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電気抵抗の並列回路の求め方は?計算公式と例題も!(合成抵抗:1/R=1/R1+1/R2:直列回路との違いなど)

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電気回路を学習していると、「並列接続の合成抵抗はどうやって計算するのか」「直列回路と並列回路で何が違うのか」という疑問にぶつかることがあります。

並列回路の合成抵抗の計算は、直列回路の単純な足し算とは異なる手順が必要で、最初はとまどう方も多いでしょう。

しかし、並列合成抵抗の公式(1/R=1/R1+1/R2+…)の意味をしっかり理解すれば、どんな並列回路も自信を持って計算できるようになります。

本記事では、並列回路の合成抵抗の公式とその導出・計算の手順・具体的な例題・直列回路との違いまで、初学者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。

目次

電気抵抗の並列回路とは:基本概念と特徴

それではまず、並列回路の基本的な概念と、直列回路との違いについて解説していきます。

並列回路(Parallel Circuit)とは、2つ以上の抵抗(素子)が共通の2点の間に並んで接続された回路構造のことです。

並列接続では、すべての抵抗に同じ電圧がかかります。

一方、各抵抗に流れる電流は抵抗値の大小によって異なり、抵抗が小さいほど多くの電流が流れます。

並列回路の基本特性

①各抵抗にかかる電圧はすべて等しい(V₁ = V₂ = … = V)

②各抵抗に流れる電流の和が全体の電流になる(I = I₁ + I₂ + …)

③合成抵抗は各抵抗値のどれよりも小さくなる

これら3つの特性が並列回路を理解するうえでの核心です。

家庭のコンセントに複数の電気器具を挿すと、それぞれに100Vの電圧がかかりながら同時に使えるのは、電気器具が並列接続されているからです。

照明を増やすほど全体の電流(電力)が増えるのも、並列接続の合成抵抗が小さくなって電流が増加するためです。

直列回路との根本的な違い

直列回路と並列回路の違いを明確に理解しておくことが、回路計算の基礎となります。

比較項目 直列回路 並列回路
電流 各素子に同じ電流が流れる 各素子の電流は抵抗に反比例
電圧 各素子の電圧の和が全体の電圧 各素子に同じ電圧がかかる
合成抵抗 各抵抗値の和(必ず大きくなる) 逆数の和の逆数(必ず小さくなる)
1素子が断線した場合 回路全体が不通になる 他の素子は動作を続ける
主な用途例 電流制限・電圧分割 家庭のコンセント・バッテリーの並列化

直列回路では1つの抵抗が断線すると電流が流れなくなりますが、並列回路では1つが断線しても他の経路で電流が流れ続けるという冗長性があります。

これが電力系統や重要電気設備で並列接続が好まれる理由のひとつです。

並列回路の電流と電圧:キルヒホッフの法則との関係

並列回路の特性はキルヒホッフの法則から導くことができます。

キルヒホッフの電流則(KCL)より、接続点に流れ込む電流の和=流れ出る電流の和なので、I = I₁ + I₂ + …が成り立ちます。

キルヒホッフの電圧則(KVL)より、並列接続された各素子の両端電圧は等しく、V₁ = V₂ = … = V となります。

これら2つの原則から並列合成抵抗の公式が自然に導かれます。

並列回路の合成抵抗の公式とその導出

続いては、並列回路の合成抵抗の公式(1/R=1/R1+1/R2+…)の導出過程を確認していきます。

公式を丸暗記するだけでなく、なぜそうなるのかを理解することで、応用問題にも対応できる真の計算力が身につきます。

並列合成抵抗の公式の導出

2つの抵抗R1・R2の並列合成抵抗の導出

①並列接続なので各抵抗にかかる電圧は等しい:V₁ = V₂ = V

②オームの法則より各電流は I₁ = V/R1、I₂ = V/R2

③KCLより全体の電流 I = I₁ + I₂ = V/R1 + V/R2

④合成抵抗RをV/Iで定義すると

1/R = I/V = (V/R1 + V/R2) / V = 1/R1 + 1/R2

したがって並列合成抵抗の公式:1/R = 1/R1 + 1/R2

この導出から、並列合成抵抗の公式は「電流が複数の経路に分流される」という物理的事実を数式で表したものであることが理解できます。

2抵抗並列のシンプル計算式

2つの抵抗を並列接続した場合によく使われる便利な変形公式があります。

2抵抗並列の計算式(積÷和の公式)

R = R1 × R2 / (R1 + R2)

この「積を和で割る」公式は2抵抗の場合に限り使える便利な式です。

3抵抗以上の並列では使えないので注意が必要です。

例:30Ωと60Ωの並列合成抵抗

R = 30 × 60 / (30 + 60) = 1,800 / 90 = 20 Ω

合成抵抗20Ωは最小抵抗値30Ωより確かに小さくなっています。

等値抵抗n個並列の計算式

同じ抵抗値Rの抵抗をn個並列に接続した場合、合成抵抗は特に簡単に求まります。

等値抵抗n個並列の公式

R_total = R / n

例:100Ωの抵抗を5個並列接続した場合

R_total = 100 / 5 = 20 Ω

例:1.5kΩの抵抗を3個並列接続した場合

R_total = 1,500 / 3 = 500 Ω

この公式は複数の同一仕様の抵抗を使って定格電力を分散させたいときや、部品在庫の関係で目標抵抗値を別の値の抵抗の組み合わせで実現するときに役立ちます。

並列回路の合成抵抗の計算例題

続いては、さまざまなケースの並列回路の合成抵抗計算を例題で確認していきます。

計算手順を繰り返し練習することで、どんなパターンの問題にも対応できる計算力が身につきます。

例題1:3抵抗の並列合成抵抗を求める

問題:10Ω・20Ω・60Ωの3つの抵抗が並列に接続されている。合成抵抗を求めなさい。

解法:1/R = 1/10 + 1/20 + 1/60

通分するために最小公倍数60で通分します。

1/R = 6/60 + 3/60 + 1/60 = 10/60 = 1/6

R = 6 Ω

合成抵抗6Ωは最小の抵抗値10Ωよりも小さくなっており、公式が正しく適用されています。

例題2:並列回路の各抵抗に流れる電流を求める

問題:12Vの電源に20Ωと30Ωの抵抗が並列接続されている。各抵抗に流れる電流と全体の電流を求めなさい。

解法

並列なので各抵抗にかかる電圧はどちらも12Vです。

I₁ = V/R1 = 12/20 = 0.6 A

I₂ = V/R2 = 12/30 = 0.4 A

全体の電流 I = I₁ + I₂ = 0.6 + 0.4 = 1.0 A

合成抵抗で確認:R = 20 × 30 / (20 + 30) = 600 / 50 = 12 Ω

I = V/R = 12/12 = 1.0 A ← 一致して正しい

例題3:合成抵抗が指定値になる並列抵抗を求める

問題:60Ωの抵抗と別の抵抗Rを並列接続したとき、合成抵抗が20Ωになるようにしたい。抵抗Rの値を求めなさい。

解法:1/20 = 1/60 + 1/R

1/R = 1/20 − 1/60

1/R = 3/60 − 1/60 = 2/60 = 1/30

R = 30 Ω

60Ωと30Ωを並列にすると合成抵抗は20Ωになります。

確認:R = 60 × 30 / (60 + 30) = 1800 / 90 = 20 Ω ← 正しい

直並列混合回路の計算と実際の回路設計への応用

続いては、直列と並列が混在する混合回路の計算と、実際の回路設計での応用について確認していきます。

現実の電子回路は純粋な直列・並列だけでなく、複雑に組み合わさった混合回路が多いため、系統的な計算手順の習得が重要です。

直並列混合回路の計算手順

直並列混合回路の合成抵抗は、内側から段階的に等価抵抗に置き換えていくという手順で求めます。

直並列混合回路の計算例

回路の構成:R1(40Ω)に、R2(30Ω)とR3(60Ω)の並列接続が直列に接続されています。

ステップ1:R2とR3の並列合成抵抗を求める

R_parallel = 30 × 60 / (30 + 60) = 1,800 / 90 = 20 Ω

ステップ2:R1(40Ω)とR_parallel(20Ω)の直列合成抵抗

R_total = 40 + 20 = 60 Ω

電源電圧が12Vの場合の全電流:I = 12/60 = 0.2 A

R1の電圧降下:V_R1 = 0.2 × 40 = 8 V

並列部分の電圧:V_parallel = 12 − 8 = 4 V

R2の電流:I_R2 = 4/30 ≒ 0.133 A、R3の電流:I_R3 = 4/60 ≒ 0.067 A

並列回路の電力計算

並列回路における電力の計算も重要です。

各抵抗の消費電力は P = V²/R または P = I²R で求められます。

並列接続では各抵抗に同じ電圧がかかるため、P = V²/R を使うと計算が便利です。

並列回路の電力計算例

12Vの電源に20Ω・30Ωが並列接続されている場合の各抵抗の消費電力

P₁ = V²/R1 = 12²/20 = 144/20 = 7.2 W

P₂ = V²/R2 = 12²/30 = 144/30 = 4.8 W

全体の消費電力 P = P₁ + P₂ = 7.2 + 4.8 = 12 W

合成抵抗での確認:P = V²/R = 12²/12 = 12 W ← 一致

実際の回路設計での並列接続の活用

実際の電子回路設計では並列接続は多くの場面で活用されています。

電力用途では、定格電力の小さな抵抗器を並列接続して大きな電力処理能力を持たせる方法がよく使われます。

例えば0.5Wの抵抗器4本を並列接続すれば、合計2Wの電力処理が可能になります(ただし抵抗値は1/4になることに注意が必要です)。

精密な抵抗値の実現にも並列接続は有効で、標準品にない中間的な抵抗値を既存部品の並列組み合わせで作り出すことができます。

バッテリーの並列接続は電圧を変えずに容量(電流供給能力)を増やすことができ、電動車両・UPS・スマートフォンのバッテリーパックなどで使われています。

まとめ

本記事では、電気抵抗の並列回路の求め方について、公式の導出から計算例題・直並列混合回路・実際の応用まで幅広く解説してきました。

並列合成抵抗の公式(1/R=1/R1+1/R2+…)は、「電流が複数経路に分流される」という物理現象をオームの法則とKCLから自然に導かれる式です。

合成抵抗は必ず最小の抵抗値よりも小さくなり、並列に抵抗を増やすほど合成抵抗は小さくなります。

2抵抗の場合は「積÷和」の公式が便利で、同値の抵抗n個ならR/nとなります。

直並列混合回路は内側から段階的に等価抵抗に置き換えることで計算できます。

並列回路の計算をしっかりマスターすることで、電気回路の設計・解析・修理の場面で大きな自信が持てるでしょう。

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