科学的な議論をする場面では、さまざまな専門用語が頻繁に表れ、これらの知識を身につけておかないと話に参加できないこともあります。
「たとえば、「あの液体は揮発性が高い」「この物質は不揮発性だからそのままにしていても大丈夫」などと揮発性・不揮発性という用語 を使うことがありますが、この揮発・不揮発という意味について理解していますか。
ここでは、「揮発性や不揮発性の意味」「関連用語の引火性との関係」について、簡単に解説していきます。
目次
揮発性の意味は?不揮発性との違いは?
まず、揮発性とはある物質の揮発(蒸発)のしやすさのことを表しています。つまり、揮発性が高いとは蒸発しやすいということを表しており、逆に揮発性が低いとは蒸発(気化)しにくいということを示しているのです。
逆に、不揮発性とは「物質の蒸発(気化)のしにくさ」のことを示しており、不揮発性が高
いと蒸発しにくいことになります。
揮発性物質と不揮発物質の意味
このように、揮発性と不揮発性は対領語のような関係にあるわけですが、これらの後に「物
質」とついた揮発性物質と不揮発性物質という用語があります。
揮発性物質とは、常温にて揮発性が高い物質のことを指し、代表的なものでは
・アルコール(エタノールやメタノール)
・アンモニア
・アセトン
・ガソリン、灯油、軽油などの石油
などが挙げられます。
一方で、不揮発性物質とは「揮発しにくい」「ほとんど揮発しない」ものを指し、
・プラスチックなど樹脂
・アルミやステンレスなどの金属
・石や岩
などがこれに相当します。
揮発性と引火点の関係?爆発しやすい?
なお、一般的には「揮発性が高い=引火性が高い」とイメージしがちです。
これは、上述のようなガソリン、アセトンといった身近な有機物質では、基本的に「揮発性が高いと引火性が高い」ものが多いためです。なお、引火性、発火性の両方が高い物質では、火元が近くにあると爆発に至るリスクもあります。
ただ、揮発性と引火性・発火性は別物で、関係性はありません。つまり。揮発性が高くても、引火性がないものが多くあるわけです。現に、ハロゲン化炭化水素などがこれに相当します。
そのため、身近な有機溶剤では、揮発性と引火性はリンクしやすいが、揮発性と引火性は全
くの別物であると理解しておくといいです。
まとめ
ここでは、「揮発性と不揮発性の意味」「揮発性物資と不揮発性物質の違い」「引火性との関係」について解説しました。
揮発性とは、気化(蒸発)のしやすさのことを指し、高いほど揮発しやすいこととなります。
これに該当する物質を揮発せい物質と呼びます。
この反対語に位置づいているのが、不揮発性であり、水発のしにくいさを表します。この性
質が当てはまるのが、不揮発性なのです。なお、揮発性と引火性は関係があるように思えますが、実は違います。
身近な物質のガソリン、灯油、軽油などがたまたま当てはまっているだけで、関係性はないのです。
揮発・不揮発をはじめとした科学的な用語を理解して、より毎日を楽しんでいきましょう。