よく材料メーカーがある材料・部材を加工メーカーに供給する際には、さまざまな文書を取り交わす必要があります。
中でも代表的な資料の一つとして材料証明書やミルシート(mill sheet)と呼ばれるものがありますが、これらの用語の意味や違いについて正しく理解しておくといいです。
ここでは、これら材料証明書とミルシートの定義や違いについて解説していきます。
目次
材料証明書とは?
まずは、材料証明書の詳しい内容について以下で確認していきます。
材料証明書とは、言葉の通り「その材料が本物であるかどうかを証明する文書」といえます。そして、この材料とは金属・樹脂・化学品・鉄鋼・薬品等すべてのものを指しています。
そしてこの材料証明書とは、基本的には材料メーカーがその材料を収める先方の加工メーカーに対して作成・発行するものです。
つまり、加工メーカーが
・その中に製品を出していく際
・もしくは更なる上位の加工メーカーにその材料を用いたものを提供する際
にその製品自体も「適切な材料を使って製造しているから問題がない品」ということを証明する際に元の材料証明書が重要となってくるわけです。
この材料証明書が発行できない場合は、信頼度が落ちてしまうために、製品を世の中に出せなくなったり、次の加工メーカーへの引き渡しが出来なくなったりしてしまうわけです。
なお、材料を証明する内容として、厳密に分析機器を用いた実際にそのような成分になっていることを記載する方法や、製造工程から必ずその特定の成分になっていることを保証できるためそれを記す方法などがあり、証明するにはいくつかの方法があるといえます。
ミルシートとは?材料証明書との違い
同様に、材料証明書と似た言葉として、ミルシートと呼ばれるものがあります。
このミルシート(mill sheet)は材料証明書の一種ともいえますが、中でも鋼材(鉄鋼)における材料を証明する文書のことのみを厳密には「ミルシート」と呼ぶのです。
ただ、口語的な表現として、ミルシート≒材料証明書という図式で話す技術者も比較的多くいるように感じます。
そのため、社外間で取引で公的な言葉を使用する必要がある場合、鉄鋼材料の材料証明としては「ミルシート」という言葉を使用し、それ以外の材料の場合には「材料証明書」という言葉を使用するように心がけるといいです。
まとめ 材料証明書とミルシートの違い
ここでは、材料証明書とミルシートの違いと意味について解説しました。
・材料証明書:あるゆる材料において本当にその材料であることを証明するための文書
・ミルシート:材料の中でも厳密には鉄鋼のみにおいて本物であることを証明するもの
と覚えておくといいです。
さまざまな専門用語を理解して、毎日の業務を円滑に進めていきましょう。