普段何気なく生活している中で、「旅のこうてい」「こうていを管理表」など「こうてい」という言葉をよく使用することがあるでしょう。
この「こうてい」は漢字にすると「工程」と「行程」という2通りの漢字で表現することができますが、これらの違いや使い分けについて理解していますか。
ここでは「工程」と「行程」の違いや使用方法について、例文を交えて解説していきます。
目次
「工程」と「行程」との違い
まずは、「工程」の意味について考えていきましょう。
「工程」は「ものづくりや仕事における各作業に取り掛かる順番やその進捗のこと」を指した用語といえます。つまり、ものづくり、仕事などの段取りやその状況を表している言葉が工程ともいえます。
例えば、薬品を製造するにあたって
・薬品A1gと薬品B3gを混ぜる
・30分間撹拌し続ける
・最後に水を加え、10分待つと完成
といって、作業手順やその時間などを表したものが工程なのです。
製造業などにおいて、よく工程管理表などとの言葉を見ますが、まさに各作業の工程を効率よくするための管理表といえます。
以下のようなものです。
https://www.innopm.com/blog/2015/08/03/100895/より引用
例えば、実際のメーカーのHPでは以下のように「工程」が使われています。
なお、英語で工程を表す場合は、「Process」「Work Schedule」「amount of work」などと記載することができます。
一方で「行程」とは、「距離そのもの」「道のり(どのようにA地点からB地点までいくのか)」「旅行などの出先での予定」「(人生設計など製造以外の)過程」といった意味を持ちます。
上述の工程と比べると複数の意味を幅広く持つものといえ、以下のように使用します。
・家から駅までの行程(道のり)を調べておく
・会社からスーパーまではおよそ5kmの行程(距離)だ
・自分の今後の人生の行程(将来のプロセス)をまとめておく
・今度行く旅行の行程(日程ややることなど)を決めておく
上述の製造業などにおける工程と行程は基本的に別物であり、被る部分が少ないことを理解しておくといいです。
例えば、実際のメーカーのHPでは以下のように「行程」が使われています。
なお、英語で行程を表す場合は、「Travel(旅行の行程)」「Distanse(距離)」「Path Length(行程)」と記載することができるのです。
これらが工程と行程の違いといえます。
「工程」と「行程」の使い分け
それでは工程と行程の違いを理解していくためにも、実際の例文を交えて考えていきます。
まずは、工程の方の使用方法から考えていきましょう。
・車の製造工程を確認する
・パンの作るための工程表を作成する
・机上で考えているだけでなく、実際に現場の行程を確認し、製品の理解を深める
続いて、行程の使い分けを見ていきます。
・ツアー行程表を持ち、旅行を楽しむ
・近くのコンビニに行く途中の行程(道のり)は険しい
・自宅から友人Aさんの家までの行程は約1kmです
・今までの自分が過ごしてきた行程は意外と楽だったと感じる
のように、使用していきます。
まとめ
ここでは、「工程」と「行程」の違いや使い分けについて解説しました。
「工程」は「ものづくりや仕事における各作業に取り掛かる順番やその進捗のこと」を指した用語といえます。つまり、ものづくり、仕事などの段取りやその状況を表している言葉が工程ともいえます。
一方で「行程」とは、「距離そのもの」「道のり(どのようにA地点からB地点までいくのか)」「旅行などの出先での予定」「(人生設計など製造以外の)過程」といった意味を持ちます。
適切に工程と行程の違いと使い分けを理解して、より楽しいコミュニケーションを取っていきましょう。