ビジネスシーンにおいて、公的文書を書く場合などは、適切な日本語表現をとれた方がよいですね。
ただ、実際には形容詞の用法など、どのように使い分けをすべきか曖昧な言葉も多くあります。
例えば、「傾向」に続く言葉として「高い」「大きい」「多い」「強い」では、どれがふさわしいのか、またその使い分けなど、迷った経験はないでしょうか。
そこで、ここではどれがふさわしい表現なのか、またその使い分けなどについて詳しく解説していきます。
目次
「傾向」が高い、大きい、多い、強い、どの言い回しにするべきか【低い、小さい、少ない、弱い】
結論として「傾向」に続く表現としては「高い」が最も適していて一般的に使用されています。「大きい」や「強い」も正しい表現です。
「多い」は「傾向」との組み合わせではあまり使用されません。
具体的な理由について、以下で確認していきましょう。
「傾向」はある物事の動向や流れ、またはそれに向かう性質を表す言葉です。
傾向が「高い」は正しい表現であり、非常によく使われます。一般的な傾向の度合いを表すのに適しています。
また、傾向が「強い」も正しい表現でよく使用されます。
傾向が「大きい」も正しい表現ですが、「高い」ほど頻繁には使用されません。
この他にも「傾向が見られる」「傾向が顕著だ」「傾向が加速する」といった表現も適切で、一般的に広く使われています。
また、この対義語として「低い」「小さい」「弱い」「少ない」といった表現についても、確認しておきましょう。
傾向が「低い」や「弱い」は正しい表現で、よく使用されます。
傾向が「小さい」も正しい表現ですが、「低い」「弱い」ほど頻繁には使用されません。
傾向が「少ない」はほとんど使用されません。
この他の表現として「傾向が薄れる」「傾向が弱まる」「傾向が減速する」などが広く使用されます。これらの表現も一緒に覚えておきましょう。
総じて「高い」「強い」とその対義語の「低い」「弱い」が最も一般的で適切な表現です。
「大きい」「小さい」も使用されますが、特定の文脈や強調したい点がある場合に選択されることが多いです。
傾向が高い、大きい、強い (低い、小さい、弱い)の例文
最後に例文を用いて「傾向が高い、大きい、強い(低い、小さい、弱い)」の使い方を確認していきましょう。
・近年、健康志向の傾向が高まっている。
・都市部への人口流入の傾向が大きい。
・若者のSNS依存の傾向が強い。
・この地域では、犯罪率の傾向が低い。
・高齢化社会において、出生率の傾向が小さい。
・経済成長の傾向が弱いため、景気対策が求められている。
その他の表現例
・オンラインショッピングの利用傾向が顕著だ。
・グローバル化の傾向が加速している。
・この業界では、M&Aの傾向が見られる。
・ペーパーレス化の傾向により、紙の消費量が減っている。
・少子高齢化の傾向が進むにつれ、社会保障費が増大する。
・市場の変化に伴い、この商品への需要の傾向が薄れつつある。
まとめ:傾向に続くのは「高い」「大きい」「強い」
ここまで「傾向」に続く形容詞として「高い」「大きい」「強い」が適していることについて解説しました。
これからもあいまいな日本語について、適切な表現を学んでいきましょう(^^♪