金属などの物質の重量を考える際には「密度や比重といったパラメータの意味」や「その数値と単位の関係」を正しく理解しておく必要があります。
例えば代表的な金属にはC1100といった銅(銅材)などがありますがこれらの密度や比重の数値と、その単位である kg/mm3 やkg/m3やg/cms や g/mmsとの関係は少しややこしく、以下でわかりやすくまとめていきます。
目次
銅(銅材)の密度や比重のまとめ【C1100では8.89(約8.9)】
まず銅(銅材)の密度や比重の数値として8.89(約8.9)、8.96(約8.9)、 8890(約8900)といった数値をよくみかけますが、これらの数値に続く単位が何なのかわかっていない方が意外と多く、以下で詳細を確認していきます。
なお、銅板(銅材)として代表的なものには、C1100やC1220などが有名といえます。
銅(銅板)の密度は約8.89g/cm3が基本【C1100やC1220】
なお、銅といってもその種類は豊富であり、C1100やC1220などで若干の密度の差は生じるものです。例えば、厳密にはC1100では8.89g/cm3程度であり、C1220であれば8.94g/cm3となります。なお、温度によっても8.96と変化したりしますが、最も汎用性の高い銅(C1100)密度の数値としては8.89g/cm3を使うといいです。
ここで、単位は「g/cm3」であることをきちんと認識しておくといいです。
銅の密度は 8890kg/m3とも記載できる
上述の8.89g/cm3において、1g=0.001kgであることと1cm3=0.000001m3を活用すると、8.89×0.001/0.000001= 8890kg/m3 と換算できるのです。
こちらもkg/m3の単位も良く使うので、覚えておくといいです。
銅の密度は 8.89×10^-6 kg/mm3とも記載できる
上述の8.89g/cm3において、1g=0.001kgであることと1cm3=1000mm3を活用すると、8.89×0.001/1000= 8.89×10^-6 kg/mm3 と換算できるのです。
桁数の変化が大きいので計算ミスには十分に注意しましょう。
銅の密度は8.89×10^-3 g/mm3
続いて密度の単位が g/mm3 での表記もたまに見かけこの場合の数値についても考えていきましょう。
元の密度の式の8.89g/cm3 と比較すると分母の 1cm3 のみが変化しており、1cm3=1000mm3であるために、銅の密度は 0.00889g/mm3 と換算できるのです。
単位が違うだけで桁数も大きく変化するために十分に注意していきましょう。
銅(銅材)の比重は 8.89 (や8.96)【単位はなし】
なお、比重とは対象物質の密度と基準物質の密度との比であるため、単位はありません。
特に固体や液体の場合の比重とは、基準となる水の密度 1g/cm3 と比較した際に比率であり、単位はありません。つまり、C1100などの銅板の比重は8.89g/cm3÷1g/cm3=8.89とそのままの数値を示すわけなのです。なお、銅の密度が8.96g/cm3のものであれば、同様に比重は8.96という単位がないものとなるのです。
どれもややこしいので、十分に注意していきましょう。
まとめ
ここでは、C1100やC1220といった銅材(銅)における密度や比重の数値と単位の関係について解説しました。
銅板における密度の各々の単位と数値の関係は、8.89g/cm3、8890kg/m3、8.89×10^-6 kg/mm3 、0.00889g/mm3となります。
一方で、鉄の比重はただの数値の8.89となり単位は無いことを覚えておくといいです。
単位変換になれ、各設計に役立てていきましょう。