私たちが生活している中でよく「はやい」という言葉を使用することがありますよね。
多くの人は、なんとなくのニュアンスで「はやい」の意味を理解していると思いますが、漢字に変換した際「早い」と「速い」の使い分けを厳密にわかっている人はあまりいません。あなたは、これらの違いについてきちんと理解していますか。
ここでは、例文を用いて「速いと早いの違いや使い分け」について解説していきます。
目次
速いと早いの違い
まず、具体例について考える前に、速いと早いの意味の違いについて確認していきます。
まず速いとは、速さ、速度などの言葉からも使われていることからわかるように、いわゆる「速度が大きい」「かかる時間が短い」などの意味をもちます。
例えば、足が速いといえば、いわゆる徒競走、かけっこが速い、移動速度が速いという意味を持つわけです。
一方で、早いとは、早朝などの言葉からもわかるように、「時刻として基準よりも前である」「開始してからの経過時間がそこまで大きくない」などの意味をもつわけです。
つまり上で解説したら「足がはやい」という用語において、「足が早い」と書いているのであれば、「食べ物などにおいて腐りやすい(他の腐りにくいものと比較してはやい)」と全く違う意味をもつわけです。
なお、私のイメージとしては、速いは論理的なはやい、早いは抽象的なはやいというようなニュアンスで捉えています。
それでは以下で例文を用いて、速いと早いの違いについて確認していきます。
速いと早いの使い分け(分別)
それでは、さまざまなパターンの「はやい」の具体例を考え、「早い」と「速い」の使い分けについて考えていきましょう。
計算が早い?速い?
まずは計算が「はやい」について考えていきましょう。
計算においては、基本的に「問題を解く速度」のことを意味しているため、計算が速いと使います。
「計算が早い」とは普通は表現しないので、きちんと使い分けられるよう意識しておきましょう。
乾きが速い?早い?
続いて、乾きに関する「はやい」の使い分けを考えていきましょう。
こちらの「乾きがはやい」という用語を考える際、基本的には「乾く速度がはやい」という意味で使用するため、「乾きが速い」と書きます。
ただ、「はやく乾かす」の場合では、早朝などに乾かす場合の「早くに乾かす」という意味や、乾燥機などを利用してはやい速度で乾かす「速く乾かす」などの違いがあります。
これらは文脈などからどちらの意味で使用されているか確認した上で、使い分けていきましょう。
仕事が早い?速い?
続いて、仕事が「はやい」について考えていきましょう。
次の日の仕事が朝早くからある場合などでは、「仕事が早い」のように使用します。
一方で、「仕事の処理速度がはやい」「仕事ができる」という意味であれば、「仕事が速い」を使うのが基本です。
成長が速い?早い?
続いて、成長について考えていきましょう。
成長がはやいは意外に使い分けが難しい用語の一つといえます。
実際のところ、成長する速度が速いという意味で使われるため「成長が速い」と考える方が基本です。そのため、辞書的にはこちらの「速い」の方が妥当と言えるわけです。
だだ今では「成長が早い」と書く方の割合も少なからずいます。
このあたりは使い分けというよりも、慣習的なものが大きいといえますので、速いと早いの、使い分けにこだわりを持ちすぎないのも、大切といえるわけです。
時の流れが早い?速い?
続いて、よく時の流れがはやいなどと表現しますがこちらについても考えていきましょう。
こちらも上の、成長がはやいと考え方は似ています。
つまり、時の流れの速度が大きいことを表現したいので、本来の使用方法ですと「時の流れが速い」となるわけです。
ただ、こちらも時の流れが早いと書く人がかなりの割合います。これも、慣習的な影響と言えるため、違いについては厳密に考えない方がいいでしょう。
長期的な用語に対する「はやい」では、すべて「早い」を使うと考えている人が多いのかもしれませんね。
足が速い?早い?
ただ、状況によって使用する漢字が違うものもあります。
例えば、上述のように足がはやいの場合では、速度であるために「足が速い」と書くわけです。一方で、食べ物の足がはやい、つまり腐りやすいことを表すには、「足が早い」と記載するわけです。
様々な例文を通して、早い、速いの違いや使い分けの理解を深めていきましょう。