防寒対策などとして最近ではよく「二重窓を設置すること」が徐々に注目を浴びているといえます。
そして、この二重窓などの断熱性などの説明を見ていると「空気が断熱材として働く」ということが当たり前のように記載されています。それでは、なぜ空気は断熱材として利用できるのか理解していますか。
ここでは「断熱に関するわかりやすい考えかた」「断熱性に関わる指標の空気の比熱や熱伝導率」について解説していきます。
目次
断熱と熱伝導率や比熱との関係【わかりやすく解説】
まず暑く感じるというのは、「私たちがいる場所に熱が伝わってくる」ためにそう実感できるものなのです。
このとき、私たちのところに熱を伝えなくすための対処方法のことを「断熱」と呼びます。
そして、この断熱と関係する物性として「熱伝導率」「比熱」が挙げられます。
ここで熱伝導率とはわかりやすくいうと、熱が物質内部を伝わるスピードと考えるといいです。つまり、熱伝導がより速い材料の方に熱が流れていくわけです。そのため、熱伝導率が低い(熱が伝わりにくい)材料を熱源の間に挟むことによって、断熱ができるといえます。
また、熱伝導率と似たような断熱に関係する用語として比熱というものが挙げられます。比熱とは熱のあたたまりにくさを表す用語といえ、物質に1gを1℃上げるのに必要なジュール数(エネルギー)のことを指すのです。
よって、比熱が大きいものほど、あたたまりにくく、断熱材が高いといえるのです。
このように、熱伝導率が低く、比熱が大きいものほど断熱に向いているのです。
空気が断熱性が高い理由
そして、空気という材料は、熱伝導率が低く、比熱が大きい素材であることから、断熱材として使用されているといえます。
具体的な空気(0℃)の熱伝導率(熱伝導度)の数値は0.0241W/(m・K)であり、これは代表的な断熱材のウレタンの数値約0.024W/(m・K)とほぼ同等であり、熱伝導率がかなり低いといえます。
また、空気(0℃)の比熱の数値は約1J/(g・K)であり、こちらはウレタンの約1.7J/(g・K)程度よりは若干小さい値といえます。
つまり、空気では熱伝導率の高さが主な要因として断熱性が高いといえるのです。
このような理屈から二重窓などによって、間に空気の層を挟むことが断熱性の向上につながっているのです。
まとめ
ここでは、空気が断熱材として優れている理由について、断熱の概念から解説しました。断熱性は熱を伝えない熱伝導率の低さ、熱が伝わってもあたたまりにくい比熱の大きさによって、表すことができます。
空気が断熱できる理由としては、熱伝導率がかなり低い材料に当てはまっているために使用できるのです。二重窓など空気層を上手に活用し、エネルギーの有効利用を心がけましょう。