化学の分野を勉強している際には専門的な用語が出てくることが多く、これを理解しておかないと反応自体が理解できないことがほとんどです。
例えば、化学物質の命名の際に「イソ~」と「イソ」という言葉がつくことがよくあるといえますが、このイソの意味についてわかっていますか。
ここでは、化学接頭辞のイソ(iso)の意味について解説していきます。
目次
化学におけるノルマルの意味【ノルマルヘキサンやノルマルへプタンなど】
よく化学物質においてノルマルヘキサンやノルマルへプタンのように、頭にノルマルという言葉がついた名前を見かけることがあるでしょう。
このノルマルなどは化学接頭辞とも呼び、これが本来の物質(ヘキサンなど)の頭につくことでその構造を区別することができます。
具体的には、ノルマルとはその炭化水素の炭素骨格が直鎖上のものを指しており、ノルマルヘキサンであれば以下のような構造をとるといえます。
同様にノルマルへプタンなどでは、この炭素骨格の炭素が7個になった直線上の構造となるわけです。
最も普通の状態(直鎖上)だからノルマル(normal)となると覚えておくと忘れにくくなります。
化学におけるイソの意味やノルマルとの違いは?【イソプロピル基やイソプレンやイソプロパノール】
同様に物質名の頭につくことで構造を区別できる言葉として「イソ」というものもあります。
化学における「イソ」の意味とは「枝分かれ(厳密には末端の炭素の次の炭素で枝分かれ)」のことを意味し、炭素骨格が直線ではなく枝分かれしている構造のものをイソ~と命名するわけです。
例えば、プロパノールはプロパン(C3H8)の水素はOH基(水酸基)に変化したものといえますが、中でも炭素骨格に枝分かれがついたものにOH基がついた、以下のような構造がイソプロパノールと命名されるのです。
ちなみにイソはつかない普通のプロパノールであれば、直線上の炭素骨格の末端にOH基はつくわけです。
このイソプロパノールだけではなく、イソブタン、イソペンタン、イソプレン、イソプロピル基など化学物質名でも官能基名でも「イソ」とつけばこの枝分かれ構造を意味すると理解しておけばいいです。
このように、ノルマルは直鎖構造、イソは枝分かれ構造といった違いがあることを覚えておくといいです。
まとめ
ここでは、化学におけるノルマルとイソの意味と違いについて解説しました。
ノルマルとは有機化学物質の炭素骨格が直線上のことを指し、イソとは炭素骨格に枝分かれがあることを意味します。
適切に化学の知識を身につけ、解析時に役立てていきましょう。