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角運動量の公式は?単位や求め方もわかりやすく解説(定義・計算方法・わかりやすく・全角運動量など)

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「角運動量ってそもそも何?」「公式は知っているけど、どうやって使えばいいかわからない」——そんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。

角運動量は、回転運動を理解する上で欠かせない物理量であり、惑星の公転から量子力学まで、幅広い場面で登場する非常に重要な概念です。

本記事では、角運動量の定義・公式・単位・求め方を、具体例を交えながらわかりやすく解説します。全角運動量や角運動量ベクトルについても丁寧に説明しますので、初学者の方も安心してご覧ください。

目次

角運動量の公式と定義をわかりやすく理解するための基本

それではまず、角運動量の公式と定義について解説していきます。

角運動量とは、「回転運動における運動量に相当する物理量」です。直線運動における運動量が「質量×速度」で表されるのと同様に、角運動量は回転の勢いを表す量と考えるとイメージしやすいでしょう。

角運動量の基本公式(位置ベクトルと運動量の外積)

L = r × p = r × mv

L:角運動量ベクトル、r:位置ベクトル、p:運動量ベクトル、m:質量、v:速度ベクトル

角運動量の定義と物理的な意味

角運動量Lは、「基準点(原点)からの位置ベクトルrと運動量ベクトルpの外積」として定義されます。

外積とはベクトルの演算のひとつで、2つのベクトルに対して「それらに垂直な方向を向いた新しいベクトル」を生成する演算です。

角運動量が外積で定義されることから、角運動量は大きさだけでなく方向も持つベクトル量であることがわかります。

物理的な意味としては、「物体が基準点の周りをどれだけ勢いよく回転しているか」を表す量と捉えるとわかりやすいでしょう。

例えば、同じ速さで回転していても、基準点から遠い軌道を回る物体の方が角運動量は大きくなります。これは、より「外側」を回るほど回転の「勢い」が大きいという直感とも一致します。

円運動の場合の角運動量の公式

物体が半径rの円軌道上を速さvで回転している場合(位置ベクトルと速度ベクトルが垂直な場合)、角運動量の大きさは次のように簡単に表せます。

円運動の角運動量(大きさ)

L = mvr

または、角速度ωを使って

L = mωr² = Iω

(I = mr²:慣性モーメント、ω:角速度)

この式から、角運動量は「慣性モーメント×角速度」とも表現できることがわかります。

慣性モーメントIは、回転における「質量」に相当する量であり、物体の質量分布(どの程度回転軸から離れた位置に質量が分布しているか)によって決まります。

「L = Iω」という式は、直線運動の「p = mv」と対応する非常に重要な式です。ぜひ覚えておきましょう。

角運動量の単位

角運動量の単位は、公式 L = mvr から導くことができます。

角運動量の単位の導出

L = mvr の単位:[kg] × [m/s] × [m] = [kg・m²/s]

または、L = Iω の単位:[kg・m²] × [rad/s] = [kg・m²/s]

SI単位系での角運動量の単位:kg・m²/s(またはJ・s)

なお、J・s(ジュール秒)はエネルギー×時間の単位で、プランク定数ℏの単位と同じです。量子力学では角運動量がℏの整数倍や半整数倍になるという量子化の性質があり、この単位の共通性は偶然ではありません。

角運動量の求め方:一般的な計算方法をわかりやすく解説

続いては、角運動量の具体的な求め方と計算方法を確認していきます。

角運動量を求めるには、問題の設定(円運動かどうか、次元の数など)に応じていくつかの方法があります。

外積を使った一般的な求め方

最も一般的な角運動量の計算方法は、位置ベクトルrと運動量ベクトルpの外積を計算することです。

2次元の問題(xy平面内の運動)では、次のように計算できます。

2次元での角運動量(z成分)の計算

r = (x, y)、p = (px, py) のとき

Lz = x・py – y・px = x・mvy – y・mvx

(Lzはz軸方向(紙面に垂直な方向)の角運動量成分)

3次元の問題では、外積の完全な計算が必要になります。

3次元での角運動量ベクトルの計算

r = (x, y, z)、p = (px, py, pz) のとき

L = r × p = (ypz – zpy, zpx – xpz, xpy – ypx)

「腕の長さ」を使った直感的な求め方

角運動量の大きさは、次の式でも計算できます。

腕の長さを使った角運動量の計算

L = r⊥ × p = r × p⊥

r⊥:基準点から運動量ベクトルの作用線への垂直距離(腕の長さ)

p⊥:位置ベクトルに垂直な運動量成分

この「腕の長さ」(または「うでの長さ」)を使った方法は、直感的に理解しやすく、図を描いて視覚的に把握できる点がメリットです。

例えば、直線運動する物体の角運動量を基準点から求める場合、基準点から物体の軌跡(直線)への垂直距離が「腕の長さ」にあたります。

物体が直線運動をしていても、基準点が軌跡上にない限り、その物体は角運動量を持ちます。これは初学者が陥りやすい誤解のひとつなので注意が必要です。

複数物体系での角運動量の計算(全角運動量)

複数の物体からなる系の全角運動量は、各物体の角運動量の和として計算できます。

全角運動量の公式

L_total = L₁ + L₂ + L₃ + … = Σ Lᵢ = Σ (rᵢ × pᵢ)

全角運動量の概念は、剛体の回転運動や多体問題において特に重要です。

剛体の場合、各部分の角運動量を積分(または合計)することで全体の角運動量が求まります。その結果として現れるのが慣性モーメントIであり、L = Iωという形にまとめられます。

角運動量ベクトルの方向と右手則

続いては、角運動量ベクトルの方向の決め方と、それを理解するための右手則を確認していきます。

角運動量はベクトル量であるため、大きさだけでなく方向も重要です。

右手則による方向の決め方

外積 L = r × p の方向は、「右手則」によって決まります。

右手則とは次の手順で方向を決める方法です。

右手則の手順

①右手の4本の指をrの方向に向ける

②pの方向に向かって4本の指を曲げる

③このとき立てた親指の向きが L = r × p の方向

例えば、xy平面内で反時計回りに円運動している物体の角運動量は、右手則によってz軸の正方向(紙面の手前側)を向きます。

時計回りに回転している場合は、z軸の負方向(紙面の奥側)を向きます。

「反時計回り→正方向、時計回り→負方向」という対応は、2次元問題で頻繁に使うので覚えておきましょう。

角速度ベクトルと角運動量ベクトルの関係

円運動や剛体の回転運動では、角速度ωもベクトル量(角速度ベクトル)として扱います。

角速度ベクトルの方向は、回転軸の方向に沿っており、右手則によって定まります(右手の4本の指を回転方向に曲げたときの親指の向き)。

回転軸が固定された剛体の回転では、角運動量ベクトルと角速度ベクトルは同じ方向を向き、次の関係が成立します。

剛体の角運動量と角速度の関係

L = Iω(スカラー形式)

L⃗ = I ω⃗(ベクトル形式、回転軸が固定の場合)

一般的な3次元の剛体回転では、慣性テンソルを用いた行列式で表す必要がありますが、高校・大学初年度の範囲では回転軸が固定された場合のスカラー形式で対応できることがほとんどです。

角運動量の時間変化とトルク

角運動量の時間変化率は、「トルク(力のモーメント)」と等しいという重要な関係があります。

角運動量の時間変化とトルクの関係

dL/dt = N(トルク)

N = r × F

(Fは物体にはたらく力、rは基準点から力の作用点への位置ベクトル)

この式は、直線運動における「dp/dt = F(運動量の時間変化率 = 力)」に対応する回転運動版のニュートンの第2法則と言えます。

外部トルクN = 0のとき(外力がゼロ、または全ての外力が基準点を向いている)、dL/dt = 0となり、角運動量が保存されます。これが角運動量保存則の本質です。

全角運動量と慣性モーメント:応用的な理解を深める

続いては、全角運動量と慣性モーメントについてより深く確認していきます。

剛体の回転問題や天体力学では、これらの概念が欠かせない役割を果たします。

慣性モーメントの計算方法

慣性モーメントIは、物体の各部分の質量とその回転軸からの距離の2乗の積を合計(積分)したものです。

慣性モーメントの定義

離散的な場合:I = Σ mᵢrᵢ²

連続的な場合:I = ∫ r² dm

代表的な形状の慣性モーメントを表にまとめます。

形状 回転軸 慣性モーメント
質点 距離rの軸 I = mr²
細い棒(長さ2L、質量M) 中心を通る垂直軸 I = ML²/3
薄い円板(半径R、質量M) 中心を通る垂直軸 I = MR²/2
中空の薄い球殻(半径R、質量M) 直径 I = 2MR²/3
均質な球(半径R、質量M) 直径 I = 2MR²/5

慣性モーメントは「どの軸で回転するか」によって値が変わる点に注意が必要です。

同じ物体でも回転軸が異なれば慣性モーメントが異なり、その結果として同じトルクを加えたときの角加速度も変わります。

平行軸の定理と重心軸まわりの角運動量

平行軸の定理(シュタイナーの定理)は、重心を通る軸まわりの慣性モーメントI_Gがわかっていれば、それと平行な別の軸まわりの慣性モーメントを簡単に求められる定理です。

平行軸の定理(シュタイナーの定理)

I = I_G + Md²

I:新しい軸まわりの慣性モーメント

I_G:重心を通る平行な軸まわりの慣性モーメント

M:物体の総質量、d:2つの軸間の距離

この定理を使うと、様々な軸まわりの慣性モーメントを効率よく計算できます。

平行軸の定理は大学入試でも頻出なので、式の意味とともに確実に覚えておきましょう。

天体運動と全角運動量

天体力学において、全角運動量の保存は惑星の公転軌道の形(楕円軌道)や面積速度一定の法則(ケプラーの第2法則)を説明する根拠となります。

太陽と惑星の系では、太陽からの重力が常に惑星の位置ベクトルの方向(中心力)を向いているため、重力によるトルクがゼロになります。

その結果、惑星の角運動量は保存され、惑星が太陽に近づくと速く、遠ざかると遅くなるという公転速度の変化が生じます。

ケプラーの第2法則と角運動量保存則の関係

面積速度一定の法則(惑星と太陽を結ぶ線分が単位時間に描く面積が一定)は、角運動量保存則の直接の帰結です。

dA/dt = L/(2m) = 一定 (L:角運動量、m:惑星の質量)

まとめ

本記事では、角運動量の公式・定義・単位・求め方についてわかりやすく解説しました。

角運動量の基本公式は L = r × p(位置ベクトルと運動量の外積)であり、円運動の場合には L = mvr = Iω と表現できます。

単位は kg・m²/s(= J・s)であり、角運動量はベクトル量として方向も重要な意味を持ちます。

全角運動量は各物体の角運動量の和で求められ、慣性モーメントと角速度の積 L = Iω という形で表現されます。

角運動量の時間変化率はトルクと等しく、外部トルクがゼロのときに角運動量が保存されます(角運動量保存則)。

本記事の内容をしっかり理解して、回転運動の問題を自信を持って解けるようになっていただければ幸いです。

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