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粒子径の測定方法は?各手法の特徴と原理も解説!(レーザー回折法:動的光散乱法:顕微鏡観察:篩分析:沈降法など)

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粒子径の測定は、医薬品・食品・化粧品・電子材料・セラミックスなど、あらゆる粉体を扱う産業において欠かせない品質管理の基盤となっています。

しかし、粒子径の測定手法は一種類ではなく、レーザー回折法・動的光散乱法・顕微鏡観察・篩分析・沈降法など多様な手法が存在し、それぞれ原理・測定範囲・適用対象が異なります。

「どの手法を選べばいいのか」「それぞれの違いは何か」という疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、主要な粒子径測定手法ひとつひとつについて、原理・特徴・メリット・デメリット・適用場面を詳しく解説します。

測定手法の選択に迷っている方、粒子径測定の基礎を体系的に学びたい方はぜひ最後までお読みください。

目次

粒子径測定手法の全体像と選び方の基本

それではまず、粒子径測定手法の全体像と選び方の基本について解説していきます。

測定手法の分類と概要

粒子径測定手法は、測定原理によっていくつかのカテゴリーに分類されます。

分類 代表的手法 測定可能範囲(目安)
光学的手法 レーザー回折法、動的光散乱法 10nm〜数mm
画像解析法 光学顕微鏡、電子顕微鏡(SEM/TEM) 数nm〜数mm
機械的分級法 篩分析(ふるい分析) 20μm〜数十mm
沈降法 重力沈降法、遠心沈降法 0.05μm〜100μm
電気的手法 電気抵抗法(コールター法) 0.4μm〜1.2mm

測定対象の粒子径レンジ・粒子形状・分散媒・必要な精度・サンプル量などを考慮して適切な手法を選ぶことが重要です。

測定基準(体積・個数・面積)の違い

粒子径測定結果は、どの基準で集計するかによって得られる分布が大きく異なります。

体積基準(Volume/Mass basis)は粒子の体積(質量)に比例した重み付けで算出されるため、大きな粒子の影響を強く反映します。

個数基準(Number basis)は粒子の個数に基づく分布であり、小さな粒子の影響を強く反映します。

面積基準(Surface area basis)は粒子の表面積に比例した分布で、触媒・吸着材料の評価に適しています。

同じ粉体でも基準が異なると粒度分布の形状が変わるため、測定結果を比較・報告する際は必ず基準を明記する必要があります。

手法選択の実践的なポイント

測定手法を選ぶ際の実践的なポイントを以下にまとめます。

まず、測定したい粒子径のレンジを確認することが最初のステップです。

ナノ粒子(1〜100nm)であれば動的光散乱法やTEM観察、サブミクロン〜数百μmであればレーザー回折法、100μm以上の粗粒子には篩分析や電気抵抗法が適しています。

また、乾式測定か湿式測定か(粒子が液体に分散できるか)、粒子形状の情報も必要かどうか、サンプル量の制約があるかなども選択の重要な判断基準となります。

レーザー回折法の原理と特徴

続いては、最も広く使われる粒子径測定手法であるレーザー回折法の原理と特徴について確認していきます。

レーザー回折法の基本原理

レーザー回折法(Laser Diffraction Method)は、レーザー光を粒子に照射したときに生じる回折・散乱光のパターンを解析して粒子径を求める手法です。

粒子のサイズが大きいほど小角度に強い回折が生じ、小さいほど広角方向に散乱が広がるという光学的特性を利用しています。

この回折・散乱パターンをフラウンホーファー回折理論またはより精密なミー散乱理論を用いて解析することで、粒度分布が算出されます。

ミー散乱理論は粒子の屈折率情報を必要としますが、サブミクロン域の粒子まで正確に解析できるという利点があります。

レーザー回折法の特徴・メリット・デメリット

レーザー回折法の主な特徴を以下にまとめます。

項目 内容
測定範囲 約0.02μm〜3.5mm(装置によって異なる)
測定基準 体積基準
測定時間 数十秒〜数分と非常に短い
サンプル量 少量でも測定可能(数mg〜数十mg)
再現性 高い(自動化・標準化が容易)
形状情報 得られない(球形等価径として算出)

レーザー回折法の最大のメリットは、広い粒子径範囲を短時間で高精度に測定できる点です。

医薬品・食品・塗料・化粧品・無機粉体など幅広い分野で採用されており、ISO 13320やJIS Z 8825などの国際・日本規格でも規定されています。

デメリットとしては、非球形粒子の場合は「球形換算径」として計算されるため、実際の形状を反映しない点が挙げられます。

湿式法と乾式法の使い分け

レーザー回折法には、粒子を液体に分散させて測定する湿式法と、粒子を気体(空気)に分散させて測定する乾式法があります。

湿式法は分散媒(水・有機溶媒など)への分散が必要ですが、凝集した粒子を超音波処理などで一次粒子まで分散でき、より正確な粒度分布が得られます。

乾式法は溶媒を使わないため、溶媒に溶けやすい粒子や吸湿性の高い粒子の測定に適しており、実際の粉体の取り扱い状態に近い測定が可能です。

どちらを選ぶかは粒子の特性・分散性・測定目的によって判断します。

動的光散乱法(DLS)の原理と特徴

続いては、ナノ粒子の測定に特に強みを持つ動的光散乱法の原理と特徴について確認していきます。

動的光散乱法の基本原理

動的光散乱法(Dynamic Light Scattering、DLS)は、液体中に分散した粒子のブラウン運動による散乱光の強度ゆらぎを解析して、粒子の流体力学的径(ストークス径)を求める手法です。

液体中の粒子は熱運動(ブラウン運動)によって絶えず動いており、粒子が小さいほど拡散係数が大きく(速く動く)、粒子が大きいほど拡散係数が小さい(ゆっくり動く)という関係があります。

ストークス・アインシュタイン式:D = kT / (3πηd)

D:拡散係数、k:ボルツマン定数、T:絶対温度

η:溶媒の粘度、d:粒子の流体力学的径

散乱光の時間相関関数を解析することで拡散係数Dを求め、上式から粒子径dを算出します。

動的光散乱法の特徴と適用範囲

動的光散乱法の主な特徴を整理します。

項目 内容
測定範囲 約0.3nm〜数μm(ナノ粒子測定に最適)
測定基準 強度基準(体積・個数にも換算可能)
測定時間 数分(非常に短い)
サンプル量 非常に少量でも可(μLオーダー)
濃度範囲 希薄系が適切(高濃度では多重散乱の影響)
形状情報 得られない

動的光散乱法はナノ粒子・コロイド・タンパク質・リポソーム・エマルションなど、サブミクロンスケールの粒子測定に非常に適しています。

また、ゼータ電位(粒子表面電荷)の同時測定が可能な装置も多く、コロイド安定性の評価にも広く活用されています。

動的光散乱法の注意点と限界

動的光散乱法を使用する際の主な注意点を以下に挙げます。

大きな粒子や多分散系では解析精度が低下しやすく、粒度分布が広い系(多峰性分布)の解析は苦手です。

高濃度サンプルでは多重散乱が生じるため、適切に希釈して測定する必要があります。

測定温度が結果に直接影響するため(粘度・拡散係数が温度依存性を持つ)、温度制御と記録が重要です。

サンプル中に塵(ダスト)や気泡が含まれると誤った結果を与えるため、フィルタリングや脱気などの前処理が必要になります。

顕微鏡観察・篩分析・沈降法・電気抵抗法の原理と特徴

続いては、顕微鏡観察・篩分析・沈降法・電気抵抗法の原理と特徴について確認していきます。

顕微鏡観察による粒子径測定

顕微鏡観察(Microscopy)は、粒子を直接視覚的に観察し、画像解析によって粒子径・形状・表面状態などを測定する手法です。

使用する顕微鏡の種類によって測定可能な粒子径範囲が大きく異なります。

顕微鏡の種類 測定範囲(目安) 特徴
光学顕微鏡(OM) 1μm〜数mm 簡便・カラー観察可・分解能限界あり
走査型電子顕微鏡(SEM) 数nm〜数百μm 高分解能・表面形状観察に優れる
透過型電子顕微鏡(TEM) 数nm〜数μm 最高分解能・内部構造観察可能
原子間力顕微鏡(AFM) 数nm〜数μm 三次元形状・表面粗さの測定が可能

顕微鏡観察の最大の利点は、個々の粒子の形状・表面状態・凝集状態を直接確認できる点です。

ただし、測定できる粒子数が少ないため統計的な代表性を確保するには多くの視野が必要であり、熟練したサンプル調製と画像解析技術が求められます。

篩分析(ふるい分析)の原理と特徴

篩分析(Sieve Analysis)は、開口寸法の異なる複数の篩(ふるい)にサンプルを通すことで、粒子を粒子径範囲ごとに分級する最も古典的な測定手法です。

JIS Z 8801などで規定された標準篩を複数組み合わせ、篩の上に残った粒子の質量を測定することで、質量基準の粒度分布を得ます。

篩分析の手順:

① 開口寸法の大きい篩を上、小さい篩を下にセットする

② 最上部にサンプルを投入し、振とう機で一定時間振動させる

③ 各篩上に残った試料の質量を測定する

④ 各篩上残留量の質量分率から累積粒度分布を作成する

篩分析は装置が安価で操作がシンプルであり、大量のサンプルを処理できる点が優れています。

一方、測定下限が約20μmと粗粒子向けであること、操作者による差が出やすいこと、非球形粒子の測定に誤差が生じやすいことが欠点です。

沈降法と電気抵抗法(コールター法)の原理

沈降法(Sedimentation Method)は、液体中での粒子の沈降速度がストークスの法則に従うことを利用して粒子径を求める手法です。

ストークスの法則:v = d²(ρp − ρf)g / (18η)

v:沈降速度、d:粒子径(ストークス径)、ρp:粒子密度

ρf:流体密度、g:重力加速度、η:流体粘度

沈降速度から逆算してストークス径を求めます。重力沈降法は0.5μm〜100μm程度に適用され、それ以下のナノ粒子には遠心沈降法が使われます。

電気抵抗法(コールター法)は、細孔(アパーチャー)に電流を流した状態で粒子が通過する際の電気抵抗変化を検出し、粒子の体積(粒子径)を算出する手法です。

個々の粒子を一個ずつカウントするため、個数基準の粒度分布と粒子数濃度を正確に測定できます。

赤血球・白血球のカウントや医薬品の微粒子試験(注射剤の不溶性微粒子試験)などに広く活用されています。

各測定手法の比較と選択指針

続いては、各測定手法の比較と選択指針について確認していきます。

手法別の測定特性の総合比較

手法 測定範囲 測定基準 形状情報 測定速度 主な用途
レーザー回折法 20nm〜3.5mm 体積基準 なし 非常に速い 医薬品・食品・粉体全般
動的光散乱法 0.3nm〜数μm 強度基準 なし 速い ナノ粒子・コロイド
顕微鏡観察 nm〜mm 個数基準 あり 遅い 形状評価・直接観察
篩分析 20μm〜数十mm 質量基準 なし 中程度 粗粒子・骨材・食品
沈降法 50nm〜100μm 質量基準 なし 遅い 顔料・クレイ・セメント
電気抵抗法 0.4μm〜1.2mm 個数基準 なし 速い 血球・医薬品微粒子

産業分野別の推奨手法

産業分野ごとに推奨される粒子径測定手法を整理します。

医薬品分野では、原薬・製剤原料の粒度管理にレーザー回折法が主流であり、注射剤の微粒子試験には電気抵抗法が日本薬局方で規定されています。

ナノ粒子製剤(リポソーム・ナノ粒子DDS)の粒子径評価には動的光散乱法が広く使用されています。

食品・農薬・建材の粗粒子管理には篩分析が最もコストパフォーマンスに優れた選択肢です。

電子材料・塗料・インクのナノ〜マイクロ粒子の精密評価には、レーザー回折法と動的光散乱法を組み合わせることで広い粒子径範囲をカバーできます。

測定精度向上のためのポイント

粒子径測定の精度を高めるための実践的なポイントをまとめます。

まず、サンプルの代表性確保が最も重要です。

粉体は粒子径が均一でないため、サンプリング方法(分割器・縮分法の使用)によって測定結果が大きく変わります。

湿式法では適切な分散剤の選択と超音波処理条件の最適化が、測定の再現性と正確性に直結します。

また、標準粒子(NIST認証標準物質など)を用いた定期的な装置校正を行うことで、測定値の信頼性を担保することが求められます。

まとめ

本記事では、粒子径の主要な測定手法であるレーザー回折法・動的光散乱法・顕微鏡観察・篩分析・沈降法・電気抵抗法について、それぞれの原理・特徴・測定範囲・適用場面を詳しく解説しました。

粒子径測定手法に「万能な方法」は存在せず、測定対象の粒子径レンジ・目的・測定基準・コスト・サンプル特性に応じた最適な手法を選ぶことが重要です。

複数の手法を組み合わせて相互補完的に使用することで、より信頼性の高い粒子径データを得られることも多くあります。

本記事を参考に、目的に合った測定手法を選択し、粉体の品質管理や材料開発にぜひ役立ててください。

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