんどもたない」ことが挙げられます。
そして、このPPをくっつけるためには、
・プライマー付のPP用接着剤を使う
・ポリプロピレンの表面をやすりなどで荒く加工する
のがおすすめです。
適切な接着剤の選定や表面処理を行い、PPを上手に接着させていきましょう。