科学的な解析を行う際によく専門的な用語を耳にすることがあり、これらをきちんと理解しておかないと対処できない可能性が高くなります。
例えば、材料力学の分野において、圧縮荷重、圧縮応力などを耳にすることがありますが、これらの意味や計算方法について理解していますか。
ここでは、圧縮強さ(引張圧縮強度)、圧縮荷重、圧縮応力等の意味や違い、変換(換算)方法について解説していきます。
目次
圧縮強度と圧縮荷重とと圧縮応力の違いと変換(換算)のやり方【計算方法】
それでは、圧縮に関係する材料力学の用語について確認していきます。
ある物体に対して、圧縮方向に力(荷重)をかけた際のその外力のことを、圧縮荷重と呼びます。この圧縮荷重は言葉の通り荷重であるため、その単位はN(ニュートン)やkgf(キログラム重)で表します。
一方で、応力とは単位面積あたりの荷重のことであるため、圧縮荷重の単位は普通の圧力と同じPa(パスカル)で表現することができます。
よって圧縮応力と圧縮荷重の換算(変換)としては、圧縮応力=圧縮荷重÷面積で求めることができるのです。
なお、圧縮強度(圧縮強さ)という言葉もありますが、こちらはある材料を引張時に破断する際の強度のことを指しています。つまり、引張強度が高い材料であれば、その材料は引っ張っても壊れにくいことも意味しているわけです。
なお、圧縮応力の逆が引張荷重となり、セットで覚えておくといいです。
圧縮荷重と圧縮応力の変換(換算)の計算問題
それでは、圧縮関係の力の単位換算に慣れるためにも、練習問題を解いていきましょう。
例題1
ある材料に圧縮応力を400Paかけた。圧縮する方向の断面積が6cm2であるときその圧縮荷重はいくらと計算できるでしょうか。
解答1
上の変換式に従い計算していきます。
このとき、6cm2=0.0006m2より、400×0.0006 = 0.24Nと換算することができるのです。
逆に、圧縮荷重から圧縮応力への変換も行っていきます。
例題2
ある材料に対して圧縮荷重10Nをかけた。圧縮する方向(押しつぶす)に材料の面積が2cm2の際の引張応力はいくらと計算できるでしょうか。
解答2
こちらも定義式に従い求めていきます。
10 ÷ 0.0002= 5000Pa=5kPaと換算することができました
まとめ
ここでは、圧縮応力と圧縮荷重の意味や変換(換算)方法について確認しました。
圧縮荷重とはある材料に対して圧縮する方向にかける力(荷重)のことであり、単位はNやkgfとなります。一方で圧縮応力は、単位面積あたりの荷重のことであり、圧縮荷重を断面積で割ったものがこれに相当するわけです。
これが、圧縮応力と圧縮荷重の違いといえます。
科学的な用語の理解を深めて毎日の生活をより快適に過ごしていきましょう。