アボカドのカリウム含有量や摂取目安量は（meqも、1個に含まれる量が多い、腎臓病や透析なども）

アボカドは「森のバター」とも呼ばれ、その濃厚な味わいと豊富な栄養素で人気の果物です。近年、健康志向の高まりとともに日本でも消費量が増加しており、サラダやトーストのトッピング、スムージーなど様々な形で楽しまれています。

アボカドの注目すべき栄養素の中でも、特に「カリウム」の含有量は果物界でもトップクラスです。実は、アボカドのカリウム含有量はバナナを大きく上回り、1個で成人の1日推奨摂取量の約4分の1を摂取できるほどです。

カリウムは血圧調整や筋肉機能、神経伝達に重要な役割を果たすミネラルですが、腎臓病や透析を受けている方にとっては摂取量の管理が必要な栄養素でもあります。アボカドのように高カリウム食品を摂取する際は、正しい知識を持つことが重要です。

この記事では、アボカド1個に含まれるカリウムの詳細な量から、年齢別の摂取目安量、腎臓病患者の方が注意すべきポイントまで、わかりやすく解説していきます。アボカドを安全に美味しく楽しむための参考にしていただければ幸いです。

アボカド一個に含まれるカリウムの量は？小さめ普通大きめアボカド

アボカドのカリウム含有量について詳しく解説していきます。

アボカドのサイズによってカリウム含有量は大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

アボカドのサイズ	重量（可食部）	カリウム含有量	meq換算
小さめ	約120g	約864mg	約22.1meq
普通サイズ	約150g	約1,080mg	約27.7meq
大きめ	約200g	約1,440mg	約36.9meq

小さめのアボカドでも、バナナの約3倍のカリウムを含んでいることがわかります。普通サイズのアボカド1個で、成人男性の1日推奨摂取量（3,000mg）の約36％を摂取できる計算になります。

アボカドは品種によってもサイズが異なり、「ハス種」と呼ばれる一般的な品種は比較的小さめで、「フエルテ種」などは大きめのサイズになることが多いです。また、輸入時期や産地によってもサイズにばらつきがあります。

アボカドのカリウム含有量が高い理由は、その高い脂質含有量と密度の濃い栄養成分にあります。水分含有量が比較的少なく、栄養素が凝縮されているため、同じ重量でも他の果物より多くのカリウムを含んでいます。

購入時にアボカドの重さを確認することで、おおよそのカリウム含有量を把握することができます。

カリウムの1日摂取目安量に相当のアボカドの量や個数は？年齢別

カリウムの1日摂取目安量に相当するアボカドの個数について、年齢別に詳しく解説していきます。

年齢・性別	1日カリウム摂取目安量	アボカド換算（普通サイズ）	推奨摂取量
成人男性（18歳以上）	3,000mg	約2.8個	0.3～0.5個程度
成人女性（18歳以上）	2,600mg	約2.4個	0.3～0.5個程度
小学生（6～11歳）	1,600mg～2,000mg	約1.5個～1.9個	0.2～0.3個程度
中学生・高校生（12～17歳）	2,400mg～2,800mg	約2.2個～2.6個	0.3～0.4個程度
高齢者（65歳以上）	成人と同様	成人と同様	0.3～0.5個程度

アボカドは非常に高カリウム食品のため、1個で1日の推奨摂取量の約3分の1を摂取してしまいます。そのため、他の食材からのカリウム摂取を考慮すると、健康な方でも1日0.3～0.5個程度（約3分の1～半分）が適量と考えられます。

成人の場合、アボカド半分程度で約540mgのカリウムを摂取できるため、これは非常に効率的なカリウム補給源と言えます。特に運動後のミネラル補給や、カリウム不足が懸念される場合には有効です。

子供の場合は、体重や代謝を考慮してより少量に留めることが推奨されます。アボカド4分の1個程度（約270mg）でも十分な量のカリウムを摂取できます。

アボカドは脂質も豊富なため（1個あたり約30g）、カロリー摂取の観点からも適量を守ることが大切です。バランスの良い食事の一部として、計画的に摂取することをおすすめします。

腎臓病や透析患者の場合のカリウムの1日摂取目安量に相当のアボカドの量や個数は？

腎臓病や透析患者の方のカリウム摂取について詳しく解説していきます。

患者区分	1日カリウム摂取制限量	アボカド換算（普通サイズ）	実際の推奨量
腎臓病患者	1,500mg～2,000mg	約1.4個～1.9個	原則として摂取禁止
透析患者	1,500mg程度	約1.4個	原則として摂取禁止

アボカドが高リスク食品である理由

腎臓病や透析患者の方にとって、アボカドは特に注意が必要な高リスク食品です。その理由は以下の通りです：

– 普通サイズ1個で1,080mgという極めて高いカリウム含有量
– 1日の制限量（1,500mg）の約72％を1個で摂取してしまう
– 他の食材からのカリウム摂取を考慮すると、容易に制限量を超過する危険性
– 少量でも相当量のカリウムを摂取してしまうため、調整が困難

代替食品の提案

アボカドの代わりとして、以下の低カリウム食品をおすすめします：

– きゅうり（1本約200mg）
– レタス（100gあたり約200mg）
– キャベツ（100gあたり約200mg）
– 白菜（100gあたり約220mg）

医師との相談の重要性

腎臓病や透析患者の方がアボカドを摂取したい場合は、以下の点を必ず医師に相談してください：

– 現在の腎機能の状態
– 血液検査でのカリウム値
– 他の食材との組み合わせ
– 薬物治療への影響

免責事項

ここで記載した内容は、あくまでも一般的な目安値です。腎臓病や透析患者の方の場合、個人の病状や治療状況によって適切な摂取量は大きく異なります。必ず主治医や管理栄養士にご相談の上、個人に合った食事管理を行ってください。自己判断でのアボカド摂取は非常に危険な場合があります。特にアボカドのような高カリウム食品については、医療従事者の指導なしに摂取しないことを強く推奨します。