薄毛に悩む方であれば、生活習慣の改善や育毛剤・発毛剤を使用することによって対策をしていることがほとんどです。
このような中でも、比較的手軽にできる育毛対策としてはAGA(男性型脱毛症)に効く食品を摂取することが挙げられます。特に「鮭(サーモン)が薄毛の回復に効果的」という口コミをよくみかけますが、これは本当なのでしょうか。
ここでは、鮭(サーモン)に含まれる成分の観点から育毛への効果について解説していきます。
目次
鮭(サーモン)に含まれるAGA治療に効果がある成分
鮭(サーモン)には、「各種ビタミン類やミネラル」「髪の毛や頭皮などを形成するタンパク質」など体の健康・美容維持に効果のある成分だけでなく、育毛に直接的に効く成分も豊富に含んでいます。
具体的には鮭の中の「DHA・EPA」「アスタキサンチン」「コラーゲン」がこ薄毛の回復に特に効果が見られる成分といえます。
これらが薄毛の回復にどう作用するのか、以下で詳細を確認していきます。
サーモンのDHA・EPAには育毛・抜け毛予防の期待ができる効果がある
私たちが何気なく生活している場合には、オメガ6脂肪酸(特にリノール酸)を過剰摂取している場合がほとんどです。
これは、身の回りに多く存在するパン、お惣菜、植物油脂、スナック菓子、クッキー・チョコレートなどあらゆるものがこのリノール酸を多く含んでいるために起きています。
以下のようなものです。
そして、リノール酸を摂りすぎている場合では、「細胞膜や血管膜の硬化」「慢性的な炎症作用の発生」などの現象を引き起こします。
育毛の観点から考えると、頭皮には毛母細胞と呼ばれる「育毛や発毛を促す機能をもつ細胞」があるわけですが、この機能を低下させてしまうのです。
また血管膜が硬化すると、血流からの栄養素を体内に取り込みにくくなり、髪の成長を促す栄養が毛髪に行き届かなくなります。さらに、慢性的な炎症作用とは、正常に働いているあらゆる体内の機能に対しても攻撃をすることを意味し、これは頭皮環境を悪化させ、抜け毛を増加させることにつながるわけです。
このような理由からリノール酸の摂りすぎは、AGA(男性型脱毛症)を進行させるといえます。このとき、鮭(サーモン)に含まれるDHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸を適切に摂取すると、リノール酸によるハゲへの悪影響を防ぐことができるのです。
具体的には、
・細胞膜を柔軟に機能を高め、毛母細胞を活性化させる
・同様に血管膜もしなやかにし、血流からの栄養の吸収を向上させる
・血行促進作用が得られる
・炎症を抑制し、頭皮コンディションを整える
などの、薄毛の回復に嬉しい効果が得られるのです。
このように鮭(サーモン)のDHA・EPAによりAGA治療への効果が期待できるといえます。
サーモン(鮭)アスタキサンチンが薄毛の回復に効く
また、鮭(サーモン)には抗酸化物質であるアスタキサンチンも多く含有しています。
AGAの原因の一つには「老化」が挙げられます。加老が進むと
・抜け毛の原因となる男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の分泌量が多くなる
・頭皮のハリがなくなり、毛が抜けやすくなる
・毛母細胞の機能が低下する
などから、頭皮への悪影響が起こるといえます。
このときに、サーモン(鮭)からアスタキサンチン(抗酸化物質)を摂取することによって、あらゆる部分の老化を抑制することができ、薄毛の進行の抑制が期待できるわけです。
コラーゲンが抜け毛の抑制が期待できる
同様に、鮭(サーモン)はコラーゲンも多く含みます。先にも述べたように、髪の毛は頭皮を基礎としているために抜け毛を抑えるためにはハリや柔軟性が大切です。
このとき、上述のアスタキサンチンだけでなく、肌(頭皮も)の再生を促すコラーゲンを摂取することによって、頭皮を柔軟にし、脱毛が起きにくい状態に変化させることができます。
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薄毛に効く鮭(サーモン)の摂取量
このように、育毛効果が望めるいくつかの成分を含むサーモンですが、どの程度摂取するとAGA対策として有効的となるのでしょうか。
まずは、DHA・EPAの観点から考えていきます。鮭といっても種類や時期によって、DHA・EPAの含有量は変化します。
比較的にこれらが多く含まれている秋の鮭(秋サケ)100g(約1切れ程度)では、平均してDHA:約300mg程度、EPA:約180mg程度含まれています。
https://www.maruha-nichiro.co.jp/salmon/food/food03.htmlより引用
これは1日分のオメガ3脂肪酸(DHA・EPA・αリノレン酸を併せた数値)の推奨摂取量の2.1g(2100mg)の約23%程度に相当します。そのため、通常食べる量ではやや育毛効果を得られるといえます。
続いて、鮭のアスタキサンチンの含有量から、薄毛への影響を確認していきます。こちらも種類によってアスタキサンチンの量には幅がありますが、紅サケを数値を参考にすると、1匹あたり約3g程度のアスタキサンチンを摂取することができることになります。
https://www.maruha-nichiro.co.jp/salmon/food/food03.htmlより引用
これは、1日のアスタキサンチンの推奨摂取量10~15gの約25%程度と計算できるのです。そのため、こちらも育毛効果がやや期待できることとなるわけです。
さらに、鮭のコラーゲンと髪の脱毛に関しても考えていきます。鮭1匹当たりでは以下のようおよそ2410mgのコラーゲンが含まれています。
http://www.jilr.or.jp/research/pdf/eiyogakuzashi70_120.pdfより引用
このとき、鮭は身と皮の間に多くのコラーゲンが含まれてるため、皮ごと食べる方がAGA対策としておすすめです。
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そして、1日あたりのコラーゲン摂取量は約5g(5000mg)(https://www.meiji.co.jp/health/amicolla/faq/より参考)であることを考慮すると、約半分の量のコラーゲンを鮭から摂取できるといえます
つまり、比較的高い育毛効果が期待できるわけです。
これらから鮭に含まれる薄毛治療に効果がある成分とその含有量を考えてみると、比較的AGAの改善が見込めると判断できるといえます。
鮭の摂取のみでなく、直接的なハゲへの対策も取るべき
しかしながら、薄毛を回復させるには、鮭だけでなくAGAの原因である男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の分泌も直接的に抑制させた方がいいです。
これはいくら鮭(サーモン)の育毛にいい有効成分を摂取しても、遺伝などの影響によりジヒドロテストステロンの分泌量が元から多い人では、やはり髪が薄くなることが多いわけです。
このような場合には、直接的なAGA対策である
・ジヒドロテストステロンを直接低減できるノコギリヤシ、ハーブティのフィーバーフューなどの摂取
・育毛剤や発毛剤の使用
が挙げられます。これらと併せて、鮭などの健康にも髪にもいい成分を摂取することで、より確実に薄毛を回復させることができるのです。
まとめ
ここでは、鮭(サーモン)は薄毛への効果について解説しました。
鮭には「各種ビタミン類やミネラル」「髪の毛や頭皮などを形成するタンパク質」など体や髪にいい成分を多く含むだけでなく、AGA対策として効果が期待できる「DHA・EPA」「アスタキサンチン」「コラーゲン」も比較的多く含んでいます。そのため、ハゲの回復に比較的いい影響を及ぼすことができるといえます。
ただ、薄毛の原因のジヒドロテストステロンの分泌量が遺伝などで非常に多い方では、鮭の栄養摂取のみでは抑えきれない可能性も高いです。そのため、別途サプリ・育毛剤・発毛剤などの直接的なAGA治療も併せて行うのが、髪をフサフサにできる確率を上げられます。
さまざまな育毛対策を試みて、薄毛を克服していきましょう。