地球一周の距離について正確に答えられるでしょうか。私たちが暮らしているこの惑星を一周する距離は、古くから人類が探求してきた重要な問いの一つです。
地球の赤道一周の距離は約4万75キロメートルであり、この数値は地球の大きさを実感する最も分かりやすい指標となっています。この記事では、地球一周の距離を様々な角度から解説し、その測定方法や歴史、さらには実際の移動時間についても詳しく説明していきます。
赤道一周と子午線一周の違い、測定の歴史、実際の移動手段での所要時間まで、地球一周に関する包括的な情報をお伝えします。
目次
地球一周の基本的な距離
それではまず、地球一周の距離を正確に理解するための基本情報について解説していきます。
赤道一周の正確な距離
地球の赤道一周の距離は、国際的に定められた値として40,075.017キロメートルとされています。約4万キロメートルと覚えておくと分かりやすいでしょう。
この数値は地球の赤道半径6378.137キロメートルから計算されます。円周の公式「2πr」(rは半径)を使うと、2×π×6378.137≒40,075キロメートルという計算になるのです。
より細かく見ると、赤道一周は40,075,017メートル、つまり約4000万メートルです。センチメートル単位では約40億750万センチメートルという途方もない長さになります。
子午線一周の距離
地球は完全な球体ではなく、わずかに扁平な回転楕円体の形をしています。そのため、赤道方向と極方向では地球の周囲の長さが異なるのです。
北極から南極を通って一周する距離、つまり子午線一周の距離は約4万8キロメートルです。より正確には40,007.863キロメートルとされています。
赤道一周:40,075.017km(約4万75km)
子午線一周:40,007.863km(約4万8km)
差:約67km
赤道一周の方が子午線一周よりも約67キロメートル長くなっています。これは地球が赤道方向に膨らんでいるためです。自転による遠心力の影響で、赤道付近が外側に押し出されているのでしょう。
メートルの定義との関係
実は「メートル」という単位の定義は、もともと地球の大きさに基づいて決められました。1791年、フランスの科学者たちは北極から赤道までの子午線の長さの1000万分の1を1メートルと定義したのです。
北極から赤道までは地球一周の4分の1ですから、約1万キロメートルです。これを1000万で割ると1メートルという長さが得られます。つまり、地球一周は約4000万メートルになるように設計されたのです。
| 区間 | 距離 | メートルとの関係 |
|---|---|---|
| 北極から赤道 | 約1万km | 1000万メートル |
| 子午線半周 | 約2万km | 2000万メートル |
| 子午線一周 | 約4万km | 4000万メートル |
現在では、メートルは光が真空中を299,792,458分の1秒間に進む距離として定義されていますが、歴史的には地球の大きさから決められた単位なのです。
地球一周の測定の歴史
続いては、人類がどのようにして地球一周の距離を測定してきたのか、その歴史を確認していきます。
エラトステネスの測定
地球一周の距離を最初に科学的に測定したのは、紀元前3世紀のギリシャの学者エラトステネスです。彼は太陽の高度の違いを利用して、驚くほど正確に地球の大きさを計算しました。
エラトステネスは、夏至の日の正午にエジプトのシエネ(現在のアスワン)では太陽が真上にあるのに対し、北方のアレクサンドリアでは太陽がわずかに傾いていることに着目しました。この角度の差が約7.2度であることを測定したのです。
2つの都市間の距離が約925キロメートルであることから、360度÷7.2度=50倍という計算で、地球一周は925×50=約46,250キロメートルと推定しました。
1. 夏至の日の太陽の高度差を測定(約7.2度)
2. 2都市間の距離を測定(約925km)
3. 360度を角度差で割って倍率を計算(50倍)
4. 距離×倍率で地球一周を推定(約46,250km)
この値は実際の値40,075キロメートルと比べると約15パーセント大きいですが、紀元前の測定としては驚異的な精度でした。誤差の主な原因は、2都市間の距離の測定が不正確だったことにあります。
フランスの子午線測量
18世紀末、フランスの科学者たちはメートル法を確立するために、パリを通る子午線の精密な測量を行いました。1792年から1798年にかけて、ダンケルク(北フランス)からバルセロナ(スペイン)までの子午線弧を測定したのです。
この測量には三角測量という方法が使われました。測量地点間の角度と一つの辺の長さを測定し、三角法を用いて距離を計算していく手法です。当時の最高の測量技術を駆使して、約7年間かけて測定が行われました。
この測量結果から、北極から赤道までの距離が約1万キロメートルと算出され、その1000万分の1が1メートルと定義されたのです。
現代の測定技術
現代では、人工衛星やGPS技術により、地球の形状は極めて高精度で測定されています。地球観測衛星は地球の表面を数センチメートルの精度で測定でき、地球の形状の微細な変化まで捉えられるのです。
国際測地学協会は、世界測地系として地球の形状を厳密に定義しています。現在使われているWGS84(世界測地系1984)では、赤道半径や扁平率が正確に定められ、GPSなどの測位システムの基準となっています。
| 時代 | 測定方法 | 精度 |
|---|---|---|
| 紀元前3世紀 | 太陽高度の測定 | 約15%誤差 |
| 18世紀 | 三角測量 | 約0.2%誤差 |
| 20世紀以降 | 人工衛星・GPS | センチメートル精度 |
現代の技術により、地球の形状は極めて正確に把握されており、プレートテクトニクスによる地殻変動や、氷床の融解による地球の形状変化まで監視されています。
地球一周を様々な方法で移動すると
次に、地球一周の距離を様々な移動手段で移動した場合の所要時間を見ていきましょう。
徒歩で地球一周
もし赤道に沿って徒歩で地球一周したとすると、どのくらいの時間がかかるでしょうか。一般的な歩行速度を時速5キロメートルとすると、約8015時間、つまり約334日かかる計算になります。
24時間休まず歩き続けても約1年近くかかる距離です。実際には休息や睡眠が必要ですから、1日8時間歩くとすると約3年かかることになるでしょう。
歴史上、実際に徒歩で地球一周に挑戦した人々もいます。ただし海を渡る必要があるため、完全な徒歩だけでは不可能であり、船や飛行機を組み合わせることになります。陸路だけを徒歩で移動した記録では、数年を要するケースが多いのです。
自転車や車での地球一周
自転車で地球一周する場合、平均時速20キロメートルとすると約2004時間、つまり約84日かかります。1日8時間走行するとすると約250日、つまり約8ヶ月という計算です。
実際に自転車で世界一周に挑戦する人々もおり、多くの場合、1年から2年程度で達成しています。休息日や観光、ビザの取得などを含めると、このくらいの期間が現実的でしょう。
徒歩(時速5km):約334日(24時間連続)
自転車(時速20km):約84日(24時間連続)
車(時速100km):約17日(24時間連続)
新幹線(時速300km):約5.6日(24時間連続)
飛行機(時速900km):約1.9日(44時間)
車で時速100キロメートルで走り続けると約401時間、つまり約17日かかります。実際の世界一周ドライブでは、道路状況や国境越え、休息などを含めて数ヶ月を要するでしょう。
飛行機やロケットでの地球一周
ジェット旅客機の巡航速度は時速約900キロメートルですから、地球一周には約45時間かかる計算になります。給油などを含めると、実際には約2日程度でしょう。
実際、世界一周フライトは多くの航空会社が提供しており、複数の都市を経由しながら2週間から1ヶ月程度で地球を一周できます。途中で観光などをせず、飛行機に乗り続けるだけなら数日で可能です。
国際宇宙ステーション(ISS)は地球を約90分で一周します。ISSの軌道高度は約400キロメートルで、速度は秒速約7.7キロメートル、時速に換算すると約2万7700キロメートルという超高速です。
| 移動手段 | 速度 | 地球一周の時間 |
|---|---|---|
| 徒歩 | 時速5km | 約334日 |
| 自転車 | 時速20km | 約84日 |
| 車 | 時速100km | 約17日 |
| 新幹線 | 時速300km | 約5.6日 |
| 飛行機 | 時速900km | 約45時間 |
| ISS | 時速27,700km | 約90分 |
ISSに乗っている宇宙飛行士は、1日に約16回も地球一周を経験していることになります。地上から400キロメートル上空を猛スピードで周回しながら、約90分ごとに日の出と日の入りを見ているのです。
地球一周を身近な距離で理解する
最後に、地球一周の距離を日常的な距離と比較して、そのスケールを実感する方法を見ていきます。
日本国内の距離と比較
地球一周約4万キロメートルという距離を、日本国内の距離と比較してみましょう。
東京から大阪までの距離は約500キロメートルですが、地球一周はその約80倍です。東京から大阪を80回往復すると、ようやく地球一周と同じ距離になります。
日本列島の長さは北端から南端まで約3000キロメートルですが、地球一周はその約13.4倍です。日本列島を13回以上縦断すると地球一周と同じ距離になる計算でしょう。
東京から沖縄までの直線距離は約1550キロメートルですが、地球一周はその約26倍です。東京から沖縄を26回往復すると地球一周に相当します。
マラソンと比較する
マラソンの距離は42.195キロメートルです。地球一周の距離は、マラソン約950回分に相当します。
もし毎日フルマラソンを走ったとすると、地球一周の距離を走破するには約950日、つまり約2年7ヶ月かかる計算です。これは想像を絶する距離でしょう。
・東京-大阪間の約80倍
・日本列島の約13.4倍
・マラソン約950回分
・東京-ニューヨーク間の約3.7倍
・月までの距離の約10分の1
東京からニューヨークまでの距離は約1万900キロメートルですが、地球一周はその約3.7倍です。太平洋を3回以上横断すると地球一周になります。
地球から月までの距離は約38万キロメートルですから、地球一周は月までの距離の約10分の1です。地球を10周すると、ようやく月まで到達できる計算になります。
時間での実感
地球一周の距離を時間で実感する方法もあります。光の速度で移動すると、地球一周にかかる時間は約0.13秒です。
光は1秒間に約30万キロメートル進みますから、地球一周の4万キロメートルは約7.5分の1秒で移動できる距離です。私たちが瞬きをする間に、光は地球を何周もできるのです。
音の速度(秒速約340メートル)で移動すると、地球一周には約33時間かかります。雷の光が一瞬で見えるのに対し、雷鳴が遅れて聞こえるのは、光と音の速度の差によるものでしょう。
| 速度 | 地球一周の時間 |
|---|---|
| 光速 | 約0.13秒 |
| 音速 | 約33時間 |
| 地球の自転速度(赤道) | 24時間 |
| 新幹線 | 約5.6日 |
| 徒歩 | 約334日 |
興味深いことに、地球の赤道上に立っている人は、地球の自転によってちょうど24時間で地球一周している計算になります。私たちは日常生活を送りながら、毎日地球一周の距離を移動しているのです。
まとめ 地球の円周は何キロの距離・長さか?【円周は何kmか】
地球一周の距離は赤道で約4万75キロメートル、より正確には40,075.017キロメートルです。子午線一周は約4万8キロメートルであり、赤道一周の方が約67キロメートル長くなっています。
この距離は紀元前3世紀にエラトステネスが初めて測定し、18世紀にフランスの科学者たちが精密測量を行い、現代では人工衛星により数センチメートルの精度で測定されています。メートルという単位は、もともと地球一周が4000万メートルになるように定義されました。
徒歩で24時間休まず歩き続けても約334日、飛行機なら約45時間、国際宇宙ステーションなら約90分で地球一周できます。この距離は東京-大阪間の約80倍、マラソン約950回分に相当し、光の速度なら約0.13秒で移動できる距離です。
地球一周という距離を知ることで、私たちが暮らす惑星の大きさと、宇宙における地球の位置づけがより実感できるでしょう。毎日地球の自転とともに一周している私たちにとって、この4万キロメートルという距離は、日常と宇宙をつなぐ重要な数値なのです。