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ガラス転移温度の一覧は?材料ごとの数値をまとめて解説!(プラスチック・樹脂:ゴム:代表的な物質の値など)

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プラスチックやゴム、ガラスなどの材料を扱っていると、必ずと言っていいほど耳にする言葉がガラス転移温度です。

製品設計や材料選定の現場では、この数値ひとつで製品の耐熱性や柔軟性、寿命までもが左右されます。

とはいえ、材料ごとにガラス転移温度がどれくらい違うのか、一覧でパッと確認できる資料は意外と少ないもの。

本記事では、プラスチック・樹脂、ゴム、そのほかの代表的な物質まで、ガラス転移温度の数値をまとめて一覧化しました。

あわせて、ガラス転移温度とは何か、測定方法や製品設計への影響、数値を読み解くときの注意点についても詳しく解説していきます。

ガラス転移温度の一覧を知りたい方はもちろん、材料選定の実務に役立てたい方もぜひ参考にしてください。

目次

結論からお伝えします。主要材料のガラス転移温度一覧表

それではまず、ガラス転移温度の一覧について結論からお伝えしていきます。

結論として、ガラス転移温度は材料の種類によって氷点下150度近くから200度近くまで、非常に幅広い分布を示します。

プラスチック・樹脂系は室温付近からやや高温にかけて分布する傾向があり、ゴム系は逆に室温よりもかなり低い温度に集中しているのが特徴です。

下記の一覧表に、代表的な材料のガラス転移温度をシーン別にまとめました。

実際の数値は、分子量や添加剤、測定条件によって前後することがある点にはご注意ください。

ガラス転移温度は同じ材料名であっても、メーカーや配合、測定方法によって数値が変わることがあります。

一覧表の数値はあくまで代表値としてとらえ、正確な数値が必要な場合はメーカーの技術資料や実測データを確認するのが安心です。

プラスチック・樹脂のガラス転移温度一覧

まずは、私たちの身のまわりで多く使われているプラスチック・樹脂のガラス転移温度を見ていきましょう。

材料名 略称 ガラス転移温度の目安
低密度ポリエチレン LDPE マイナス120度からマイナス90度
ポリプロピレン PP マイナス20度から0度
ポリ塩化ビニル PVC 約80度
ポリスチレン PS 約100度
ポリエチレンテレフタレート PET 約70度から80度
ポリカーボネート PC 約150度
アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル) PMMA 約105度
ABS樹脂 ABS 約100度から110度
ナイロン6 PA6 約50度
ナイロン66 PA66 約60度から70度
ポリアセタール POM 約マイナス60度
ポリフェニレンサルファイド PPS 約90度
ポリエーテルエーテルケトン PEEK 約143度
ポリ乳酸 PLA 約60度
エポキシ樹脂(硬化後) EP 約60度から150度
フェノール樹脂 PF 約150度前後

ゴムのガラス転移温度一覧

続いては、ゴム材料のガラス転移温度を確認していきます。

ゴムは常温でやわらかく弾性があることが求められるため、ガラス転移温度は総じて低めに設計されています。

材料名 略称 ガラス転移温度の目安
天然ゴム NR 約マイナス70度
ブタジエンゴム BR 約マイナス100度
スチレンブタジエンゴム SBR 約マイナス60度
クロロプレンゴム CR 約マイナス40度
ニトリルゴム NBR 約マイナス30度からマイナス20度
ブチルゴム IIR 約マイナス60度
シリコーンゴム Q 約マイナス120度
フッ素ゴム FKM 約マイナス20度

代表的な物質のガラス転移温度一覧

最後に、プラスチックやゴム以外の代表的な物質についても見ておきましょう。

物質名 ガラス転移温度の目安
ソーダ石灰ガラス(一般的な窓ガラス) 約500度から600度
石英ガラス 約1200度
アモルファスシリコン 約500度前後
天然ゴム系接着剤 約マイナス60度から マイナス70度
アスファルト(結合材) 約マイナス20度から0度

こうして並べてみると、材料ごとのガラス転移温度の幅広さがよく分かるのではないでしょうか。

同じ樹脂でも配合や添加剤によって数値が変動するため、あくまで目安としてご活用ください。

そもそもガラス転移温度とは何か

続いては、そもそもガラス転移温度とは何かについて確認していきます。

ガラス転移温度とは、アモルファス(非結晶)状態の材料が、硬くてもろいガラス状態から、やわらかいゴム状の状態へと変化する境目の温度のことです。

英語のGlass Transition Temperatureの頭文字をとって、Tgと表記されることも多くあります。

材料は温度が低いうちは分子の動きが凍結されたように固定されており、硬くもろい性質を示します。

そこから温度が上がっていくと、ある温度を境に分子鎖が動きやすくなり、急に柔軟性が増していく現象が起こります。

この境目こそが、まさにガラス転移温度なのです。

定義と物理的な意味

物理的には、ガラス転移温度は材料の比熱や体積、弾性率といった物性値が急激に変化する温度域として定義されます。

結晶のように明確な融解ではなく、あくまで連続的な変化であることがポイントでしょう。

そのため、ガラス転移温度は融点のようにピンポイントの一点ではなく、ある程度の幅を持った温度域として扱われることも少なくありません。

ガラス転移温度と融点の違い

ガラス転移温度とよく混同されやすい用語に融点があります。

融点は結晶構造を持つ材料が固体から液体へと変化する温度であり、明確な相変化を伴うものです。

一方でガラス転移温度は、非晶質の部分がやわらかくなる現象であり、固体から液体への相変化ではありません。

結晶性の高い樹脂の場合は、ガラス転移温度と融点の両方が存在することもあります。

例えばポリエチレンテレフタレートの場合、ガラス転移温度は約70度から80度であるのに対し、融点は約255度前後です。

このように、同じ材料でもガラス転移温度と融点は大きく異なる数値になります。

ガラス転移温度が生じるメカニズム

ガラス転移温度が生じる背景には、高分子鎖のミクロブラウン運動と呼ばれる分子レベルの動きが関係しています。

温度が低い状態では、分子鎖同士が絡まり合ったまま動けず、外力を加えても変形しにくい状態です。

温度が上昇していくと、分子鎖のセグメント単位での動きが活発になり、材料全体としての柔軟性が急激に増していきます。

この分子運動の活発化こそが、硬いガラス状態からゴム状態への変化を引き起こす正体なのです。

ガラス転移温度の測定方法

続いては、ガラス転移温度を実際にどうやって測定するのかを確認していきます。

ガラス転移温度は目視では判断できないため、専用の測定装置を用いて数値化するのが一般的です。

代表的な測定方法として、DSC、DMA、TMAという三つの手法が広く使われています。

DSC(示差走査熱量測定)

DSCとは、試料と基準物質に同じ熱を加えたときの熱量差から、材料の状態変化を検出する測定方法です。

ガラス転移が起こると比熱が変化するため、DSCの測定曲線上にベースラインのシフトとして現れます。

比較的少量のサンプルで測定でき、樹脂メーカーの技術資料でもよく採用されている手法でしょう。

DMA(動的粘弾性測定)

DMAは、試料に周期的な力を加えながら温度を変化させ、材料の弾性率や粘性挙動を測定する方法です。

ガラス転移点付近では、貯蔵弾性率が大きく低下し、損失正接(タンデルタ)がピークを示します。

このタンデルタのピーク温度をガラス転移温度として定義するケースも多く見られます。

TMA(熱機械分析)

TMAは、試料に一定の荷重をかけた状態で温度を変化させ、寸法変化を測定する方法です。

ガラス転移温度を境に熱膨張係数が変化するため、その屈曲点からガラス転移温度を読み取ります。

装置や測定方法によって得られる数値がわずかに異なることがあるため、比較する際は測定条件をそろえることが重要です。

ガラス転移温度が製品設計に与える影響

続いては、ガラス転移温度が実際の製品設計にどう影響するのかを確認していきます。

ガラス転移温度は単なる物性値のひとつではなく、製品の使用環境や耐久性を左右する重要な設計指標です。

耐熱性との関係

ガラス転移温度が低い樹脂は、比較的低い温度でも軟化しやすく、荷重がかかると変形するリスクがあります。

そのため、高温環境で使用される部品には、ガラス転移温度が高い樹脂が選ばれる傾向にあるのです。

自動車のエンジンルーム周辺の部品などは、その典型例と言えるでしょう。

柔軟性・脆さとの関係

使用温度がガラス転移温度より低い場合、材料は硬くてもろい状態にあります。

逆に使用温度がガラス転移温度より高い場合は、材料はやわらかく変形しやすい状態です。

冬場にプラスチック製品が割れやすくなるのは、まさにこのガラス転移温度が関係している現象でしょう。

屋外で使用する製品を設計する際は、想定される最低使用温度がガラス転移温度を下回らないかを必ず確認することが大切です。

この確認を怠ると、寒冷地での破損や割れといったトラブルにつながるおそれがあります。

用途選定時の注意点

製品の使用温度範囲とガラス転移温度の関係を把握しないまま材料を選ぶと、思わぬ不具合につながります。

常温付近で使う製品なのか、高温環境で使う製品なのか、まずは使用シーンを明確にすることが第一歩です。

そのうえで、一覧表を参考にしながら適切なガラス転移温度を持つ材料を選定していきましょう。

ガラス転移温度を左右する要因

続いては、ガラス転移温度がどのような要因によって変化するのかを確認していきます。

同じ樹脂名であっても、配合や構造によってガラス転移温度は大きく変わることがあります。

分子構造(架橋密度・分子量)

分子鎖が動きにくいほど、ガラス転移温度は高くなる傾向にあります。

架橋密度が高い熱硬化性樹脂は、分子鎖の動きが強く拘束されるため、一般にガラス転移温度も高めです。

分子量が大きくなるほど分子鎖同士の絡み合いが増え、ガラス転移温度も上昇しやすくなります。

可塑剤の添加

可塑剤とは、樹脂の分子鎖の間に入り込んで動きやすくする添加剤のことです。

可塑剤を添加すると、分子鎖の運動を妨げていた力が弱まり、ガラス転移温度は低下します。

塩化ビニル製品が硬質と軟質に分かれるのは、この可塑剤の添加量の違いによるものでしょう。

結晶化度との関係

結晶性樹脂の場合、結晶部分と非晶部分が混在した構造を持っています。

結晶化度が高くなるほど非晶部分の運動が制限され、ガラス転移温度がわずかに上昇することがあります。

ただし、結晶化度がガラス転移温度に与える影響は、可塑剤の添加や分子量の変化ほど大きくはありません。

ガラス転移温度データを活用する際の注意点

続いては、一覧表の数値を実務で活用する際の注意点を確認していきます。

測定条件による数値のばらつき

ガラス転移温度は、昇温速度や測定方法によって数値が変動することが知られています。

昇温速度が速いほど、見かけ上のガラス転移温度は高めに算出される傾向にあるのです。

そのため、複数の材料を比較する際は、できるだけ同じ測定条件のデータを使うことが望ましいでしょう。

メーカー公表値と実測値の違い

カタログやデータシートに記載されているガラス転移温度は、あくまで標準的な条件下での代表値です。

実際の製品では、成形条件や添加剤の配合によって数値がずれることも珍しくありません。

重要な部品に使用する場合は、公表値を鵜呑みにせず、実測データで確認するのが安心です。

複合材料の場合の考え方

繊維強化樹脂やブレンド樹脂のような複合材料では、単一のガラス転移温度で語れないケースがあります。

マトリックス樹脂と強化材、それぞれの界面状態によっても挙動が変わることがあるからです。

複合材料を扱う場合は、一覧表の数値をそのまま当てはめず、実際の材料構成に応じた確認が欠かせません。

例えばガラス繊維強化ナイロンの場合、ベース樹脂であるナイロン単体よりも見かけの耐熱性が向上することがあります。

これは強化繊維がマトリックス樹脂の変形を物理的に抑える効果によるものです。

まとめ

今回は、ガラス転移温度の一覧について、プラスチック・樹脂、ゴム、代表的な物質の数値をまとめて解説してきました。

ガラス転移温度とは、材料が硬いガラス状態からやわらかいゴム状態へと変化する境目の温度のことです。

プラスチック・樹脂は室温付近から高温にかけて分布し、ゴムは室温よりもかなり低い温度に分布する傾向があります。

製品設計においては、使用環境の温度がガラス転移温度を上回るか下回るかによって、材料の硬さや柔軟性が大きく変わる点が重要でしょう。

今回紹介した一覧表はあくまで目安であり、実際の設計や材料選定では、メーカーの技術資料や実測データもあわせて確認することをおすすめします。

ガラス転移温度への理解を深めて、より適切な材料選定に役立てていただければ幸いです。

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