「これに伴い」は、制度変更や予定の実施に合わせて別の出来事が起こることを伝える際によく使われる表現です。

ただし、メールや社内連絡で繰り返すと文章が単調になり、相手や場面によっては少し硬く聞こえる場合もあるでしょう。

意味を正しく押さえたうえで、相手との関係性、連絡の目的、変化の大きさに合う言葉へ置き換えると、読みやすく丁寧な文章になります。

ここでは目上の人、上司、取引先、部下などへ使える言い換え表現と、自然なメール例文をわかりやすく紹介します。

これに伴いの言い換え一覧表とシーン別表現

これに伴いの言い換え一覧表とシーン別表現

それではまず、これに伴いの言い換えについて解説していきます。

ビジネスメールで使いやすい丁寧表現

「これに伴い」は、前の文で示した変更や決定を受けて、次の対応や影響を伝える接続表現です。

社外メールでは、単に言い換えるだけでなく、相手に何が起こるのかを明確に示すことが大切でしょう。

言い換え表現 丁寧さ 向いている場面 使用例
これに伴い 標準 通知、案内、社内外の連絡 運用変更に伴い、受付時間を変更いたします。
これにあわせて やや柔らかい 案内、協力依頼、日程連絡 イベント開催にあわせて、特設ページを公開いたします。
これを受けて 標準 決定後の対応説明 ご意見を受けて、資料を更新いたしました。
これにより 硬め 影響、結果、規程の説明 システム改修により、一部機能が利用可能になります。
そのため 柔らかい 事情説明、依頼、日常的な連絡 担当者が不在のため、回答は明日以降となります。
この変更に伴い 明確 変更内容を強調したい場面 この変更に伴い、申請書の様式を改定しました。
上記に伴い 事務的 箇条書き後の正式な案内 上記に伴い、手続きへのご協力をお願いいたします。
それに伴い 標準 文章内で前述内容を受ける場面 契約内容を見直し、それに伴い料金を改定します。
これを機に 前向き 改善、刷新、関係強化 これを機に、業務フローを見直してまいります。
この機会に 柔らかい 提案、案内、感謝 この機会に、ぜひ新サービスをご検討ください。

とくに取引先へ知らせるときは、変更内容を指す名詞を補ってから使うと、文意がぶれません。

「これに伴い」だけでは何を受けているのか分かりにくい場合、「料金改定に伴い」「組織変更に伴い」と具体化すると親切です。

社外向けの重要連絡では、「これに伴い」の前に変更内容を置き、後ろには相手に必要な対応、影響、期限のいずれかを続けると伝わりやすくなります。

目上の人や上司に向ける敬語表現

上司や役職者への連絡では、硬すぎる表現よりも、経緯と対応を整然と伝える文章が好まれます。

「これに伴い」を使っても失礼ではありませんが、依頼や報告の内容によっては「これを受けて」「そのため」などを選ぶと自然でしょう。

相手 おすすめの表現 伝わる印象 注意点
直属の上司 これを受けて 経緯を踏まえた報告 前提となる指示を明確にします。
役員や管理職 方針に沿って 判断への敬意 過度にへりくだらず事実を伝えます。
先輩社員 そのため 親しみのある丁寧さ 重要な正式連絡では口語に寄りすぎないようにします。
社内の関係部署 変更に伴い 実務的で明快 対象業務と開始日を添えます。
部下 この変更にあわせて 圧迫感の少ない案内 行動内容を具体的に示します。

上司への報告では、「部長のご指示を受けて、資料を修正いたしました」のように、指示を受けた事実と実施内容を簡潔につなげる方法が有効です。

一方で、「ご指示に伴い」は不自然に聞こえることがあるため、人の行為を受ける場合は「受けて」を選ぶと覚えておくと便利です。

上司への報告例

先日のご指示を受けて、見積書の内容を再確認いたしました。

その結果、修正が必要な箇所を確認したため、最新版を添付いたします。

柔らかく伝えるための言い換え表現

相手に協力をお願いする場面や、負担が生じる変更を知らせる場面では、硬い接続表現だけでは冷たい印象になることがあります。

そのようなときは、「これにあわせて」「この機会に」「ご対応にあたり」などを使い、必要に応じて配慮の言葉を添えましょう。

表現 柔らかさ 適した内容 例文
これにあわせて 高い 日程、キャンペーン、準備 開催日にあわせて、資料を事前にお送りします。
この機会に 高い 提案、案内、見直し この機会に、登録情報をご確認ください。
ご対応にあたり 中程度 依頼、手続き お手続きにあたり、本人確認書類をご用意ください。
つきましては 中程度 案内から依頼への接続 つきましては、期限までにご回答をお願いいたします。
その際 高い 具体的な行動の補足 ご来社の際は、受付へお声がけください。

柔らかい文章にするためには、言い換えだけでなく「お手数をおかけしますが」「ご不明な点がございましたら」といったクッション言葉も役立ちます。

表現の柔らかさと指示の明確さは両立できるため、相手にしてほしい行動は曖昧にしないことが重要です。

これに伴いの意味と基本的な使い方

続いては、これに伴いの意味と使い方を確認していきます。

前の出来事に付随する変化

「伴う」には、ある出来事に付随して別のことが起こるという意味があります。

「これに伴い」は、前に述べた事柄を受けて、変更、影響、対応、費用などが生じることを表す言葉です。

たとえば「本社移転に伴い、電話番号を変更いたします」という文では、本社移転が原因やきっかけとなり、電話番号の変更が関連して発生しています。

単純な前後関係ではなく、二つの出来事に実質的な関係がある場合に使う点が特徴です。

基本形の例

制度改定に伴い、申請手順の一部を変更いたします。

人員増加に伴い、執務スペースを拡張する予定です。

原因や理由を示す言葉との違い

「これに伴い」と「そのため」は似ていますが、焦点が少し異なります。

「そのため」は原因から結果へ進む自然な流れを示すのに対し、「これに伴い」は、ある変化に付随する対応や影響を示す表現です。

表現 主な役割
これに伴い 関連する変化や対応を示す 移転に伴い、住所を変更します。
そのため 理由から結果を示す 移転作業中です。そのため電話がつながりにくくなります。
これにより 施策や出来事の結果を示す 改修により、処理時間が短縮されます。
これを受けて 判断や出来事への反応を示す ご要望を受けて、内容を見直しました。

前提となる出来事と後続する内容の結び付きが弱い場合は、「これに伴い」を避けたほうがよいでしょう。

文脈に合わない接続は、丁寧な敬語を使っていても不自然な印象につながります。

文章内での自然な配置

「これに伴い」は文頭に置くこともできますが、何に伴うのかを直前に示す形がもっとも読みやすいでしょう。

「サービス内容を改定いたします。これに伴い、利用規約も更新いたします」と二文に分ける書き方も、案内メールでは有効です。

長い一文に多くの情報を詰め込むより、変更の内容、影響、依頼を分けると相手の理解が進みます。

「これに伴い」の後ろには、変更する事項だけでなく、開始日、対象者、確認方法を添えると実務メールとして完成度が高まります。

ビジネスメールにおける丁寧な言い回し

続いては、ビジネスメールでの丁寧な言い回しを確認していきます。

取引先への変更案内

取引先に制度や価格、営業時間の変更を伝える場合は、影響を受ける相手への配慮が必要です。

「これに伴い」そのものは丁寧ですが、結びに「ご理解賜りますようお願い申し上げます」を添えると、正式な案内として整います。

ただし、依頼文を重ねすぎると負担感が強まるため、必要な情報を先に示す構成がおすすめです。

取引先へのメール例

このたび、サービス提供体制を見直すこととなりました。

これに伴い、来月よりお問い合わせ窓口の受付時間を変更いたします。

詳細は添付資料をご確認くださいますようお願いいたします。

「変更いたします」だけで終えず、いつから、誰に、どのような影響があるかを記載すると、問い合わせの削減にもつながります。

重要な変更ほど、相手の次の行動を明示することが信頼関係を守るポイントです。

依頼メールへの活用

依頼メールでは、「これに伴い」を使って手続きの必要性を説明できます。

たとえば契約更新やシステム移行に関する連絡では、依頼の背景が伝わるため、相手も対応の意図を理解しやすくなります。

「システム移行に伴い、初回ログイン時にパスワードの再設定をお願いいたします」のように、背景と依頼を一文でつなげられます。

ただし、相手の作業が多い場合は、依頼事項を別段落にして箇条書き風に整理すると親切でしょう。

お詫びを添える連絡

一時的な停止や納期への影響を知らせる場合、「これに伴い」だけでは事務的に見えることがあります。

「作業実施に伴い、一時的にご利用いただけない時間帯が発生いたします」と説明したあと、謝意と代替手段を案内しましょう。

相手が受ける不便を具体的に想像し、お詫び、影響範囲、復旧予定をそろえることが大切です。

ご不便をおかけし申し訳ございません。

メンテナンス作業に伴い、対象時間帯は予約システムをご利用いただけません。

作業完了後は通常どおりご利用いただける予定です。

目上と上司と部下に応じた伝え方

続いては、相手別の伝え方を確認していきます。

目上の人への報告

目上の人へのメールでは、経緯を尊重しつつ、結論を先に伝えることが求められます。

「ご承認を受けて」「ご指示を受けて」は、人の判断に対する敬意を適切に表せる表現です。

「ご承認に伴い」よりも自然に聞こえるため、報告書やメールではこちらを選ぶとよいでしょう。

報告後に今後の予定を添えれば、上司は確認や判断をしやすくなります。

上司への相談と進捗共有

上司へ相談する段階では、すでに決まったように聞こえる表現を避ける配慮も必要です。

「方針変更に伴い」ではなく、「方針をご確認いただいたうえで」「ご判断をいただけましたら」とすることで、決裁前であることを正確に伝えられます。

進捗共有では、「ご指摘を受けて、確認項目を追加しております」のように、対応中である事実を示す文章が便利です。

敬語は相手を立てるためだけでなく、業務の状況を正確に表すためにも使われます

部下や後輩への案内

部下や後輩への連絡では、命令的な印象を避けつつ、必要な行動を明確に伝えます。

「組織変更に伴い、担当業務を見直します」だけでは、受け手が自分の対応を判断しにくいかもしれません。

「組織変更にあわせて、担当業務の確認をお願いします。詳細は個別にお伝えします」と続けると、安心感のある案内になります。

曖昧な指示を残さず、期限や相談先を示すことが、円滑なチーム運営につながるでしょう。

かっこよく自然に見せる表現選び

続いては、洗練された印象につながる表現選びを確認していきます。

簡潔さを意識した表現

ビジネス文書でかっこいい文章とは、難しい言葉を並べた文章ではありません。

読み手が迷わず内容を把握でき、必要な情報が過不足なく整理されている文章です。

「これに伴い」が何度も続く場合は、「あわせて」「また」「なお」「その結果」などを文脈に応じて使い分けると、文章に流れが生まれます。

一つの表現を連続させないことが、自然で知的な印象をつくる基本です。

硬さを調整する言葉

規程改定や契約条件など、正確さが優先される内容では「これに伴い」「これにより」「つきましては」が適しています。

日程調整や社内案内など、親しみやすさが必要な内容では「あわせて」「そのため」「この機会に」がなじみます。

文章の雰囲気 使いやすい表現 避けたい傾向
正式な通知 これに伴い、これにより、上記に伴い 口語的すぎる接続
丁寧な依頼 つきましては、ご対応にあたり 命令だけで終える表現
柔らかな案内 これにあわせて、この機会に 必要以上に硬い専門語
前向きな提案 これを機に、あわせて 負担を強調する言い方

誤解を防ぐ文章の組み立て

接続表現を選んでも、主語や対象が曖昧なら誤解は防げません。

「これに伴い、変更します」ではなく、「サービス料金の改定に伴い、法人契約のお客さまの請求額を変更いたします」と書くと、対象が明確です。

誰が、何を、いつ行うのかを補うことで、メールは短くても十分に伝わります。

読み返す際は、「これ」が何を指すか、「誰に影響するか」、「相手に何をしてほしいか」の三点を確認しましょう。

これに伴いを使ったメール例文

続いては、これに伴いを使ったメール例文を確認していきます。

社外へのサービス変更通知

件名は、サービス内容変更のお知らせです。

平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

このたび、サービス品質向上のため、サポート体制を変更することとなりました。

これに伴い、来月一日よりお問い合わせ窓口の対応時間を変更いたします。

詳細につきましては、添付のご案内をご確認ください。

お客さまにはご不便をおかけする場合もございますが、今後ともご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

上司への業務報告

件名は、業務フロー見直しに伴う対応状況です。

お疲れさまです。

先日ご共有いただいた業務フローの見直しを受けて、担当内で確認を進めました。

これに伴い、申請書類の確認手順を一部変更しております。

現時点では大きな支障はなく、来週から新しい手順で運用を開始する予定です。

確認が必要な点がありましたら、ご指示いただけますと幸いです。

部下への社内連絡

件名は、勤務ルール変更に関するお知らせです。

来月から勤務ルールの一部が変更となります。

この変更にあわせて、勤怠システムの入力方法も更新されます。

対象となる方は、今月末までに手順書をご確認ください。

不明な点がある場合は、遠慮なく担当者へ相談してください。

相手別の例文を参考にしながら、伝える内容の重要度に応じて丁寧さを調整することが実践のコツです。

これに伴いの言い換えのまとめ

「これに伴い」は、変更や決定に付随して起こる対応や影響を伝える、ビジネスで使いやすい表現です。

取引先への正式な通知では「これに伴い」「これにより」を使い、上司の指示を受けた報告では「これを受けて」を選ぶと自然でしょう。

部下や社内への案内では、「これにあわせて」「そのため」といった柔らかい言葉も役立ちます。

表現だけを置き換えるのではなく、変更内容、影響、相手に求める行動を具体的に示すことが、分かりやすく丁寧なメールにつながります。

場面に応じた言い換えを身につけ、読み手に配慮した信頼される文章を作成してください。

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