AGA(男性型脱毛症)に悩む方は、生活習慣の改善や育毛剤・発毛剤の使用などによってハゲの回復を試みることが多いです。
中でも、「食事の改善により抜け毛予防や育毛を行うこと」は比較的容易なAGA対策といえます。例えば、「食品の黒豆は薄毛の回復に期待できる」という口コミを聞きますが、これは本当なのでしょうか。
ここでは「黒豆に含まれる成分と育毛の関係」「ハゲの治療のための黒豆の有効的な摂取方法」について解説していきます。
目次
黒豆には育毛・抜け毛予防の効果があるのか
結論から言いますと、ハゲの回復には黒豆は有効的といえます。
黒豆には、「髪の毛や頭皮を構成するたんぱく質」「体を活性化させるビタミンB」などの健康・美容を維持するため重要な栄養素の他に、薄毛の回復に直接的に効果が出る有効成分も含んでいます。
具体的には「イソフラボン」「アントシアニン(抗酸化物質ポリフェノールの一種)」「大豆サポニン」の含有量が多いために、AGA治療を行うことができるのです。この黒豆に配合される育毛成分の詳細について以下で確認していきます。
黒豆のイソフラボンは抜け毛を減らす
黒豆は豆類の一種であるため、イソフラボン(大豆イソフラボン)を豊富に含みます。具体的には1食で食べる平均約30gあたり約11mg程度を含んでいます。
そして、このイソフラボンと薄毛には密接な関係があるのです。
具体的に、男性のハゲの方はほとんどの場合AGA(男性型脱毛症)が原因で起こります。そしてこのAGAは基本的に特定の男性ホルモン(専門用語ではジヒドロテストステロン)の分泌量が増えることによって発生するのです。
このとき、黒豆を食べ、イソフラボンを適切な量摂取することによってジヒドロテストステロン(DHT)の分泌量を低減することができます。
結果として、抜け毛の量を減らすことができるのです。
黒豆のアントシアニン(ポリフェノール)には抗酸化作用・血行促進作用がある
なお、黒豆に豊富に含まれるアントシアニンはポリフェノールの1種であり「抗酸化作用」「血管の保護・強化」「血行促進作用」があります。具体的には30gで20mg程度の量(100g中約62mg)を含んでいます。
https://www.odagaki.co.jp/mm/tikara.htmlより引用
髪の毛の成長は、バランスのいい栄養素を摂取しそれが血液を通って頭皮まで運ばれることで促されます。このとき、薄毛の方は血行不順となっていることが多く、毛髪の成長に必要な栄養が頭皮に行きわたらないため「抜け毛の増加」「育毛・発毛環境の悪化」が起きるのです。結果としてハゲに至るわけです。
このときに、黒豆を摂取するとアントシアニンが血管に作用し、血の巡りを改善させます。
結果として、育毛・発毛効果を得られるのです。
なお、薄毛は老化によっても加速していきます。これは老化により「細胞の機能が衰えること」「髪を支える頭皮のハリが無くなる」ために起こるといえます。
具体的には、細胞の機能低下は育毛・発毛を促す毛母細胞の働きを悪くさせます。つまり、髪が成長しにくくなるのです。さらに、加老により頭皮のハリが無くなると、毛髪をきちんと支えられなくなり髪が抜けやすくなり、脱毛につながるのです。
黒豆に配合されるアントシアニンはポリフェノール(抗酸化物質)の1種であるためアンチエイジング(抗酸化作用)効果があります。そのため、黒豆を摂取することによって、老化を抑制することができます。結果として、上述のような年齢の影響によるハゲの進行を抑えられるのです。
黒豆の大豆サポニンには抗酸化作用がある
さらに、上述のアントシアニンと同様に黒豆には別の抗酸化物質である「大豆サポニン」も豊富に含んでいます。具体的には、30gあたりで75mg程度(100gあたり0.25g程度)といえます。
そして、この大豆サポニンも抗酸化物質の1種であるために、先にも述べたような老化から起こる抜け毛の原因を抑制できるわけです。
このように、複数の薄毛の改善が期待できる成分が黒豆には含まれているといえます。
ただ、育毛のために黒豆はそれほど多く摂取できにくい
ただ、確かに黒豆には薄毛の回復が期待できる有効成分が多く含有されているものの、黒豆自体の摂取量自体をあまり増やせないために、黒豆だけで効率よくハゲを治すのはやや難しいといえます。
具体的に、上述の薄毛の治療に効く「イソフラボン」「アントシアニン」で
・黒豆から摂取できる各成分の量
・1日あたりの摂取目安量
を比較してみましょう。
イソフラボンはおおよその1回の黒豆の摂取量30gでは11mg程度のイソフラボンを含みます。一方で、AGAの回復に効果的な黒豆の量はおおよそ75mg程度以上です(厚生労働省)。
つまり、この量の黒豆からは11/75× 100 =1日分の 15%程度のイソフラボンとなり、それほど多くないことが確認できます。
そのため、イソフラボンの薄毛改善効果を食品から得たい場合は、豆腐や豆乳などの摂取量も容易に増やしやすいものにするといいのです。他には、育毛サプリとしてイソフラボンを摂取したり、育毛剤として外部から経皮吸収させるのも手軽でおすすめです。
同様に、黒豆のアントシアニンに着目した場合、AGAの方はストレスを強く受けていることが多く、90mg程度を1日に摂取した方がいいです。
このとき、黒豆のアントシアニンの配合量は30gあたり20mg程度であり、こちらも目安摂取量の22%程度とそれほど高くないのです。
このような理由から、確かに黒豆は薄毛の回復への効果はあるものの、黒豆自体の摂取量がそれほどまでのため、高い育毛効果は期待できないといえます。
こちらも抗酸化物質を豊富に含み、かつ食べる量も増やしやすいもの(鮭のアスタキサンチンなど)やサプリメントから摂取する方がより効率的なのです。
AGA治療に効く成分を多く摂取した上での補助的な役割として、黒豆を食べるのがおすすめです。
まとめ
ここでは、「黒豆に含まれる薄毛の改善に効く成分」「AGA治療のための黒豆の摂取量」について確認しました。
黒豆には、バランスの取れたミネラル・ビタミン類・タンパク質が含まれるだけでなく、「大豆イソフラボン」「アントシアニン」「大豆サポニン」といったハゲの改善により期待できる成分も高含有しています。
ただ、黒豆自体はそれほど大量に食べる食品ではないため、黒豆だけで髪の量の増加を目指すのは現実的に厳しいです。そのため、別の育毛にいい成分をたくさん摂取できる食品を食べるか、サプリ・育毛剤などから同成分を別途吸収した方が効率的です。
適切な薄毛対策を施して、AGAを克服していきましょう。