科学の分野では、よく物質を単体・化合物・混合物などと分類する必要があるケースが多くあります。
ただ、これらの分類は慣れていないと意外と判断が困難であるために、各々の物質が「混合物なのか化合物なのか」という扱いに慣れておくことがおすすめです。
中でもここでは、化学の実験などでよく使用する薬品の「塩酸や硫酸は混合物なのか?化合物(純物質)なのか?」とその理由について解説していきます。
目次
塩酸は混合物か?化合物か?その理由は?
結論から言いますと、塩酸は混合物に分類されます。それでは、なぜ塩酸は化合物ではなく、混合物なのでしょうか。
混合物と化合物の違いについて簡単に確認しましょう。混合物は、複数の純物質が混ざったものを指します。一方で、化合物とは複数の元素から構成される純物質といえます。
このとき、塩酸は「塩化水素(HCl)」を水(H2O)に溶かしたものといえます。このような理由から塩酸は混合物に分類されるといえるわけです。
なお、塩化水素(HCl)自体や水(H2O)は複数の元素から構成されている純物質であるために、化合物となります。
硫酸や硝酸も混合物
よって、硫酸であっても三酸化硫黄(HSO3)が水と化学反応を起こし、H2SO4と水(H2O)が共存している状態になっているため、混合物に分類することができるわけです。
もちろん、硝酸でも同じであり、二酸化窒素と水の反応から、HNO3と水(H2O)が混合しているようなものとなります。
なお、このときH2SO4自体やHNO3などは化合物(純物質)となることも併せて覚えておきましょう。
このような原理から、塩酸も硫酸も硝酸も化合物ではなく、混合物となるといえます。
なお、気体である空気や、液体の牛乳なども混合物で、ドライアイスは化合物である理由はこちらで解説しています。併せて理解しておくといいです。
まとめ
ここでは、塩酸、硫酸、硝酸が混合物なのか?化合物(純物質)なのか?ということや、その理由について確認しました。
実は、塩酸も硫酸も硝酸も混合物に相当し、純物質(化合物)ではありません。これは、水と各々HCl(塩化水素)、H2SO4、HNO3が共存するような形になっているためです。
これら、化合物(純物質)、混合物などの分類は知っていないと難しいので、きちんと理解しておくといいです。
科学に関する知識を増やし、より毎日を楽しんでいきましょう。