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pn接合とは?意味や原理をわかりやすく解説!(半導体・電流の流れ・ダイオード・順方向・逆方向など)

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スマートフォン・コンピュータ・テレビなど、現代のあらゆる電子機器の中には、半導体デバイスが使われています。

その半導体デバイスの最も基礎となる構造が「pn接合」です。

本記事では、pn接合の意味と原理について、半導体・電流の流れ・ダイオード・順方向・逆方向といったキーワードを交えながら、わかりやすく丁寧に解説していきます。

電気・電子工学を学んでいる方、半導体の仕組みに興味がある方にとって、必ず役立つ基礎知識をお届けします。

ぜひ最後まで読み進めてください。

目次

pn接合とは何か?結論からわかりやすく解説

それではまず、pn接合という言葉の基本的な意味について解説していきます。

pn接合とは、p型半導体とn型半導体という2種類の半導体を接触させて形成された接合部(界面)のことであり、電流を一方向にしか流さない整流作用を持つ、半導体デバイスの最も基本的な構造です。

「p」は「positive(正、プラス)」、「n」は「negative(負、マイナス)」を意味し、それぞれの半導体の電気的な特性を表しています。

pn接合の最も重要な性質は「整流作用」です。水は高いところから低いところにしか流れないように、pn接合は電気(電流)が「p側からn側へ(順方向)」には流れますが、「n側からp側へ(逆方向)」にはほとんど流れないという、一方通行の特性を持っています。この性質が、交流電源を直流に変換したり、電気信号を検波したりするための、ダイオードという素子の基礎となっています。

pn接合は、ダイオード・トランジスタ・太陽電池・LED(発光ダイオード)・撮像素子など、現代の電子デバイスの多くに使われている、半導体技術の根幹をなす構造です。

半導体とは何か

pn接合を理解するためには、まず「半導体」という材料の特性を知っておく必要があります。

半導体とは、電気を通す「導体」と、電気をほぼ通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ材料のことで、シリコン・ゲルマニウムなどが代表的な半導体材料として知られています。

半導体の最大の特徴は、特定の不純物(ドーパント)を微量加えることで、電気の流れやすさを意図的に制御できるという点です。

p型半導体とn型半導体の違い

pn接合を形成する2種類の半導体の違いを整理しましょう。

種類 加える不純物の例 多数キャリア 特性
p型半導体 ボロン・アルミニウムなど(シリコンより原子価が小さい元素) 正孔(ホール) 正の電荷を持つ正孔が多く電気を運ぶ
n型半導体 リン・ヒ素など(シリコンより原子価が大きい元素) 電子(エレクトロン) 負の電荷を持つ電子が多く電気を運ぶ

「正孔(ホール)」とは、電子が抜けた後に残る「電子の空席」のことで、正の電荷を持つかのように振る舞う仮想的な粒子として扱われます。

p型では正孔が多く、n型では電子が多いという、この2種類の半導体の違いがpn接合の特性を生み出す源泉となっています。

キャリアと電流の流れ

半導体の電気伝導を担う粒子(電子や正孔)を「キャリア(carrier)」と呼びます。

電子が移動することで電流が流れる仕組みを理解することと、正孔という概念を理解することが、半導体・pn接合の理解に欠かせない基礎知識です。

電流の方向は、習慣的に「正電荷(正孔)が流れる方向」と定義されており、電子の流れとは逆方向になります。

pn接合の形成と空乏層

続いては、p型半導体とn型半導体が接合した際に、接合部(界面)で何が起こるのかを確認していきます。

pn接合が形成される際の物理的な過程を理解することが、接合の特性を理解する上で非常に重要です。

拡散と接合部での変化

p型半導体とn型半導体を接触させると、接合部で何が起こるのでしょうか。

最初、p型側には正孔が多く、n型側には電子が多い状態です。

接合部では、濃度の高い方から低い方へと粒子が自然に移動する「拡散」という現象が起こります。

【接合部で起きる拡散のプロセス】

n型側の電子が接合部を越えてp型側に拡散する

p型側の正孔が接合部を越えてn型側に拡散する

電子と正孔が出会うと互いに打ち消し合う(再結合)

接合部付近の電子・正孔が消えてしまい、キャリアのほとんどない「空乏層」が形成される

この「空乏層(くうぼうそう)」と呼ばれる領域の形成が、pn接合の特性を決定づける最も重要な現象です。

内蔵電位(ビルトインポテンシャル)の発生

空乏層が形成されると同時に、接合部には「内蔵電位(ビルトインポテンシャル)」と呼ばれる電位差(電圧)が自然に生じます。

電子がp型側に拡散することで、p型側には負の電荷が、n型側には正の電荷が残り、これが電位差を生み出します。

この内蔵電位は、さらなる電子・正孔の拡散を妨げる方向に電界を生み出すため、拡散が無限に続くことを防ぐ「平衡状態のブレーキ」として機能するのです。

最終的に、拡散しようとする力とこの電界による力がつり合ったところで、接合部の平衡状態が成立します。

空乏層の性質

空乏層は、pn接合の最も重要な領域です。

特性 内容
キャリアの密度 電子も正孔もほとんど存在しない
電気的な性質 絶縁体に近い性質を持つ
電界 n型側からp型側へ向かう内部電界が存在する
幅の変化 逆バイアスをかけると広がり、順バイアスをかけると狭くなる

空乏層の幅と内部電界の強さが、pn接合に外部から電圧を加えた際の「順方向・逆方向特性」を決定する重要な要素となります。

pn接合の整流作用

続いては、pn接合の最も重要な特性である「整流作用」について確認していきます。

順方向・逆方向それぞれにバイアス(外部電圧)を加えた際の動作を、順番に見ていきましょう。

順方向バイアスと電流の流れ

pn接合のp側に正の電圧、n側に負の電圧を加えることを「順方向バイアス」といいます。

順方向バイアスをかけると、外部電圧が内蔵電位に打ち勝つことで、空乏層の幅が狭くなり電位障壁が下がります。

その結果、n型側の電子がp型側へ、p型側の正孔がn型側へと流れ込み、電流が接合部を通過して回路全体を流れるようになります。

この状態がpn接合の「オン状態(電流が流れる状態)」であり、電流は順方向(p側から外部回路を通ってn側へ)に流れます。

逆方向バイアスと電流の遮断

逆に、p側に負の電圧、n側に正の電圧を加えることを「逆方向バイアス」といいます。

逆方向バイアスをかけると、空乏層の幅がさらに広がり、電位障壁が高くなります。

この状態では電子も正孔も接合部を越えることができなくなり、理想的には電流はほぼゼロとなる「オフ状態(電流が遮断された状態)」となります。

実際には、わずかに「逆方向飽和電流」と呼ばれる微小な電流が流れますが、これは通常の動作において無視できる程度です。

ダイオードとしての特性

pn接合のこの「順方向には電流が流れ、逆方向には流れない」という整流作用を利用したデバイスが「ダイオード」です。

【ダイオードの基本特性のまとめ】

順方向バイアス(閾値電圧以上)を加えると電流が流れる

シリコンダイオードの閾値電圧の目安は約0.6Vから0.7V

逆方向バイアスを加えると電流はほぼ遮断される

逆方向に非常に大きな電圧をかけると「逆方向耐電圧(ブレークダウン電圧)」を超えて大電流が流れる

ダイオードは、交流を直流に変換する整流回路・過電圧から回路を保護するクランプ回路・電気信号の検波など、電子回路において非常に幅広い用途で活用されています。

pn接合の応用デバイス

続いては、pn接合を基礎として作られた、様々な半導体デバイスについて確認していきます。

pn接合という基本構造が、どれほど多くのデバイスの礎となっているかが見えてきます。

LED(発光ダイオード)

LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)は、pn接合に順方向バイアスをかけた際に、電子と正孔が再結合してエネルギーを光として放出する現象(電界発光)を利用した光源デバイスです。

放出される光の色(波長)は、使用する半導体材料によって決まり、赤色・緑色・青色のLEDが開発されたことで、現在では白色LEDも含めてあらゆる色の発光が可能になっています。

青色LEDの開発は特に重要で、2014年のノーベル物理学賞は、青色LED開発に貢献した日本人研究者3名に授与されています。

太陽電池(フォトボルタイク)

太陽電池も、pn接合を利用したデバイスです。

太陽電池では、pn接合に光(太陽光)が当たることで、光のエネルギーによって電子と正孔のペアが生成され、pn接合の内部電界によってそれぞれが引き離されることで、電力が生成されます。

LEDが「電気を入れると光が出る」のに対し、太陽電池は「光を入れると電気が出る」という、LEDとは逆の動作原理を持つのが興味深い点です。

トランジスタとIC

トランジスタは、2つのpn接合を組み合わせた「pnp」または「npn」構造を持つデバイスで、小さな電気信号で大きな電流を制御できる「増幅作用」と「スイッチング動作」を実現することで、現代のデジタルコンピューターの基盤となっています。

IC(集積回路)は、このトランジスタを含む多数の半導体デバイスを、1つのシリコンチップ上に集積したものであり、スマートフォン・コンピュータのCPU・GPU・メモリなど、現代のエレクトロニクス全体を支える根幹技術です。

これらすべてのデバイスの根底には、pn接合という基本的な半導体構造が存在しているのです。

まとめ

本記事では、pn接合の意味と原理について、半導体の基礎・p型とn型半導体の違い・キャリアの概念、pn接合の形成における空乏層の発生・内蔵電位・空乏層の性質、順方向バイアスと逆方向バイアスによる整流作用・ダイオードの特性、LED・太陽電池・トランジスタといった応用デバイスまで幅広く解説しました。

pn接合とは、p型半導体とn型半導体を接触させた接合部であり、順方向には電流が流れ、逆方向にはほぼ流れないという整流作用を持つ、半導体デバイスの最も基本的な構造です。

接合部では空乏層と内蔵電位が形成され、外部からの電圧(バイアス)によってその幅・高さが変化することで、順方向・逆方向の電流特性が生まれます。

ダイオード・LED・太陽電池・トランジスタ・ICなど、現代の電子デバイスの多くがpn接合を基礎として作られており、pn接合は電気・電子工学における最も重要な基礎概念のひとつです。

次の記事では、pn接合ダイオードの構造と動作原理について、さらに詳しく解説していきます。

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