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水の動粘度は?温度による変化と計算方法も解説!(20℃:粘度:密度:温度依存:数値一覧など)

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流体の性質を理解するうえで、動粘度(キネマティック粘度)は非常に重要な物性値のひとつです。

特に水は私たちの身近にある流体であり、配管設計・熱交換器の計算・環境工学など、幅広い分野で動粘度の値が必要とされます。

しかし、水の動粘度は温度によって大きく変化するため、「20℃のときの値はいくつか」「温度が上がると粘度はどう変わるのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、水の動粘度の定義・温度依存性・計算方法・数値一覧まで、わかりやすく丁寧に解説していきます。

エンジニアの方はもちろん、流体力学を学び始めた方にもぜひ参考にしていただける内容です。

目次

水の動粘度は温度に強く依存し、20℃では約1.004×10⁻⁶ m²/sである

それではまず、水の動粘度の基本的な値と、その温度依存性についての結論から解説していきます。

水の動粘度(kinematic viscosity)は、温度が上昇するにつれて小さくなるという特徴を持っています。

これは、温度が上がることで水分子間の結合力が弱まり、流体がよりスムーズに流れやすくなるためです。

よく使われる基準温度である20℃においては、水の動粘度はおよそ1.004×10⁻⁶ m²/s(≒1.004 mm²/s)とされています。

水の動粘度(20℃):約1.004×10⁻⁶ m²/s

これはエンジニアリング計算において最もよく参照される基準値のひとつです。

設計・計算においては、使用温度における正確な動粘度を必ず確認することが重要です。

なお、動粘度の単位としては「m²/s」のほか、CGS単位系の「St(ストークス)」や「cSt(センチストークス)」も広く使われます。

1 cSt = 1 mm²/s ですので、20℃の水の動粘度は約1.004 cStと表現されることもあります。

温度依存性については、後の章で詳しい数値一覧を用いて確認していきますが、まずは「温度が高いほど動粘度は低下する」という大原則を押さえておきましょう。

動粘度・粘度・密度の関係と基本的な定義

続いては、動粘度・粘度(せん断粘度)・密度の関係と、それぞれの定義を確認していきます。

動粘度を正しく理解するためには、まず粘度(動力学的粘度・絶対粘度)密度の概念を整理しておくことが大切です。

粘度(絶対粘度・動力学的粘度)とは

粘度とは、流体の「流れにくさ」を表す物性値で、動力学的粘度(絶対粘度)μ(ミュー)とも呼ばれます。

単位はPa·s(パスカル秒)またはmPa·s(ミリパスカル秒)が一般的で、CGS単位系ではP(ポアズ)やcP(センチポアズ)が使われることもあります。

流体にせん断力が加わったとき、どの程度変形に抵抗するかを示す指標といえるでしょう。

水の絶対粘度は20℃でおよそ1.002 mPa·s(≒1.002 cP)です。

密度とは

密度ρ(ロー)は、単位体積あたりの質量を示す値で、単位はkg/m³です。

水の密度は4℃で最大値(約999.97 kg/m³)となり、温度が上がるにつれて徐々に低下します。

20℃における水の密度はおよそ998.2 kg/m³とされています。

この密度の変化も、動粘度の温度依存性に影響を与える重要な要素です。

動粘度の定義式

動粘度ν(ニュー)は、絶対粘度μを密度ρで割った値として定義されます。

動粘度ν = 絶対粘度μ ÷ 密度ρ

ν [m²/s] = μ [Pa·s] ÷ ρ [kg/m³]

例:20℃の水の場合

ν = 1.002×10⁻³ [Pa·s] ÷ 998.2 [kg/m³] ≒ 1.004×10⁻⁶ m²/s

このように、動粘度は粘度と密度の両方の情報から求められる値です。

温度が変化すると粘度も密度も変わるため、動粘度も温度の影響を受けることになります。

水の動粘度の温度依存性と数値一覧

続いては、水の動粘度が温度によってどのように変化するか、具体的な数値一覧を確認していきます。

先述のとおり、水の動粘度は温度上昇とともに低下します。

これは、高温になるほど水分子の熱運動が活発になり、分子間の相互作用(水素結合など)が弱まるためです。

温度別の動粘度・絶対粘度・密度の一覧表

以下の表に、代表的な温度における水の物性値をまとめました。

温度 (℃) 密度 ρ (kg/m³) 絶対粘度 μ (mPa·s) 動粘度 ν (×10⁻⁶ m²/s)
0 999.8 1.792 1.792
5 999.9 1.519 1.519
10 999.7 1.307 1.307
15 999.1 1.139 1.140
20 998.2 1.002 1.004
25 997.0 0.890 0.893
30 995.7 0.798 0.801
40 992.2 0.653 0.658
50 988.1 0.547 0.553
60 983.2 0.467 0.475
80 971.8 0.355 0.365
100 958.4 0.282 0.294

この表からも明らかなように、0℃から100℃にかけて動粘度は約1/6にまで低下することがわかります。

温度上昇で動粘度が下がる理由

液体の粘度は、分子間に働く引力(分子間力)によって生じます。

水の場合、分子同士が水素結合によって結びついており、温度が低いほどこの結合が強く、粘度が高くなります。

温度が上昇すると水素結合が熱エネルギーによって弱まり、分子が自由に動けるようになるため、粘度が低下し、動粘度も小さくなるという仕組みです。

これはガスと逆の傾向であり(ガスは温度上昇で粘度が増加)、液体に特有の性質といえるでしょう。

実用上の注意点

流体計算や配管設計においては、使用する水の温度に対応した動粘度を使用することが不可欠です。

たとえばレイノルズ数の計算式にも動粘度が含まれており、温度を誤ると流れが層流か乱流かの判定まで変わる可能性があります。

常温(20℃前後)を仮定して設計を進めるケースが多いですが、高温水・冷水を扱う場合は必ず温度に対応した値を参照するようにしましょう。

水の動粘度の計算方法と近似式

続いては、水の動粘度を任意の温度で求めるための計算方法と近似式を確認していきます。

実務では表から値を読み取るだけでなく、中間温度での値が必要になる場面も多くあります。

そのような場合に役立つのが、近似式による動粘度の計算です。

線形補間による計算

最もシンプルな方法は、数値一覧表の値を用いた線形補間(内挿)です。

例:22℃の動粘度を求める場合

20℃:ν = 1.004×10⁻⁶ m²/s

25℃:ν = 0.893×10⁻⁶ m²/s

22℃の動粘度 = 1.004 + (0.893 – 1.004) × (22 – 20) / (25 – 20)

= 1.004 + (-0.111) × 0.4

= 1.004 – 0.0444

≒ 0.960×10⁻⁶ m²/s

線形補間は計算が簡単で、エンジニアリングの現場でも広く使われている手法です。

Vogel式・Andrade式による近似

より精度の高い計算には、粘度の温度依存性を表すAndrade式(アレニウス型近似)やVogel式が使われることがあります。

Andrade式(対数近似)

ln(μ) = A + B / T

ここで、T は絶対温度(K)、A・B は流体固有の定数です。

水の場合、広い温度範囲での近似にはより精緻なVogel式や多項式近似が使われることもあります。

これらの式は、流体シミュレーションソフトウェアや化学工学の計算ツールに組み込まれていることが多く、実務ではソフト側が自動的に温度補正を行う場合もあります。

レイノルズ数計算への応用

動粘度の代表的な活用場面として、レイノルズ数(Re)の計算があります。

レイノルズ数 Re = (流速 u × 代表長さ L) ÷ 動粘度 ν

例:直径50mm(0.05m)の管内を流速2m/sで水(20℃)が流れる場合

Re = (2 × 0.05) ÷ 1.004×10⁻⁶

≒ 99,602

Re が約10万であり、乱流(Re > 4000)と判断されます。

動粘度は、流れの状態(層流・遷移流・乱流)を判断するレイノルズ数の計算において欠かせない物性値です。

温度が変わると動粘度も変わり、同じ流速・管径でもレイノルズ数が変化する点に注意が必要です。

まとめ

本記事では、「水の動粘度は?温度による変化と計算方法も解説!(20℃:粘度:密度:温度依存:数値一覧など)」というテーマで、水の動粘度に関する基礎知識を幅広く解説してきました。

まず、20℃における水の動粘度はおよそ1.004×10⁻⁶ m²/s(約1.004 cSt)という基準値を押さえることが大切です。

動粘度は絶対粘度μを密度ρで割ることで求められ、温度の上昇とともに低下するという温度依存性を持ちます。

0℃から100℃にかけて動粘度は約1/6に低下するため、温度条件を正確に把握することが重要といえるでしょう。

計算方法としては、数値一覧表を使った線形補間が手軽で実用的であり、より精度が必要な場合はAndrade式などの近似式を活用することも可能です。

また、レイノルズ数計算など流体工学の実務においても、動粘度の正確な把握は設計精度に直結します。

本記事が、流体計算や配管設計、学習の場面で役立つ一助となれば幸いです。

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