「固有振動数の単位はHzって言うけど、rad/sとは何が違うの?」「どちらを使えばいいの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
固有振動数はHz(ヘルツ)とrad/s(ラジアン毎秒)の2種類の単位で表されますが、表現する量が微妙に異なります。
この記事では、固有振動数の単位・HzとRad/sの違い・換算方法・SI単位系での位置づけまで、わかりやすく解説していきます。
目次
固有振動数の単位はHz(周波数)とrad/s(角振動数)の2種類がある
それではまず、固有振動数の2種類の単位の定義と違いを解説していきます。
固有振動数はHz(ヘルツ)で表す「周波数fₙ」と、rad/s(ラジアン毎秒)で表す「角振動数ωₙ」の2種類の表現形式があり、どちらも同じ振動のしやすさを異なる形で表しています。
Hz(ヘルツ)の定義と意味
ヘルツ(Hz)はSI単位系の周波数の単位であり、1秒間に1回の周期的な繰り返しを1Hzと定義します。
1 Hz = 1回/秒(毎秒1サイクル)
固有振動数 fₙ = 5 Hz :1秒間に5回振動する
固有振動周期 Tₙ = 1÷fₙ = 1÷5 = 0.2秒(0.2秒で1サイクル)
Hzは「1秒に何回振動するか」という直感的に理解しやすい単位であり、工学的な設計・測定の現場で広く使われています。
rad/s(角振動数)の定義と意味
角振動数ωₙ(ラジアン毎秒)は、1秒間に進む位相の角度(ラジアン)を表す単位です。
1サイクルは360度=2πラジアンに対応するため、以下の関係が成り立ちます。
1 Hz = 2π rad/s(1サイクル=2πラジアン)
角振動数ωₙ = 2πfₙ(rad/s)
例:fₙ = 5 Hz のとき
ωₙ = 2π × 5 = 10π ≒ 31.42 rad/s
rad/sは数学的な微分方程式や振動方程式の中で自然に現れる単位であり、理論的な解析・導出では角振動数ωₙを使うことが標準的です。
HzとRad/sの使い分けの基準
| 場面 | 使う単位 | 理由 |
|---|---|---|
| 設計仕様・測定データの記述 | Hz(fₙ) | 直感的でわかりやすい |
| 振動方程式・理論解析 | rad/s(ωₙ) | 数式に自然に現れる |
| 周期の計算 | Hz(Tₙ=1÷fₙ) | 計算がシンプル |
| FEMソフトの出力 | Hz(fₙ)が多い | 工学的標準 |
| コントロール理論・信号処理 | rad/s(ωₙ) | ラプラス変換・伝達関数に対応 |
工学の実務ではHz(fₙ)が使われることがほとんどですが、振動の理論解析・制御工学ではrad/s(ωₙ)が標準的です。両者を自在に換算できるようにしておくことが重要です。
HzとRad/sの換算方法
続いては、HzとRad/sの換算方法と具体的な計算例を確認していきます。
換算公式と計算例
Hz → rad/s:ωₙ = 2π × fₙ
rad/s → Hz:fₙ = ωₙ ÷ (2π)
計算例
・fₙ = 10 Hz → ωₙ = 2π×10 = 62.83 rad/s
・fₙ = 50 Hz → ωₙ = 2π×50 = 314.16 rad/s
・ωₙ = 100 rad/s → fₙ = 100÷(2π) ≒ 15.92 Hz
・ωₙ = 1000 rad/s → fₙ = 1000÷(2π) ≒ 159.2 Hz
換算の核心は「1サイクル=2πラジアン」という関係であり、2πという係数を掛け引きするだけでHzとrad/sを相互変換できます。
固有振動周期Tとの換算
固有振動周期Tₙ(秒)との換算
Tₙ = 1÷fₙ = 2π÷ωₙ
fₙ = 1÷Tₙ
ωₙ = 2π÷Tₙ
例:Tₙ=0.1秒の系
fₙ = 1÷0.1 = 10 Hz
ωₙ = 2π÷0.1 = 62.83 rad/s
固有振動周期Tₙ・固有振動数fₙ・固有角振動数ωₙの3つは互いに換算でき、問題の与え方に応じて使いやすい形に変換することが実用的なスキルです。
固有振動数のSI単位系での位置づけ
続いては、固有振動数の単位のSI単位系における定義を確認していきます。
Hzの次元と定義
ヘルツ(Hz)はSI誘導単位であり、次元は時間の逆数 T⁻¹ (s⁻¹)です。
1 Hz = 1 s⁻¹ = 1÷s
次元:[T⁻¹]
角振動数 rad/s の次元も [T⁻¹] (ラジアンは無次元)
HzもRad/sも次元はT⁻¹(時間の逆数)であり、2πというスカラー係数で換算される量です。単位の次元が同じであることが、両者の物理的な等価性を保証しています。
まとめ
この記事では、固有振動数の単位(HzとRad/s)の定義・違い・使い分けの基準・換算方法・固有振動周期との関係・SI単位系での位置づけについて解説しました。
固有振動数はHz(fₙ:1秒間の振動回数)とrad/s(ωₙ:1秒間の角度変化量)の2形式で表され、ωₙ=2πfₙという関係で換算できます。工学実務ではHz、理論解析ではrad/sが標準的な使い方です。
2πという係数の意味(1サイクル=2πラジアン)を理解することで、両単位の換算を自信を持って行えるようになるでしょう。