漸化式から一般項を求める方法は?公式と解き方も!(特性方程式・隣接三項間漸化式・数列・数学Bなど)
「漸化式から一般項を求めるのはどうすればいいの?」と悩んでいる方は多いでしょう。
漸化式は数学Bの数列単元において最も重要なテーマのひとつであり、特性方程式・隣接三項間漸化式・等比数列への帰着など、様々な解法テクニックが必要とされます。
解き方のパターンを知らないと非常に難しく感じますが、型を覚えれば機械的に解けるようになります。
本記事では、漸化式から一般項を求める方法を基本から応用まで丁寧に解説します。
特性方程式の使い方・隣接三項間漸化式の解法・連立型など、各パターンを具体例付きで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
漸化式から一般項を求める方法の全体像
それではまず、漸化式から一般項を求める方法の全体像について解説していきます。
漸化式とは何か・基本概念
漸化式とは、数列の各項と前後の項との関係を表す式のことです。
たとえば$a_{n+1} = 2a_n + 1$や$a_{n+2} = 3a_{n+1} – 2a_n$といった形で与えられ、初項(と必要に応じて第2項)が与えられれば、全ての項が順次決まります。
漸化式は「再帰的な定義」であり、一般項(nの直接の式)を求めることで数列全体を把握できます。
漸化式を解く=一般項を求めることが目標であり、そのためのアプローチは漸化式の型によって異なります。
漸化式の主な型と解法の対応
| 漸化式の型 | 解法のアプローチ |
|---|---|
| $a_{n+1} = a_n + d$(等差型) | 等差数列として直接解く |
| $a_{n+1} = r \cdot a_n$(等比型) | 等比数列として直接解く |
| $a_{n+1} = pa_n + q$($p \neq 0, 1$) | 特性方程式で等比数列に帰着 |
| $a_{n+1} = pa_n + f(n)$ | 特性解・同次解に分解 |
| $a_{n+2} = pa_{n+1} + qa_n$ | 特性方程式(二次方程式)を解く |
これらの型を正確に見分け、適切な解法を選ぶことが漸化式攻略の要です。
解法選択のための見分け方
漸化式の型を見分けるポイントは、$a_{n+1}$と$a_n$の関係がどのような形になっているかです。
定数項があるか・$a_n$の係数が1か1以外か・nの関数が入っているかなどを確認します。
最も頻出の型は$a_{n+1} = pa_n + q$($p \neq 1$)であり、特性方程式を使って等比数列に帰着させる手法を最優先で習得しましょう。
特性方程式を使った解法
続いては、最も重要な特性方程式を使った解法を確認していきます。
特性方程式とは何か
特性方程式とは、漸化式$a_{n+1} = pa_n + q$を解くために使う方程式$\alpha = p\alpha + q$のことです。
この方程式の解$\alpha$を使って漸化式を変形することで、等比数列に帰着させられます。
特性方程式を使った解法の手順
漸化式:$a_{n+1} = pa_n + q$($p \neq 1$)
ステップ1:特性方程式$\alpha = p\alpha + q$を解く → $\alpha = \dfrac{q}{1-p}$
ステップ2:$a_{n+1} – \alpha = p(a_n – \alpha)$と変形
ステップ3:$b_n = a_n – \alpha$とおくと$b_{n+1} = p \cdot b_n$(等比数列)
ステップ4:$b_n = b_1 \cdot p^{n-1}$から$a_n = \alpha + (a_1 – \alpha) \cdot p^{n-1}$
このアプローチを使えば、$a_{n+1} = pa_n + q$の形の漸化式は全て解くことができます。
具体的な計算例
例題:$a_1 = 2$、$a_{n+1} = 3a_n – 4$の一般項を求めよ。
特性方程式:$\alpha = 3\alpha – 4$ → $-2\alpha = -4$ → $\alpha = 2$
変形:$a_{n+1} – 2 = 3(a_n – 2)$
$b_n = a_n – 2$とおくと$b_{n+1} = 3b_n$(等比数列)
$b_1 = a_1 – 2 = 0$
$b_n = 0 \cdot 3^{n-1} = 0$
よって$a_n = 2$(定数列)
例題:$a_1 = 1$、$a_{n+1} = 2a_n + 3$の一般項を求めよ。
特性方程式:$\alpha = 2\alpha + 3$ → $\alpha = -3$
変形:$a_{n+1} + 3 = 2(a_n + 3)$
$b_n = a_n + 3$、$b_1 = 4$、$b_{n+1} = 2b_n$
$b_n = 4 \cdot 2^{n-1} = 2^{n+1}$
$a_n = 2^{n+1} – 3$
p=1の場合(等差型との関係)
$a_{n+1} = a_n + q$(p=1)の場合、特性方程式は使えません($\alpha = \alpha + q$が$q \neq 0$のとき解なし)。
この場合は公差$q$の等差数列として直接$a_n = a_1 + (n-1)q$と求めます。
型の識別を誤って特性方程式を適用しようとするミスが多いので、p=1かどうかを必ず最初に確認することが大切です。
隣接三項間漸化式(二次特性方程式)の解法
続いては、隣接三項間漸化式の解法を確認していきます。
隣接三項間漸化式の形と特性方程式
$a_{n+2} = pa_{n+1} + qa_n$の形を隣接三項間漸化式と呼びます。
この漸化式には二次の特性方程式$x^2 = px + q$を使います。
二次方程式の解が$\alpha, \beta$($\alpha \neq \beta$)の場合と、重解$\alpha$の場合で解の形が異なります。
隣接三項間漸化式の一般解
特性方程式$x^2 = px + q$の解を$\alpha, \beta$とする
(1)$\alpha \neq \beta$のとき:$a_n = A\alpha^n + B\beta^n$(A, Bは初期条件から決定)
(2)$\alpha = \beta$(重解)のとき:$a_n = (An + B)\alpha^n$
初期条件($a_1$と$a_2$の値)をA, Bについての連立方程式に代入して係数を決定します。
具体的な計算例(異なる実数解)
例題:$a_1 = 1$、$a_2 = 3$、$a_{n+2} = 3a_{n+1} – 2a_n$の一般項を求めよ。
特性方程式:$x^2 = 3x – 2$ → $x^2 – 3x + 2 = 0$ → $(x-1)(x-2) = 0$ → $\alpha = 1, \beta = 2$
一般解:$a_n = A \cdot 1^n + B \cdot 2^n = A + B \cdot 2^n$
$a_1 = A + 2B = 1$
$a_2 = A + 4B = 3$
連立して$B = 1, A = -1$
よって$a_n = 2^n – 1$
具体的な計算例(重解)
例題:$a_1 = 1$、$a_2 = 4$、$a_{n+2} = 4a_{n+1} – 4a_n$の一般項を求めよ。
特性方程式:$x^2 – 4x + 4 = 0$ → $(x-2)^2 = 0$ → $\alpha = 2$(重解)
一般解:$a_n = (An + B) \cdot 2^n$
$a_1 = (A + B) \cdot 2 = 1$ → $A + B = \dfrac{1}{2}$
$a_2 = (2A + B) \cdot 4 = 4$ → $2A + B = 1$
$A = \dfrac{1}{2}, B = 0$
よって$a_n = \dfrac{n}{2} \cdot 2^n = n \cdot 2^{n-1}$
重解の場合の一般解の形$(An+B)\alpha^n$を正確に覚えておくことが重要です。
この形を忘れて$A\alpha^n + B\alpha^n = (A+B)\alpha^n$と単純化してしまうと、初期条件を全て満たす解が得られないことに注意しましょう。
その他の漸化式の解法パターン
続いては、その他の漸化式の解法パターンを確認していきます。
$a_{n+1} = pa_n + f(n)$型の解法
$f(n)$がn の多項式や指数関数の場合、特殊解を求めて同次解に加える方法を使います。
例:$a_{n+1} = 2a_n + n$($a_1 = 0$)
同次漸化式$a_{n+1} = 2a_n$の一般解:$C \cdot 2^n$
特殊解として$a_n = An + B$を仮定してみる
$A(n+1) + B = 2(An + B) + n$
$An + A + B = (2A+1)n + 2B$
係数比較:$A = 2A+1$ → $A = -1$、$A + B = 2B$ → $B = A = -1$
特殊解:$a_n = -n – 1$
一般解:$a_n = C \cdot 2^n – n – 1$
$a_1 = 0$:$2C – 2 = 0$ → $C = 1$
よって$a_n = 2^n – n – 1$
積型・逆数型漸化式の解法
$a_{n+1} = r \cdot a_n + s \cdot a_{n-1}$以外にも、$\dfrac{1}{a_{n+1}} = \dfrac{1}{a_n} + d$のような形(逆数型)や、$a_{n+1} = k \cdot a_n \cdot a_{n-1}$(積型)など様々な変形が必要な漸化式もあります。
逆数型の場合は$b_n = \dfrac{1}{a_n}$と置き換えることで等差数列に帰着できます。
置き換えによって既知の型に帰着させるアプローチは漸化式解法の共通した発想です。
連立漸化式の解法
連立漸化式とは、$a_{n+1} = pa_n + qb_n$、$b_{n+1} = ra_n + sb_n$のように2つの数列が絡み合った漸化式です。
解法は、$a_{n+1} + \alpha b_{n+1} = \beta(a_n + \alpha b_n)$の形に変形できる$\alpha$を求め、等比数列に帰着させます。
| 漸化式の型 | 置き換えの方針 |
|---|---|
| 逆数型 $\dfrac{1}{a_{n+1}} = \dfrac{p}{a_n} + q$ | $b_n = \dfrac{1}{a_n}$ |
| 対数型 $\log a_{n+1} = p\log a_n + q$ | $b_n = \log a_n$ |
| $\sqrt{a_{n+1}} = f(\sqrt{a_n})$型 | $b_n = \sqrt{a_n}$ |
どのような置き換えが有効かは問題によって異なりますが、式の構造を見て等差・等比に帰着できる形を探すことが共通の戦略です。
まとめ
本記事では、漸化式から一般項を求める方法について、基本概念から特性方程式・隣接三項間漸化式・応用パターンまで詳しく解説しました。
漸化式の解法は型の見分けが最重要であり、$a_{n+1} = pa_n + q$型は特性方程式、隣接三項間は二次特性方程式、複雑な型は置き換えによる帰着が基本アプローチです。
特性方程式の活用、重解のときの一般解の形$(An+B)\alpha^n$、n=1での確認など、細かいポイントも確認しながら演習を重ねることが大切です。
数学Bの数列単元では漸化式の問題は非常に配点が高いため、本記事で解説したパターンを全て習得して入試に備えていただければ幸いです。
特に頻出の$a_{n+1} = pa_n + q$型を素早く・正確に解けるようになることが、数列単元全体の得点力向上につながるでしょう。