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動粘度と粘度の違いは?換算方法も解説!(動粘性係数:絶対粘度:単位変換:Pa・s:関係式など)

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流体の性質を表す指標として、「粘度」という言葉はよく耳にするかと思います。

しかし、工学や化学の分野では「動粘度」と「粘度(絶対粘度)」という2つの概念が登場し、どちらを使えばよいのか混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。

この2つは似ているようで、定義・単位・用途がまったく異なります。

本記事「動粘度と粘度の違いは?換算方法も解説!(動粘性係数:絶対粘度:単位変換:Pa・s:関係式など)」では、動粘度と粘度(絶対粘度)の違いを基礎からわかりやすく解説し、換算方法・単位変換・関係式についても丁寧にご説明していきます。

流体工学・化学・製造業に携わる方はもちろん、これから学ぼうとしている方にもきっと役立つ内容です。

ぜひ最後までご覧ください。

目次

動粘度と粘度(絶対粘度)の違いは「密度を含むかどうか」

それではまず、動粘度と粘度(絶対粘度)の本質的な違いについて解説していきます。

結論からお伝えすると、動粘度と粘度(絶対粘度)の最大の違いは、「密度を考慮しているかどうか」という点にあります。

粘度(絶対粘度)は、流体がどれだけ流れにくいかを示す物性値であり、流体そのものの「粘り気」を表しています。

一方、動粘度はその粘度を流体の密度で割った値であり、流体が実際に運動するときの「流れやすさ」をより直感的に表現した指標です。

粘度(絶対粘度・動粘性係数との対比)とは

粘度は一般的に「絶対粘度」や「せん断粘度」とも呼ばれます。

これは、流体内部で隣り合う層がずれようとするときに生じる抵抗力(せん断応力)の大きさを示すものです。

国際単位系(SI単位)では、Pa・s(パスカル秒)が使われます。

古い単位系ではP(ポアズ)が使われていたため、文献によっては両方の単位が混在していることもあるので注意が必要です。

動粘度(動粘性係数)とは

動粘度は「動粘性係数」とも呼ばれ、絶対粘度を流体の密度で割ることで求められます。

SI単位では㎡/s(平方メートル毎秒)が用いられます。

動粘度は、流体の「慣性力に対する粘性力の比」を表しており、流体力学の計算や配管設計などで非常によく使われる指標です。

身近な例でいえば、水とオイルを比較したとき、密度の違いによって動粘度の大小関係が絶対粘度と逆転することもあります。

2つの違いを一目でわかる比較表

下記の表に、粘度(絶対粘度)と動粘度の主な違いをまとめました。

項目 粘度(絶対粘度) 動粘度(動粘性係数)
別名 せん断粘度・粘性係数 動粘性係数
SI単位 Pa・s(パスカル秒) ㎡/s(平方メートル毎秒)
旧単位 P(ポアズ)・cP(センチポアズ) St(ストークス)・cSt(センチストークス)
密度の考慮 含まない 含む(絶対粘度÷密度)
主な用途 素材・流体の物性評価 流体力学・配管設計・潤滑油設計

この表を参考に、目的や場面に応じて正しい粘度の概念を選ぶようにしましょう。

動粘度と粘度の関係式と単位変換の基本

続いては、動粘度と粘度(絶対粘度)の関係式と、単位変換の基本的な考え方を確認していきます。

この関係を正確に押さえておくことが、実務での計算ミスを防ぐうえで非常に重要です。

動粘度と絶対粘度の関係式

動粘度と絶対粘度の関係は、次のシンプルな式で表されます。

動粘度(ν)= 絶対粘度(μ)÷ 密度(ρ)

ν [㎡/s] = μ [Pa・s] ÷ ρ [kg/㎥]

この式からわかるように、同じ流体でも温度が変化すると密度が変わり、動粘度の値も変化します。

温度管理が重要な流体を扱う場合には、測定条件の温度を必ず確認するようにしてください。

また、逆に絶対粘度を求めたい場合は以下の式を使います。

絶対粘度(μ)= 動粘度(ν)× 密度(ρ)

μ [Pa・s] = ν [㎡/s] × ρ [kg/㎥]

密度さえわかれば、どちらの値からも相互に変換できます。

単位変換の早見表(Pa・s・cP・cSt・㎡/s)

実務では複数の単位系が混在することが多いため、単位変換を正確に行う必要があります。

以下の表に、主要な単位の換算関係をまとめました。

単位 種別 換算値
1 Pa・s 絶対粘度(SI) = 1000 mPa・s = 1000 cP
1 P(ポアズ) 絶対粘度(CGS) = 0.1 Pa・s = 100 cP
1 cP(センチポアズ) 絶対粘度(CGS) = 1 mPa・s = 0.001 Pa・s
1 ㎡/s 動粘度(SI) = 1×10⁶ cSt = 10⁴ St
1 St(ストークス) 動粘度(CGS) = 1×10⁻⁴ ㎡/s = 100 cSt
1 cSt(センチストークス) 動粘度(CGS) = 1×10⁻⁶ ㎡/s = 1 ㎜²/s

特に工業分野では cP(センチポアズ)と cSt(センチストークス)が頻繁に使われるため、この2つの単位の感覚は身につけておくと非常に便利です。

具体的な換算例で確認しよう

ここで、具体的な換算例を使って理解を深めていきましょう。

【例】水(20℃)の場合

絶対粘度(μ)≒ 1.002 mPa・s(= 1.002 cP ≒ 0.001 Pa・s)

密度(ρ)≒ 998 kg/㎥

動粘度(ν)= 0.001002 Pa・s ÷ 998 kg/㎥ ≒ 1.004×10⁻⁶ ㎡/s ≒ 1.004 cSt

このように、水の動粘度はおよそ1 cSt(センチストークス)となります。

この値は流体力学の教科書でも基準値としてよく登場するため、覚えておくと便利でしょう。

動粘度・粘度に関連する重要な概念と応用

続いては、動粘度や粘度に関連する重要な概念と、実際の応用場面を確認していきます。

粘度の概念は単独で使われることは少なく、レイノルズ数や流体の種類と組み合わせて理解することが求められます。

レイノルズ数と動粘度の関係

流体力学でよく登場する「レイノルズ数(Re)」は、流れが層流か乱流かを判断するための無次元数です。

このレイノルズ数の計算式には、絶対粘度ではなく動粘度が直接使われます。

Re = (流速 × 代表長さ)÷ 動粘度

Re = (U × L)÷ ν

U:流速 [m/s]、L:代表長さ [m]、ν:動粘度 [㎡/s]

レイノルズ数が小さいと層流(なめらかな流れ)、大きいと乱流(乱れた流れ)となります。

動粘度が大きい流体ほどレイノルズ数は小さくなり、層流になりやすい傾向があります。

ニュートン流体と非ニュートン流体

粘度を語るうえで外せないのが、流体の種類による分類です。

せん断応力と速度勾配が比例関係にある流体を「ニュートン流体」と呼び、水・空気・軽油などがこれに該当します。

一方、ケチャップ・マヨネーズ・ポリマー溶液などは「非ニュートン流体」と呼ばれ、せん断速度によって見かけの粘度が変化します。

動粘度や絶対粘度の概念は、基本的にニュートン流体に対して定義されるものであることを覚えておきましょう。

温度と粘度の関係

粘度は温度の影響を強く受けます。

一般的に、液体の粘度は温度が上がると低下し、気体の粘度は温度が上がると上昇するという逆の傾向を示します。

これはそれぞれの流体の分子運動のメカニズムが異なるためです。

潤滑油や食品、化学薬品を扱う現場では、温度管理が粘度管理に直結するため、温度依存性を常に意識した設計・運用が求められます。

動粘度・絶対粘度のどちらを使う場合でも、必ず「測定温度」を合わせて記録・参照することが重要です。

温度条件が異なるデータを比較すると、まったく異なる流体特性を示すことがあるため、温度の明記は実務において欠かせません。

動粘度と粘度の測定方法と実務での活用

続いては、動粘度と粘度(絶対粘度)の具体的な測定方法と、実務での活用例を確認していきます。

どちらの指標も、正確な測定なしには意味をなしません。

現場でよく使われる測定機器と手法を理解しておくことが大切です。

粘度計の種類と特徴

粘度の測定には、さまざまな粘度計が使われます。

以下の表に代表的な粘度計をまとめました。

粘度計の種類 測定対象 特徴
毛細管粘度計(オストワルド型など) 動粘度 透明な細管を流体が流れる時間を計測。低粘度流体に適している
回転粘度計 絶対粘度 回転体にかかるトルクから粘度を算出。高粘度・非ニュートン流体にも対応
落球粘度計 絶対粘度 球が流体中を落下する速度から粘度を求める。透明流体に使用
振動式粘度計 絶対粘度 センサーの振動減衰から粘度を計測。インラインでの連続測定にも使われる

毛細管粘度計は動粘度を直接測定できるのに対し、回転粘度計などは絶対粘度を測定します。

測定したい指標に合わせて、適切な粘度計を選ぶことが精度向上の第一歩といえるでしょう。

産業での動粘度活用例

動粘度は特に以下のような産業現場で活用されています。

潤滑油や作動油の管理では、動粘度がグレード分類の基準となっており、ISO VG(粘度グレード)はすべて動粘度(40℃における動粘度)で定義されています。

また、燃料油の品質管理や、塗料・インクの流動性評価にも動粘度が広く用いられています。

産業界での粘度管理では、動粘度が事実上のスタンダードとなっている分野が多いといえます。

絶対粘度が重視される場面

一方で、絶対粘度(Pa・s)が重視されるのは、化学反応の解析や高分子材料の物性評価、食品の食感・テクスチャー設計などの分野です。

流体そのものの内部摩擦力・流動抵抗を純粋に評価したい場合には、密度の影響を含まない絶対粘度が適しています。

また、計算流体力学(CFD)のシミュレーションでは、絶対粘度をインプットとして用いることが一般的です。

まとめ

本記事では、「動粘度と粘度の違いは?換算方法も解説!(動粘性係数:絶対粘度:単位変換:Pa・s:関係式など)」というテーマで、2つの粘度の定義・関係式・単位変換・測定方法・応用例まで幅広く解説してきました。

改めて重要なポイントを整理すると、以下のとおりです。

粘度(絶対粘度)は流体内部の粘り気を示す物性値であり、単位はPa・s(ポアズ)。

動粘度(動粘性係数)は絶対粘度を密度で割った値であり、単位は㎡/s(ストークス)。

2つの関係式は「動粘度 = 絶対粘度 ÷ 密度」。

単位変換には cP・cSt・Pa・s・㎡/s などが混在するため、早見表を活用することが有効。

温度によって粘度は大きく変化するため、測定・参照時は必ず温度条件を確認すること。

動粘度と絶対粘度は、どちらが優れているという話ではなく、用途や評価目的に合わせて使い分けることが大切です。

本記事がお役に立てれば幸いです。

流体工学や粘度に関するさらに詳しい情報は、関連記事もぜひご参照ください。

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