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光束と照度の違いは?関係と変換方法も解説(lm・lx・距離・配光・照明効率・計算公式など)

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光束(lm)と照度(lx)は照明の世界で頻繁に登場する単位ですが、その違いが明確にわからないという方も多いでしょう。

LEDカタログの光束値(lm)から実際の使用環境での照度(lx)を計算できるようになることは、照明選定・照明設計の実務において非常に重要なスキルです。

本記事では、光束と照度の定義の違い・関係式・距離や配光による変換方法・実用的な計算例について詳しく解説していきます。

目次

光束と照度の定義の違いを理解する

それではまず、光束と照度の根本的な定義の違いについて解説していきます。

光束(lm)とは何か

光束(Φ:単位lm)は光源から全方向に放射される光の総量であり、光源の能力を示す数値です。

LED電球のパッケージに「810 lm」と記載されているのは、そのLED電球が全方向に合計810ルーメンの光を放射することを意味します。

照度(lx)とは何か

照度(E:単位lx)はある面が単位面積あたりに受け取る光束の量であり、「その場所の明るさ」を示す数値です。

照度計を机の上に置いて測定した「500 lx」は、その机の面が1 m²あたり500 lmの光を受け取っていることを意味します。

光束と照度の根本的な違い

比較項目 光束(lm) 照度(lx)
何を表すか 光源から出る光の総量 面が受け取る光の密度
誰の数値か 光源(LED・電球)の数値 受光面(机・床)の数値
距離の影響 受けない(光源固有の値) 距離の2乗に反比例する
測定器 積分球(専用装置) 照度計(一般的なツール)

光束と照度の変換方法と計算公式

続いては、光束(lm)から照度(lx)への変換方法と計算公式について確認していきます。

均一に光が広がる場合の基本変換式

均一照射面での光束→照度の変換

E(lx)= Φ(lm)/ A(m²)

例:2000 lmの光束が2 m²の面に均一に照射される場合

E = 2000 / 2 = 1000 lx

点光源からの距離による照度計算(逆二乗則)

逆二乗則による照度計算

E(lx)= I(cd)/ r²(m²)

I:光源の光度(cd) r:光源からの距離(m)

光束Iとの関係(等方点光源):I = Φ / (4π)

計算例:全光束1000 lmの等方点光源から1m離れた面の照度

I = 1000/(4π) ≈ 79.6 cd

E = 79.6 / 1² ≈ 79.6 lx

距離が2mになると:E = 79.6 / 4 ≈ 19.9 lx(1/4に低下)

距離が2倍になると照度は4分の1に低下するという逆二乗則は、照明設計の最も重要な基本法則の一つです。

ダウンライトの直下照度計算

ダウンライトの直下照度計算式

E = I × cos³θ / H²

(直下:θ=0°の場合:E = I / H²)

H:取付高さ(m) I:直下方向の光度(cd)

例:光度1500 cdのダウンライト、取付高さ2.5 mの直下照度

E = 1500 / 2.5² = 1500 / 6.25 = 240 lx

実用的な照明選定への活用

続いては、光束と照度の変換を実際の照明選定に活用する方法について確認していきます。

必要光束の逆算(照度→光束)

照度基準から必要な光束を逆算することで、適切なLEDや照明器具を選定できます。

光束法(ルーメン法)を活用した必要光束の逆算は、照明器具の選定と台数設計に直結するため非常に実用的です。

LED電球選定への応用例

例えば、6畳の部屋(約10 m²)に照度300 lxを確保したい場合、必要な全光束はおよそ3000〜5000 lm(照明率・保守率を考慮)という計算の目安が得られます。

この目安から810 lmのLED電球(60W相当)を4〜6個配置するという器具選定の方向性を素早く把握できます。

まとめ

本記事では、光束(lm)と照度(lx)の定義の違い・変換公式・逆二乗則・ダウンライト計算・実用的な照明選定への応用について詳しく解説しました。

光束は光源固有の「光の総量」であり、照度は受光面の「明るさ」であるという根本的な違いの理解が出発点です。

E = Φ/Aという基本変換式と、距離の2乗に反比例する逆二乗則(E = I/r²)が照明計算の基本公式です。

光束と照度の変換を自在に行えるようになることで、照明設計・LED選定・照明環境の改善提案の実践的な能力が大きく向上するでしょう。

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