ファイルを保存しようとしたときに「ファイルサイズが制限を超えています」というエラーに遭遇したことはないでしょうか。
コンピューターのファイルシステムや各種オンラインサービスには、扱えるファイルの最大サイズが設定されており、これを超えると保存やアップロードができなくなります。
ファイルシステム(NTFS・FAT32・exFATなど)ごとに上限が異なるほか、GitHubやBox・Slackなどのクラウドサービスにも独自の制限があります。
本記事では、主要なファイルシステムのファイルサイズ上限と、GitHubやBox・Slackなど代表的なクラウドサービスの制限を一覧で解説するとともに、制限を超えた場合の対処法も詳しくご紹介します。
目次
ファイルシステムごとのファイルサイズ上限とその背景
それではまず、OSやストレージで使われる主要なファイルシステムのファイルサイズ上限と、その技術的な背景について解説していきます。
主要ファイルシステムのファイルサイズ上限一覧
ファイルシステムとは、ストレージ上でファイルを管理するための仕組みのことで、それぞれにファイルサイズや総容量の上限が設定されています。
| ファイルシステム | 最大ファイルサイズ | 最大ボリューム容量 | 主な利用環境 |
|---|---|---|---|
| FAT32 | 4 GB − 1バイト(約4GB) | 32 GB(Windows)〜2 TB | USBメモリ・古いデバイス |
| exFAT | 16 EB(実質無制限) | 128 PB | SDカード・外付けドライブ |
| NTFS | 16 TB(理論値16 EB) | 256 TB(実用上) | Windows内蔵ドライブ |
| APFS | 8 EB | 8 EB | Mac・iPhone(iOS 10.3以降) |
| ext4(Linux) | 16 TB | 1 EB | Linuxサーバー・デスクトップ |
| HFS+(旧Mac) | 8 EB | 8 EB | 旧macOS(High Sierra以前) |
EB(エクサバイト)は1EB = 1,024PB = 約100万TBという非常に大きな単位で、現実的にはほぼ無制限と考えてよいレベルです。
日常で最も問題になりやすいのはFAT32の4GB制限です。
FAT32の4GB制限の技術的背景
FAT32でファイルサイズが4GBまでに制限される理由は、ファイルサイズを記録するために使われているフィールドが32ビットで設計されているためです。
32ビットで表現できる最大の数値は2³² − 1 = 4,294,967,295で、バイト換算すると約4GBになります。
USBメモリの多くはFAT32でフォーマットされて出荷されるため、4GB以上の動画ファイルを保存しようとするとエラーになるケースが頻繁に発生します。
この場合の解決策は、USBメモリをexFATまたはNTFSでフォーマットし直すことです。
NTFSのファイルサイズ制限の詳細
NTFSの理論上の最大ファイルサイズは16EBですが、実用上はWindowsの実装制限により最大16TBが現実的な上限です。
NTFSはWindowsの内蔵ドライブで標準的に使われており、現在の一般ユーザーがファイルサイズ制限に達することはほぼありません。
4Kビデオの長時間録画やデータベースファイルなど、数十GB〜数百GBの大容量ファイルを扱う業務でも十分対応できます。
クラウドサービス・開発ツールのファイルサイズ上限
続いては、GitHub・Box・Slackなど代表的なクラウドサービスと開発ツールのファイルサイズ上限を確認していきます。
GitHubのファイルサイズ制限
GitHubはソースコードのバージョン管理サービスとして広く使われていますが、ファイルサイズに厳しい制限が設けられています。
| 項目 | 上限・制限内容 |
|---|---|
| 1ファイルの推奨サイズ | 50 MB以下 |
| 1ファイルのアップロード上限 | 100 MB |
| リポジトリの推奨サイズ | 1 GB以下 |
| GitHub LFSの対応 | ファイルあたり最大5 GB(有料プラン) |
GitHubで100MBを超えるファイルをプッシュしようとするとエラーになります。
動画・画像・機械学習モデルなど大容量のバイナリファイルはGit LFS(Large File Storage)を使って管理することが推奨されています。
ソースコード以外の大容量ファイルはGit LFSか外部ストレージで管理するのがGitHubの基本的な使い方です。
BoxとDropboxのファイルサイズ制限
クラウドストレージサービスのBox・Dropboxにもファイルサイズの上限があります。
| サービス名 | 無料プランの上限 | 有料プランの上限 |
|---|---|---|
| Box | 250 MB/ファイル | 最大150 GB/ファイル(Business Plus) |
| Dropbox | 50 MB(ウェブアップロード) | 最大100 GB(デスクトップアプリ経由) |
| Google Drive | 5 TB/ファイル | 5 TB/ファイル(共通) |
| OneDrive | 100 GB/ファイル(ウェブ) | 250 GB/ファイル(デスクトップアプリ) |
Boxは企業向けの大容量ファイル管理に強く、有料プランでは150GBまでのファイルを扱えます。
Google Driveは個人用途向けで5TBまでの大容量ファイルに対応しており、単一ファイルの制限としては最もゆるやかです。
Slackのファイルサイズ制限
ビジネスコミュニケーションツールのSlackにも添付ファイルのサイズ制限があります。
Slackの無料プランおよび有料プランにおいて、1ファイルあたりの添付上限は基本的に1ファイルあたり1GBです。
ただしワークスペース全体のストレージ上限は無料プランでは5GB(ワークスペース全体)、有料プランではメンバー数に応じた容量になります。
動画や大容量ファイルをSlackで共有する場合は、Google DriveやDropboxなどのリンクを貼る方法が推奨されています。
GitHubの1ファイル上限は100MB(推奨は50MB以下)、BoxはBusinessプランで最大150GB、Slackは1ファイルあたり1GBが目安です。大容量ファイルはGit LFSやクラウドストレージのリンク共有を活用しましょう。
FAT32の4GB制限への対処法と形式変換の手順
続いては、日常で最も頻繁に遭遇するFAT32の4GB制限への具体的な対処法を確認していきます。
USBメモリをexFATにフォーマットする手順
FAT32でフォーマットされたUSBメモリに4GB以上のファイルを保存したい場合は、exFATまたはNTFSに変換する必要があります。
WindowsでUSBメモリをexFATにフォーマットする手順
1. USBメモリをPCに接続
2. エクスプローラーでUSBメモリを右クリック→「フォーマット」を選択
3. 「ファイルシステム」のドロップダウンから「exFAT」を選択
4. 「クイックフォーマット」にチェックを入れ「開始」をクリック
5. 警告メッセージを確認して「OK」→フォーマット完了
注意点として、フォーマットを実行するとUSBメモリ内のデータがすべて削除されます。
事前に必要なデータをバックアップしてから実施してください。
exFATはWindowsとMacの両方で読み書きできるため、クロスプラットフォームでの使用に最適な形式です。
NTFSとexFATの使い分け
NTFSとexFATはどちらも4GB以上のファイルに対応していますが、用途によって使い分けることが推奨されます。
| 比較項目 | NTFS | exFAT |
|---|---|---|
| 最大ファイルサイズ | 16 TB | 実質無制限 |
| Windows対応 | ◯(読み書き) | ◯(読み書き) |
| Mac対応 | △(読み取りのみ) | ◯(読み書き) |
| Linux対応 | ◯(追加ドライバで) | ◯(カーネル5.4以降) |
| 適した用途 | Windows専用ドライブ | クロスプラットフォーム共有 |
MacとWindowsの両方で使うUSBメモリやSDカードにはexFATが最適です。
Windowsのみで使う内蔵・外付けドライブにはNTFSが安定性と機能の面でおすすめです。
大容量ファイルを分割して4GB制限を回避する方法
どうしてもFAT32のままのデバイスを使わなければならない場合や、フォーマット変更が難しい状況では、ファイルを分割して4GBの制限を回避する方法も使えます。
7-Zipなどのアーカイブツールを使うと、大容量ファイルを任意のサイズに分割して圧縮することができます。
7-Zipでファイルを分割圧縮する手順
1. 7-Zipをインストールして起動
2. 分割したいファイルを右クリック→「7-Zip」→「圧縮」を選択
3. 「分割サイズ」のドロップダウンから「3.99GB」などを選択
4. 「OK」をクリックして分割アーカイブを作成
5. 作成されたファイル(.7z.001・.7z.002…)をFAT32メディアにコピー
6. 受け取り側で7-Zipを使い.7z.001ファイルを展開して結合
この方法は手間がかかりますが、どうしてもFAT32を使わなければならない場合の回避策として有効です。
その他のサービスとファイルシステムの制限まとめ
続いては、その他の代表的なサービスのファイルサイズ制限と、システム管理での注意点を確認していきます。
動画・画像共有サービスのファイルサイズ制限
動画や画像の共有サービスにもそれぞれ独自の上限が設けられています。
| サービス | ファイルサイズ上限 | その他の制限 |
|---|---|---|
| YouTube | 256 GB | 動画の長さ15分(認証なし) |
| 写真30MB・動画4GB | 動画は最大60分 | |
| X(旧Twitter) | 動画512MB(有料512MB) | 無料は2分20秒まで |
| TikTok | 動画4GB | 最大60分(一部10分) |
| Imgur | 画像20MB・GIF200MB | 無料アカウントの場合 |
YouTubeは256GBまでと非常に大きな制限ですが、動画は通常数GB程度に収まることが多いため、実際の撮影・編集段階での上限は別途確認が必要です。
Linuxファイルシステムの上限とサーバー管理
Linuxのサーバー管理では、ファイルシステムの上限だけでなくulimitと呼ばれるシステムのリソース制限も考慮する必要があります。
「ulimit -f」コマンドでシェルセッション内でのファイルサイズ上限を確認・設定できます。
デフォルトでは制限がない(unlimited)設定になっていることが多いですが、一部のシステムでは1GB程度に設定されている場合があります。
大容量ファイルの生成が必要なバッチ処理などでは、ulimitの設定を事前に確認することがトラブル防止につながります。
ファイルシステム選択の実践的なガイドライン
用途に応じた適切なファイルシステムを選択するための実践的な基準をまとめます。
Windows PCの内蔵SSD・HDDはNTFS一択です。
MacとWindowsの両方で使う外付けドライブ・USBメモリはexFATが最適です。
Linuxサーバーの場合はext4が安定性・パフォーマンスのバランスが良く広く採用されています。
Mac専用のTimeMachineバックアップドライブにはAPFSが最適です。
古いゲーム機・家電・カーナビなどではFAT32のみ対応のケースがあるため確認が必要です。
まとめ
本記事では、システム上限のファイルサイズについて、NTFS・FAT32・exFATなどのファイルシステムの制限から、GitHub・Box・Slackなど代表的なクラウドサービスの上限まで詳しく解説しました。
最も日常で問題になりやすいのはFAT32の4GB制限で、USBメモリをexFATまたはNTFSにフォーマットし直すことで解決できます。
GitHubの1ファイル上限は100MB(推奨50MB以下)で、大容量ファイルはGit LFSの活用が推奨されます。
BoxやDropbox・Google Driveなどのクラウドサービスはプランによって上限が大きく変わるため、用途に合ったプランの選択が重要です。
ファイルシステムの選択はWindows専用ならNTFS、クロスプラットフォームならexFATが基本的なガイドラインです。
本記事の内容を参考に、システムやサービスごとの制限を把握してファイル管理をより効率的に行ってみてください。