私たちが生活している中には、さまざまな科学現象が潜んでいます。
例えば、化学的な実験などでよく液体窒素を使用することがありますが、この液体窒素が気化し気体に変わると体積が何倍になるのか理解していますか。
ここでは「液体窒素が気化し気体に変化した際の体積膨張時に何倍になるのか」について解説していきます。
目次
液体窒素が気体に変化すると体積は何倍になるのか【標準状態での体積変化】
まず、液体窒素とは言葉の通り窒素(N2)が気化したものを指します。
そのため、気体になった窒素(N2)と液体窒素の同じグラムあたりの体積を比べることで、「気体に変化した際の体積が何倍になったか」を計算することができるのです。
気体の窒素の体積の求め方
まず、標準状態では気体はどのような物質であっても、1molあたりその体積は22.4Lとなります。
かつ、液体窒素の化学式はN2(窒素)で表されることからその分子量は「14×2=28g/mol」と変換できます。
よって、液体窒素のグラム当たりの体積は22.4L/mol ÷ 28g/mol = 0.857L/gとなるのです。つまり、1gあたりの「気体」の窒素は0.857g/Lであることを意味しています。
液体窒素の体積の計算方法(体積比の求め方)
一方で質量保存の法則により、状態が気体でも固体でもその質量は変化しないといえます。
ここで、液体窒素の密度が約0.809g/cm3であることを活用しましょう。すると、同じ質量の1gあたりの液体窒素(液体の窒素)の体積は、密度の逆数をとればいいため1/0.809 = 1.236 cm3/gとなるわけです。
この時、1L=1000cm3という関係式を用いると、気体の窒素(N2)は0.857×1000= 857cm3という体積に換算できるのです。
よって、標準状態での液体窒素が気体に変わる時の体積比は857 ÷ 1.236 = 約693倍=約700倍に膨張するといえます。
このようにして、液体窒素固体から気体に変わる際に体積が何倍になるのか(体積変化)を計算することができるのです。
まとめ
ここでは、「液体窒素が気体に変化した際に体積は何倍になるのか(体積比)の計算方法」について確認しました。
液体窒素が固体から気体に変わる際、体積は約700倍に膨張するといえます。
身近な科学現象を理解してより楽しい毎日を過ごしていきましょう。