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三角形の内心とは?性質や求め方や外心や重心との関係・違いも!【内心比:ベクトルや角度も:abcの内心をi】

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「三角形の内心って、どこにある点のこと?」と疑問に感じたことはありませんか?内心は三角形の五心のひとつで、内接円の中心として定義される特別な点です。外心や重心と混同されやすいですが、求め方も性質もまったく異なります。

内心は3つの角の二等分線の交点であり、常に三角形の内部に存在します。この性質を使うと、角度に関する問題や内接円の半径を求める問題をスムーズに解くことができます。ベクトルや座標を使った求め方も含め、高校数学の図形問題で頻繁に登場するテーマです。

この記事では、三角形の内心とは?性質や求め方や外心や重心との関係・違いも!【内心比・ベクトルや角度も・abcの内心をI】というテーマに沿って、内心の定義と基本性質から角度の公式、ベクトルでの表し方、他の心との比較まで、丁寧に解説していきます。

目次

三角形の内心の定義と基本性質を結論から押さえよう

それではまず、内心の定義と知っておくべき基本性質の全体像について解説していきます。

三角形の内心 I とは、三角形の3つの内角の二等分線の交点のことです。この点は三角形に内接する円(内接円)の中心になります。すべての三角形に内接円は必ず存在し、内心はただ1つに定まります。

内心の定義と基本性質
内心 I は三角形の3つの角の二等分線の交点である。
内心 I から3辺 BC、CA、AB までの距離はすべて等しい。
この等しい距離が内接円の半径 r になる。また、内心は三角形の種類に関わらず、常に三角形の内部に存在します。

「3頂点からの距離が等しい」のが外心、「3辺からの距離が等しい」のが内心です。この対比を意識しておくと、両者を混同せずに済みます。

内心の作図の手順

内心を作図で求めるには、角の二等分線を利用します。3つすべての角の二等分線を引く必要はなく、2つの角の二等分線の交点で内心が決まります。

内心の作図手順
ステップ1)頂点Aの角の二等分線を引く
ステップ2)頂点Bの角の二等分線を引く
ステップ3)2本の交点が内心 I(確認のため3本目の二等分線を引くと、同じ点を通ることが確かめられます)

角の二等分線の作図はコンパスを使って行います。頂点に中心を置いて弧を描き、その交点から等距離の点を結ぶという手順が基本です。

内接円の半径の求め方

内接円の半径 r は、三角形の面積 S と3辺の長さ a、b、c を使って求められます。

内接円の半径の公式
S = r × (a + b + c) / 2
r = 2S / (a + b + c)(S は三角形の面積、a+b+c は周の長さ)この式は「三角形を内心から3頂点に結んで3つの小三角形に分割すると
それぞれの面積が r×辺/2 になる」ことから導けます。

例)3辺が 6、8、10 の直角三角形の内接円の半径
面積 S = (1/2) × 6 × 8 = 24cm²
周の長さ = 6 + 8 + 10 = 24cm
r = 2 × 24 / 24 = 2cm

直角三角形の内接円の半径の特別公式

直角三角形では、内接円の半径をさらにシンプルな式で表せます。

直角三角形(直角を挟む辺 a、b、斜辺 c)の内接円の半径
r = (a + b - c) / 2例)3・4・5 の直角三角形
r = (3 + 4 - 5) / 2 = 2/2 = 1cm

この公式は直角三角形限定の特別版です。斜辺が含まれる点が通常の公式との違いになります。

内心と角度の公式・内心比を確認しよう

続いては、内心に関する角度の公式と、内心を使った辺の比(内心比)を確認していきます。

内心がからむ角度の問題は、公式を知っているかどうかで解きやすさが大きく変わります。しっかり整理しておきましょう。

内心と角度の基本公式

△ABCの内心を I とするとき、∠BIC・∠AIC・∠AIB はそれぞれ次の公式で求められます。

内心と角度の公式
∠BIC = 90° + (1/2)∠BAC
∠AIC = 90° + (1/2)∠ABC
∠AIB = 90° + (1/2)∠ACBつまり「内心を頂点とする角 = 90° + 対角の半分」です。

この公式は、角の二等分線の性質と三角形の内角の和(180°)から導くことができます。

∠BIC の導き方
△BICにおいて
∠IBC = (1/2)∠ABC、∠ICB = (1/2)∠ACB
∠BIC = 180° - ∠IBC - ∠ICB
= 180° - (1/2)(∠ABC + ∠ACB)
= 180° - (1/2)(180° - ∠BAC)
= 90° + (1/2)∠BAC
例)∠BAC = 60°のとき
∠BIC = 90° + 30° = 120°例)∠BAC = 80°のとき
∠BIC = 90° + 40° = 130°

内心比(内心の位置ベクトルの係数比)

△ABCの内心 I を3頂点A、B、Cの位置ベクトルで表すとき、その係数の比が内心比です。

△ABCで3辺の長さを
a = BC、b = CA、c = AB とするとき
内心 I の位置ベクトル→OI = (a×→OA + b×→OB + c×→OC) / (a + b + c)係数の比は a 対 b 対 c(各頂点の対辺の長さの比)

内心の係数は対辺の長さ(a、b、c)に比例します。重心の係数が常に1対1対1であるのとは大きく異なります。この違いを覚えておくことが重要です。

具体的な内心比の計算例

例)△ABCで a = BC = 5、b = CA = 6、c = AB = 7 のとき
内心 I の位置ベクトル
→OI = (5×→OA + 6×→OB + 7×→OC) / (5+6+7)
= (5→OA + 6→OB + 7→OC) / 18A、B、C に対する係数の比 = 5 対 6 対 7

「どの頂点の係数がどの辺の長さに対応するか」を間違えやすいので、「Aの係数はAの対辺 BC の長さ a」という対応をしっかり確認してから代入しましょう。

内心・外心・重心の関係と違いを比較しよう

続いては、内心と混同されやすい外心・重心との性質の違いと、それぞれの求め方の比較を確認していきます。

三角形の五心はそれぞれ定義がまったく異なります。問題文に「三角形の○心」と出てきたとき、瞬時に正しい性質と求め方が浮かぶようにしておくことが大切です。

内心・外心・重心の定義と性質の一覧

名称 定義 求め方 位置
内心 I 内接円の中心 3角の二等分線の交点 常に内部
外心 O 外接円の中心 3辺の垂直二等分線の交点 鋭角→内部、直角→辺上、鈍角→外部
重心 G 三角形の重さの中心 3本の中線の交点 常に内部
垂心 H 高さの交点 3本の垂線(高さ)の交点 鋭角→内部、直角→頂点、鈍角→外部

内心と重心はどちらも常に三角形の内部にある点です。内心は「角の二等分線」、重心は「中線(頂点と対辺の中点を結ぶ線)」という求め方の違いが最大のポイントです。

重心の位置ベクトルとの比較

ベクトルで表したとき、重心と内心では係数が異なります。この違いは非常に重要です。

重心 G の位置ベクトル
→OG = (→OA + →OB + →OC) / 3
係数の比 = 1 対 1 対 1(常に等しい)内心 I の位置ベクトル
→OI = (a×→OA + b×→OB + c×→OC) / (a+b+c)
係数の比 = a 対 b 対 c(対辺の長さに比例)

正三角形のように a = b = c のとき、内心と重心は一致します。正三角形では外心・内心・重心・垂心がすべて同じ点になる美しい性質があります。

各心の角度に関する公式の比較

外心・内心に関する角度の公式を対比してまとめておきましょう。

∠BAC = A とするとき

外心 O による公式
∠BOC = 2A(中心角は円周角の2倍)
(∠BAC が鈍角の場合 ∠BOC = 360°-2A)

内心 I による公式
∠BIC = 90° + A/2

外心は「2倍」、内心は「90°+半分」と覚えましょう。

「外心は2倍、内心は90°プラス半分」

という語呂感覚で両方をセットで記憶しておくと、試験でも迷わずに公式を引き出せます。

内心を使った応用問題の解き方を押さえよう

続いては、内心の性質を活用した応用問題の典型パターンを確認していきます。

内心の問題は「性質の組み合わせ方」が得点の鍵です。角度・面積・ベクトルのそれぞれの視点から解き方を整理しておきましょう。

角度から内心の位置や内接円の半径を求める問題

例)△ABCで∠A = 50°、∠B = 70°のとき
∠BIC を求めよ∠C = 180° - 50° - 70° = 60°
∠BIC = 90° + (1/2) × 50° = 90° + 25° = 115°

例)3辺が a = 7、b = 8、c = 9 の三角形の内接円の半径

ヘロンの公式で面積を求める
s = (7+8+9)/2 = 12
S = √(12×5×4×3) = √720 = 12√5

r = 2S / (a+b+c) = (2×12√5) / 24 = √5

ヘロンの公式と内接円の半径の公式を組み合わせる問題は、高校数学の定番パターンです。

ベクトルで内心の位置を求める問題

例)△OABで OA = 4、OB = 3、AB = 5 のとき
内心 I を→OA = →a、→OB = →b で表せ各辺に対応する係数
Oの対辺 AB = 5 → Oの係数 5
Aの対辺 OB = 3 → Aの係数 3
Bの対辺 OA = 4 → Bの係数 4→OI = (5×→O + 3×→OA + 4×→OB) / (5+3+4)
= (3→a + 4→b) / 12
= (1/4)→a + (1/3)→b

原点Oが頂点のときは「O の位置ベクトルは→0(ゼロベクトル)」なので、O に対応する項は消えます。原点が頂点の場合は係数が分母に残るだけで式がシンプルになります。

内心を含む面積の分割問題

△ABCの内心を I とするとき
△IBCの面積 対 △ICA の面積 対 △IABの面積各三角形の面積 = (1/2) × 辺 × r
△IBC = (1/2) × a × r
△ICA = (1/2) × b × r
△IAB = (1/2) × c × r面積比 = a 対 b 対 c(内心比と一致)

内心から3辺への距離がすべて r で等しいため、内心を頂点とする3つの小三角形の面積比は対辺の長さの比(a対b対c)に等しくなります。内心比と面積比が一致するというこの関係は、問題を解くうえで非常に役立ちます。

まとめ

この記事では、三角形の内心とは?性質や求め方や外心や重心との関係・違いも!【内心比・ベクトルや角度も・abcの内心をI】というテーマで、内心の定義から角度の公式、ベクトルでの表し方、他の心との比較、応用問題の解き方まで幅広く解説しました。

内心の最重要ポイントをまとめると、内心 I は3つの角の二等分線の交点であり、3辺からの距離がすべて等しい点(内接円の半径 r)です。位置は三角形の種類に関係なく常に内部です。

角度の公式は「∠BIC = 90° + (1/2)∠A」、ベクトルでの表現は「係数が対辺の長さ a、b、c に比例」、内接円の半径は「r = 2S/(a+b+c)」と整理できます。外心の「2倍」、内心の「90°プラス半分」という対比を意識すると混同を防げます。

内心の性質を正しく使いこなすことで、角度・面積・ベクトルのあらゆる図形問題に対応できるようになります。今回の内容を何度も確認して、自信を持って内心の問題に取り組んでいきましょう。