さまざまな材料を学ぶ中で、その略式記号について理解しておいた方がいい場面によく出会います。
例えば、鋼材やステンレス材などの表記方法として、ss、sc、susなどの前置記号を見かけることがありますが、これらの違いは何なのか理解していますか。
ここでは、鋼材やステンレス材などの記載方法のss、sc、susについて解説していきます。
目次
ssとscの違いは?【s45cやss400などの鋼材】
実は、ss材もsc材も鋼材を表す記号といえます。
このとき、sc材の方では強度といった物性で規定しているのではなく、炭素量で決まっているものなのです。
これは「jis G 4051」て規定されているものといえます。例えば代表的なsc材である「s45c」ではあれば、おおよそ0.45パーセントの炭素が含有されているわけです。
そして、このsc材の場合は購入後に熱処理、圧延によって手を加えることを前提としています。
言い換えると、熱加工の知識がある方であれば、自分でのオリジナルの加工をしたいために、成分が規定されているsc材を購入するといった流れになるわけです。なお、s45cは正式には機械構造用炭素鋼に分類されるといえます。
一方で、ss材の方では、組成ではなく、機械的特性で規定されているのです。
つまり、曲げ強度、引張強度、伸び率などの機械的特性の数値自体に規定があり、炭素量などの組成の規定はされていません。
よって、すでに狙いの機械的特性の材料を使いたい場合にはこちらのss材を選ぶと良いわけです。
代表的なss材にはss400というものがあり、一般構造用圧延鋼材と正式に分類されているのです。
このようにss材とsc材には違いがあるのです。
susとss、sc材の違い【ステンレスと鋼材】
なお、上のss、sc材と似たような表記としとてsus材と呼ばれるものもあります。
このsusとはそもそも材質がステンレスであり、先にも述べた鋼材(鉄を主成分で炭素が微量入ったもの)ではないわけです。
ステンレスの中でも圧延加工を行ってできた成形品がsusであり、以下のようなものです。
上述のよう、susは材質がステンレス、ssとscは材質が鋼である違いを理解しておきましょう。
まとめ
ここでは、ss、sc、susの違いについて解説しました。
ssとscは材質が鋼材ですが、SUSは材質がステンレスという違いがあります。
なお、sc材は炭素量での規定がされているのに対して、ss材は強度などの機械的特性で定義されている、という違いがあるのです。
各材料の性質の相違点を理解し、設計に役立てていきましょう。