従来通り |言い換え|ビジネス|丁寧な言い方|柔らかい言い方|かっこいい|例文|メール|敬語)【目上や上司や部下など】
「従来通り」は、以前からの方法や基準を維持する場面で便利な言葉です。
一方で、相手が上司や取引先の場合は、硬すぎる印象や事務的な印象を与えることもあります。
状況に合わせて「これまで通り」「従前のとおり」「現行の運用に沿って」などへ言い換えると、メールや会話の印象はより自然になるでしょう。
本記事では、ビジネスシーンで使える丁寧な表現、柔らかい表現、少し洗練された表現を例文とともに紹介します。
従来通りの言い換え一覧表

それではまず、従来通りの言い換え一覧表について解説していきます。
日常的な連絡で使いやすい表現
社内メールや普段からやり取りのある相手には、難解な敬語よりも意味がすぐ伝わる表現が向いています。
「これまで通り」や「今まで通り」は、従来通りよりも親しみやすく、相手との距離を必要以上に広げません。
| 言い換え | 印象 | 向いている場面 | 例文 |
|---|---|---|---|
| これまで通り | 自然で柔らかい表現 | 社内連絡や継続案件 | 今後もこれまで通りの手順で進めてまいります。 |
| 今まで通り | 会話に近く親しみやすい表現 | 同僚や部下への連絡 | 資料の提出は今まで通り金曜日までにお願いします。 |
| いつものように | 穏やかで温度感のある表現 | 定例業務や口頭での依頼 | 会議はいつものようにオンラインで開催します。 |
| これまでと同様に | 少し丁寧で落ち着いた表現 | 社内外の案内 | これまでと同様に、窓口までご連絡ください。 |
| これまでの方法で | 手順を明確に伝える表現 | 作業依頼や業務連絡 | 申請はこれまでの方法で受け付けます。 |
| 従前と同じ形で | やや改まった表現 | 制度や運用の説明 | 受付は従前と同じ形で継続いたします。 |
「今まで通り」は口語的なため、重要な通知や初めて連絡する取引先には「これまで通り」か「これまでと同様に」を選ぶと安心です。
目上の人や取引先に適した表現
上司、顧客、取引先に対しては、相手への敬意と変更の有無をわかりやすく伝えることが大切です。
単に「従来通りです」と断定するより、「従前のとおり進めさせていただきます」のように、主語と行動を添えると丁寧になります。
| 言い換え | 丁寧さ | 主な用途 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 従前のとおり | 高い | 正式な案内や報告 | 受付時間は従前のとおりといたします。 |
| 従来のとおり | 高い | 規程や方針の説明 | ご契約内容は従来のとおりです。 |
| これまでと変わらず | 中程度 | 配慮を示す案内 | 担当者はこれまでと変わらず対応いたします。 |
| 現行の運用に沿って | 高い | 手続きや社内ルール | 現行の運用に沿って処理を進めます。 |
| 従来の手順を踏襲して | 高い | 業務プロセスの説明 | 今回は従来の手順を踏襲して実施いたします。 |
| これまでの取り決めに従い | 高い | 契約や合意事項 | これまでの取り決めに従い、対応を進めてまいります。 |
目上の人に使う場合は、「従来通り」という言葉だけで終えず、何を維持するのかを続けて書くことが重要です。
相手は変更の範囲を判断しやすくなり、認識違いの予防にもつながります。
かっこいい印象につながる表現
企画書、提案書、会議資料では、端的で専門性のある語を選びたい場面もあるでしょう。
ただし、難しい言葉を重ねると伝わりにくくなるため、相手が理解できる表現に絞る姿勢が必要です。
| 言い換え | ニュアンス | 使用時の注意 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 現行方針を維持 | 方針の継続を明確化 | 資料向けの表現 | 次期も現行方針を維持する予定です。 |
| 既存フローを踏襲 | 業務手順を引き継ぐ意味 | フローの内容を補足する | 承認は既存フローを踏襲します。 |
| 現行体制を継続 | 組織や担当の維持 | 人員変更がない場合に使う | 当面は現行体制を継続いたします。 |
| 既定の運用を継続 | ルールに基づく印象 | 既定内容を示すと親切 | 既定の運用を継続する方針です。 |
| 従来スキームを維持 | 仕組み全体の継続 | カタカナ語の多用を避ける | 販売は従来スキームを維持します。 |
| 既存の枠組みを活用 | 改善の余地を残す印象 | 完全な同一運用ではない場合に適する | 既存の枠組みを活用して展開します。 |
「踏襲」は、良い点も課題も含めて以前の方法を引き継ぐ意味合いがあります。
改善を加える予定があるなら、「既存の枠組みを活用しながら見直す」のように補足すると誠実です。
ビジネスメールにおける敬語表現
続いては、ビジネスメールにおける敬語表現を確認していきます。
上司への報告で使う言い換え
上司への報告では、従来通りという結論だけでなく、判断に必要な背景を短く添えると伝達の質が上がります。
特に、承認を求めるメールでは、継続理由と今後の対応をセットにすると読み手の負担を減らせます。
件名 来月の運用方針について
来月につきましては、現行の運用を継続する方向で進めたく存じます。
大きな支障は確認されていないため、必要に応じて一部を見直しながら対応いたします。
「進めたく存じます」は、自分の希望を控えめに伝える表現です。
決裁済みの場合は、「現行の運用を継続いたします」と明確に書くほうが適切でしょう。
取引先への案内で使う言い換え
取引先へのメールでは、変更がないことを伝えるだけでも、相手の準備や社内調整に影響します。
そのため、変更なしという情報を早めに示し、対象期間や対象業務を具体的に記載することが大切です。
平素より格別のご高配を賜り、ありがとうございます。
次年度のご注文受付につきましては、従前のとおりの手順で対応いたします。
受付期限およびご提出書類に変更はございませんので、これまでと同様にお手続きください。
「変更はございません」は、相手の不安を和らげる便利な表現です。
ただし、細かな変更が一つでもある場合は、変更なしと断言せず、該当箇所を明示してください。
部下への依頼で使う言い換え
部下に対する連絡では、丁寧さを意識しすぎて指示が曖昧にならないよう注意が必要です。
業務の継続を依頼する場合は、手順、期限、相談先をわかりやすく示すと行動につながります。
今月の集計作業は、これまでの手順で進めてください。
判断に迷う点があれば、作業を止めずに担当リーダーへ相談をお願いします。
改善案があれば、完了後に共有してもらえると助かります。
「従来通りにやっておいてください」だけでは、相手によって理解に差が出ることがあります。
基準となる資料や前回の成果物を添えると、指示の再現性が高まります。
柔らかい言い方と配慮のある伝え方
続いては、柔らかい言い方と配慮のある伝え方を確認していきます。
相手の負担に配慮する表現
従来通りの運用をお願いする際、相手に追加の負担がないことを伝えると、安心感が生まれます。
「お手数をおかけしますが」と添える方法もありますが、実際に手間が増えない場合は過度に謝意を重ねる必要はありません。
「恐れ入りますが、これまでと同様の方法でご対応いただけますでしょうか」のように、依頼の形にすると柔らかく聞こえます。
相手の裁量を尊重したいときは、「差し支えなければ」「ご都合に問題がなければ」を加えるとよいでしょう。
変更がないことを安心につなげる表現
制度、料金、担当窓口などの案内では、変更がないこと自体が重要な情報です。
「引き続き同様の体制で対応いたします」と伝えれば、取引先は今までの連絡先や手順を使えると判断できます。
「従来通り」は、単に古い方法を続ける意味ではありません。
相手にとって予測可能な状態を保ち、業務を円滑に進めるための情報でもあります。
担当者が変わる、受付時間が短くなる、提出書類が増えるといった変更があれば、継続表現の前後で必ず説明しましょう。
断定を避けたい場合の表現
まだ社内承認が完了していない段階では、「従来通りです」と確定的に書くのは避けたほうが安全です。
検討中の状況に応じて、「現時点では従来の運用を継続する予定です」「基本的にはこれまでと同様の方向で検討しております」と表現できます。
確定事項と予定事項を分けて書くことは、信頼関係を守るうえで欠かせません。
特に社外向けでは、予定を断定に見せないよう、見直しの可能性がある場合は連絡時期も添えると親切です。
言い換えを選ぶ場面別の判断基準
続いては、言い換えを選ぶ場面別の判断基準を確認していきます。
変更対象を基準にした選び方
維持する対象が方針なのか、手順なのか、体制なのかによって、自然な言葉は異なります。
方針なら「現行方針を維持」、作業手順なら「従来の手順を踏襲」、人員配置なら「現行体制を継続」が適しています。
| 維持する対象 | おすすめの表現 | 補足するとよい情報 |
|---|---|---|
| 方針 | 現行方針を維持 | 適用期間と見直し時期 |
| 手順 | 従来の手順を踏襲 | 参照資料と担当者 |
| 料金 | 従前のとおり | 対象商品と適用開始日 |
| 担当体制 | 現行体制を継続 | 窓口や緊急連絡先 |
| 契約条件 | これまでの取り決めに従い | 契約書や該当条項 |
| 日常業務 | これまでと同様に | 期限と確認方法 |
対象に合わない言い換えを使うと、相手は何が継続されるのか判断できません。
言葉選びの前に、維持する範囲を整理することが近道です。
相手との関係を基準にした選び方
相手が上司、部下、取引先、顧客のどこに当たるかによっても、適切な表現は変わります。
上司には判断材料を添え、部下には具体的な行動を示し、取引先には変更点の有無を明確にする姿勢が基本です。
親しい社内メンバーに「従前のとおり」と書くと少し距離を感じさせる場合があります。
反対に、正式な通知で「いつものように」と表現すると、重要度が伝わりにくいこともあるでしょう。
相手との関係性と文書の正式度を合わせて考えると、表現の違和感を減らせます。
媒体を基準にした選び方
メール、チャット、会議資料、口頭説明では、読み手が受け取る印象に違いがあります。
メールでは「これまでと同様に」、会議資料では「既存フローを踏襲」、口頭では「今まで通り」がなじみやすい傾向です。
重要な連絡ほど、短い言い換えだけに頼らないことが大切です。
継続する内容、変更の有無、対応期限の三点をそろえると、受け手が迷いにくい文章になります。
チャットで急ぎの連絡をする場合も、後から確認できるように「前回と同じ申請フォームを使用してください」と具体化するとよいでしょう。
従来通りを使う際の注意点
続いては、従来通りを使う際の注意点を確認していきます。
曖昧な指示を避ける工夫
「従来通り」は便利である反面、人によって思い浮かべる基準が違う場合があります。
担当交代があった、前回の対応に例外があった、複数の手順が存在するといった状況では、曖昧な表現になりがちです。
「前月と同じフォーマットで」「昨年度と同じ承認ルートで」のように、比較対象を示してください。
いつの時点の何と同じなのかを明らかにするだけで、やり取りの手戻りを防げます。
改善を止める印象への配慮
従来通りという言葉には、変化を避ける印象を持つ人もいます。
効率化や品質向上が求められる場面では、継続する理由と、必要に応じて改善する姿勢を示すことが大切です。
たとえば「基本の手順は踏襲しつつ、入力作業は効率化を検討します」と書けば、安定性と前向きさを両立できます。
過去の方法を守る目的が、品質、安全、契約遵守のいずれにあるのかを言語化すると、納得感も高まるでしょう。
敬語の重ねすぎを防ぐ工夫
「従来通りにさせていただかせていただきます」のような過剰な敬語は、不自然で読みづらくなります。
自社が行うことなら「従来どおり対応いたします」、相手にお願いすることなら「従来どおりご対応ください」で十分な場面が多いものです。
「させていただく」は、相手の許可や恩恵を受けて行うニュアンスを含みます。
使用する必要があるか迷ったときは、簡潔な「いたします」に置き換えて読み返すと、自然な文面に整えやすくなります。
従来通りの言い換えのまとめ
従来通りの言い換えは、「これまで通り」「従前のとおり」「現行の運用に沿って」「既存フローを踏襲」など、相手と場面によって使い分けられます。
目上の人や取引先には、何を継続するのかを具体的に添えた丁寧な表現が向いています。
部下や社内メンバーには、わかりやすい言葉と期限、参照資料を示すと、認識のずれを防げるでしょう。
言い換えの目的は、言葉を難しくすることではなく、相手が安心して行動できる情報を届けることです。
継続する内容と変更点を整理し、相手に合った表現を選んでみてください。