平面度を設計図面で指定するだけでなく、実際に測定して確認することが品質管理において不可欠です。
測定方法や使用する測定器によって、精度・コスト・測定時間が大きく異なります。
本記事では、ダイヤルゲージと定盤を使った方法・三次元測定機(CMM)による測定・光学的手法など、平面度の代表的な測定方法と手順を詳しく解説していきます。
目次
平面度の測定方法の種類と選択基準
それではまず、平面度測定に使用される主な方法と、どの場合にどれを選ぶべきかの基準を解説していきます。
平面度の測定方法は大きく接触式と非接触式に分けられ、被測定物のサイズ・精度要求・材質によって最適な方法が異なります。
| 測定方法 | 主な測定器 | 特徴 | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| 定盤+ダイヤルゲージ | 精密定盤、ダイヤルゲージ | コスト低・簡便 | 中精度部品 |
| 三次元測定機(CMM) | CMM、プローブ | 高精度・自動化可能 | 高精度部品 |
| オートコリメーター | オートコリメーター | 非接触・高精度 | 大型部品・工作機械 |
| レーザー測定 | レーザートラッカー | 大型部品に対応 | 大型構造物 |
| 光学干渉計 | フィゾー干渉計 | 超高精度 | 光学部品・精密機器 |
測定前の準備と環境条件
正確な平面度測定のためには、測定環境の管理が重要です。
温度変化は熱膨張によって測定値に誤差を与えるため、精密測定は一般に20℃±1℃の恒温室で行います。
振動や空調の気流も測定精度に影響するため、防振台の使用やエアコンの直接風を避けることが推奨されます。
被測定面の清掃(油分・異物の除去)も必須の準備作業です。
基準面の設定方法
平面度評価では、測定した高さデータから最良適合平面(least squares plane)を算出し、それを基準として各点の偏差を求めます。
最小領域法(minimum zone method)は国際規格(ISO 12781)で規定された評価方法であり、二つの平行平面間の距離を最小にする方法です。
測定点の配置とサンプリング
測定点の数と配置は、測定精度と測定時間のトレードオフで決定します。
一般的にはグリッド状(格子状)に均一に配置した測定点が推奨されます。
測定点が少ないと局所的な変形を見逃す可能性があるため、面のサイズと要求精度に応じて適切な測定点数を設定することが重要です。
定盤とダイヤルゲージを使った平面度測定の手順
続いては、最も基本的な平面度測定方法である、定盤とダイヤルゲージを組み合わせた手法の具体的手順を確認していきます。
必要な測定器具と準備
定盤を使った平面度測定に必要な器具は次のとおりです。
・精密定盤(鋳鉄製またはグラナイト製)
・ダイヤルゲージ(分解能0.001 mm以上が推奨)
・マグネットスタンドまたはゲージスタンド
・ゲージブロック(必要に応じて)
定盤自体の平面度が測定精度の限界を決めるため、定盤の精度等級(JIS規格)を確認しておきましょう。
測定手順と記録方法
測定手順は以下の流れで行います。
まず被測定物を定盤上に置き、安定した状態で固定します。
次に、測定点をグリッド状に設定し(例:25点グリッド)、各点でダイヤルゲージの読みを記録します。
最大読み値と最小読み値の差(レンジ)が平面度の近似値となります。
より厳密には最小領域法で評価しますが、簡易的にはこのレンジを平面度値として使用します。
測定結果の評価と判定
測定データをグラフや等高線図にプロットすることで、面の変形状態を視覚的に把握できます。
求めた平面度値が設計図面の公差値以内であれば合格、超えていれば不合格として再加工や選別が必要になります。
三次元測定機(CMM)による平面度測定
続いては、高精度・高効率な測定が可能な三次元測定機(CMM:Coordinate Measuring Machine)を使った平面度測定を確認していきます。
CMMの原理と特徴
三次元測定機は、プローブ(接触式または非接触式)を使って被測定物の表面上の点の三次元座標を取得する精密測定機です。
測定した点群データに最小二乗平面や最小領域平面をフィットさせることで、高精度な平面度値を自動計算できます。
CMMの測定精度は一般にμmオーダーであり、ダイヤルゲージ法より圧倒的に高い精度が得られます。
CMMによる測定手順
CMMによる平面度測定は次の手順で行います。
被測定物をCMMの作業台に固定し、座標系を設定します。
測定プログラムを作成または選択し、自動または手動で測定点を取得します。
解析ソフトウェアが測定データから平面度値を自動計算し、合否判定レポートを出力します。
非接触測定と光学的手法
光沢面・軟質材・微細部品などの接触測定が困難な場合は、レーザー変位計・白色光干渉計などの非接触測定が有効です。
干渉計を使った測定では、ナノメートルオーダーの超高精度平面度測定が可能であり、光学レンズ・半導体ウェーハなどの測定に使われます。
まとめ
本記事では、平面度の測定方法として定盤+ダイヤルゲージ法・三次元測定機(CMM)・光学的手法を解説しました。
測定方法の選択は精度要求・部品サイズ・コスト・材質によって決まり、各手法の特徴を理解したうえで最適な方法を選ぶことが重要です。
測定環境の管理・適切な測定点の配置・データの正しい評価方法を組み合わせることで、信頼性の高い平面度測定が実現できるでしょう。