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三角形の辺の長さの求め方や公式(高校生向け)を解説!計算問題付き

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「三角形の辺の長さを求めたいのに、どの公式を使えばいいかわからない」という悩みを抱えている高校生は多いのではないでしょうか。中学数学ではピタゴラスの定理だけで対応できた場面も、高校数学になると正弦定理・余弦定理・三角比など複数の公式が登場し、使い分けに戸惑うことがあります。

高校数学における三角形の辺の長さの求め方は、与えられた情報の種類によって使う公式が変わります。2辺とその間の角がわかれば余弦定理、2角と1辺がわかれば正弦定理、直角三角形であれば三角比(sin・cos・tan)というように、状況に合った公式を選ぶことが解法の第一歩です。

本記事では「三角形の辺の長さの求め方や公式(高校生向け)を解説!計算問題付き」をテーマに、正弦定理・余弦定理・三角比の使い方を、計算問題を交えながらわかりやすく解説していきます。高校数学の定期テストや大学入試に向けて、しっかりと使いこなせるようになりましょう。

目次

高校数学で三角形の辺を求めるには正弦定理と余弦定理が中心となる

それではまず、高校数学における三角形の辺の長さの求め方の全体像と、どの場面でどの公式を使うかという基本方針について解説していきます。

高校数学で使う主な公式の全体像

高校数学(数学I)で三角形の辺の長さを求めるために使う主な公式を整理しておきましょう。

公式名 使う場面 公式の形
正弦定理 2角と1辺がわかるとき a/sinA = b/sinB = c/sinC = 2R
余弦定理 2辺とその間の角がわかるとき a² = b² + c² − 2bc cosA
三角比(sin) 直角三角形で1辺と1角がわかるとき sin A = 対辺/斜辺
三角比(cos) 直角三角形で1辺と1角がわかるとき cos A = 隣辺/斜辺
三角比(tan) 直角三角形で対辺・隣辺と1角がわかるとき tan A = 対辺/隣辺

「何が与えられているか」を最初に確認することが、正しい公式を選ぶための出発点です。「2角+1辺 → 正弦定理」「2辺+間の角 → 余弦定理」という対応を頭に入れておくと、問題を見た瞬間に解法の見当がつくようになります。

正弦定理の公式と使い方

正弦定理は、三角形の辺の長さとその対角のsinの値の比が一定であることを示す公式です。

正弦定理

a/sinA = b/sinB = c/sinC = 2R

a・b・c = △ABCの各辺(aはAの対辺)

A・B・C = 各頂点の内角

R = 外接円の半径

正弦定理を使って辺の長さを求めるには、比例式を変形します。たとえばbを求めたいとき、a/sinA = b/sinBの関係からb = a×sinB/sinAという形で計算できます。

余弦定理の公式と使い方

余弦定理は、ピタゴラスの定理を一般の三角形に拡張した公式です。

余弦定理(3つの形)

a² = b² + c² − 2bc cosA(辺aを求めるとき)

b² = a² + c² − 2ac cosB(辺bを求めるとき)

c² = a² + b² − 2ab cosC(辺cを求めるとき)

また角を求めるときは

cosA = (b² + c² − a²) / (2bc) と変形して使います。

余弦定理は2辺とその間の角がわかれば残りの辺を求められ、3辺がわかれば角を求めることもできます。使う方向性を間違えないよう、「何を求めたいか」を明確にしてから式を立てることが大切です。

正弦定理を使った辺の求め方と計算問題

続いては、正弦定理の具体的な使い方と計算問題を確認していきます。どのような場面で正弦定理を使うのか、計算の手順とともに身につけていきましょう。

正弦定理で辺を求める基本パターン

正弦定理が最も活躍するのは「2角と1辺がわかっているとき」です。内角の和が180°であることと組み合わせると、2角がわかれば3つ目の角も求まるため、非常に使いやすい公式です。

問題1:△ABCにおいてa = 8、∠A = 45°、∠B = 60°のとき辺bを求めよ

正弦定理より

a/sinA = b/sinB

8/sin45° = b/sin60°

8/(√2/2) = b/(√3/2)

8√2 = b × 2/√3

b = 8√2 × (√3/2) = 4√6

計算の手順は「比例式を立てる→既知の辺のある比を計算→比例式を変形して未知の辺を求める」という流れです。sinの値は表や暗記値を正確に使うことが計算ミス防止のポイントとなります。

3角目を内角の和で求めてから使うパターン

2角だけが与えられていても、内角の和180°を使えば3つ目の角を求められます。

問題2:△ABCにおいてc = 6、∠A = 30°、∠B = 105°のとき辺aを求めよ

まず∠Cを求める

∠C = 180° − 30° − 105° = 45°

正弦定理より

a/sinA = c/sinC

a/sin30° = 6/sin45°

a/(1/2) = 6/(√2/2)

2a = 6√2

a = 3√2

∠Cを計算してから正弦定理を使う流れは非常によく登場するパターンです。「まず内角の和で未知の角を求め、次に正弦定理で辺を求める」という2段階の手順を習慣にしておきましょう。

外接円の半径Rを使う問題

正弦定理の式には外接円の半径Rが含まれており、Rを求める問題や逆にRから辺を求める問題も出題されます。

問題3:△ABCにおいてa = 10、∠A = 30°のとき外接円の半径Rを求めよ

正弦定理より

a/sinA = 2R

10/sin30° = 2R

10/(1/2) = 2R

20 = 2R

R = 10

また外接円の半径がR = 5で∠B = 60°のとき辺bを求めよ

b/sinB = 2R より

b = 2R × sinB = 2 × 5 × sin60° = 10 × (√3/2) = 5√3

「a = 2R sinA」という形で覚えておくと、Rが絡む問題でもスムーズに対応できます。外接円の半径と辺の関係は入試頻出の組み合わせであるため、この形も併せて身につけておきましょう。

余弦定理を使った辺の求め方と計算問題

続いては、余弦定理の具体的な使い方と計算問題を確認していきます。正弦定理と余弦定理は「どちらを使うか」が問題を解くカギとなるため、判断力を磨くことも意識しながら読み進めてください。

2辺とその間の角から残りの辺を求める

余弦定理の最も基本的な使い方は、2辺とその間の角が与えられたときに残りの辺を求めることです。

問題4:△ABCにおいてb = 5、c = 7、∠A = 60°のとき辺aを求めよ

余弦定理より

a² = b² + c² − 2bc cosA

a² = 25 + 49 − 2 × 5 × 7 × cos60°

a² = 74 − 70 × (1/2)

a² = 74 − 35 = 39

a = √39

計算の流れは「公式に代入→cosの値を計算→a²を求める→√をとる」の4ステップです。cosの値の計算ミスが最も多い箇所であるため、代入した後の掛け算は丁寧に行いましょう。

鈍角を含む三角形での余弦定理の使い方

鈍角(90°超)を含む三角形でも余弦定理はそのまま使えますが、cosの値がマイナスになる点に注意が必要です。

問題5:△ABCにおいてb = 4、c = 6、∠A = 120°のとき辺aを求めよ

cos120° = −1/2(鈍角のcosはマイナス)

余弦定理より

a² = b² + c² − 2bc cosA

a² = 16 + 36 − 2 × 4 × 6 × (−1/2)

a² = 52 − (−24)

a² = 52 + 24 = 76

a = √76 = 2√19

鈍角ではcosの値がマイナスになるため、−2bc cosAの項がプラスに変わります。符号の取り扱いを間違えると答えが大きくずれてしまうため、120°・135°・150°のcosの値はしっかり覚えておきましょう。

3辺から角を求めて辺の関係を確認する問題

余弦定理を変形すると、3辺がわかっているときに角の余弦(cos)を求めることもできます。

問題6:△ABCにおいてa = 7、b = 5、c = 3のとき最大角∠Aを求めよ

最大辺aの対角∠Aを余弦定理で求める

cosA = (b² + c² − a²) / (2bc)

cosA = (25 + 9 − 49) / (2 × 5 × 3)

cosA = (−15) / 30 = −1/2

cosA = −1/2 より ∠A = 120°

cosA = −1/2 から∠A = 120°が導けるのは、代表的なcos値の暗記があってこそです。cos120° = −1/2、cos150° = −√3/2などの値は確実に覚えておきましょう。

正弦定理・余弦定理の使い分けと総合計算問題

続いては、正弦定理と余弦定理の使い分けの判断基準と、両方を組み合わせた総合的な計算問題を確認していきます。実際の試験では「どちらを使うか」を素早く判断する力が問われます。

正弦定理と余弦定理の使い分け早見表

与えられた情報 求めるもの 使う公式
2角 + 1辺 残りの辺 正弦定理
2辺 + 対角(挟角でない) 残りの辺・角 正弦定理
2辺 + 挟角 残りの辺 余弦定理
3辺 角のcos値 余弦定理(変形)
外接円の半径R + 1角 対辺 正弦定理(a = 2R sinA)

2つの公式を組み合わせた総合問題

問題7:△ABCにおいてa = 2√3、b = 2、∠A = 60°のとき辺cと残りの角を求めよ

まず正弦定理で∠Bを求める

a/sinA = b/sinB

2√3/sin60° = 2/sinB

2√3/(√3/2) = 2/sinB

4 = 2/sinB

sinB = 1/2 → ∠B = 30°(または150°だが∠A=60°なので∠B=30°)

∠Cを内角の和で求める

∠C = 180° − 60° − 30° = 90°

余弦定理(またはピタゴラスの定理)で辺cを求める

∠C = 90°なのでcが斜辺

c² = a² + b² = 12 + 4 = 16

c = 4

この問題では正弦定理→内角の和→ピタゴラスの定理という3段階の流れで解いています。∠Bが30°か150°かの判断は、∠A=60°との和が180°を超えないかで確認するのが基本です。

入試頻出パターンの総まとめ計算

問題8:△ABCにおいてb = 3、c = 2√3、∠B = 30°のとき辺aのとりうる値をすべて求めよ

正弦定理より∠Cを求める

b/sinB = c/sinC

3/sin30° = 2√3/sinC

3/(1/2) = 2√3/sinC

6 = 2√3/sinC

sinC = 2√3/6 = √3/3 → sinC = √3/3

sinC = √3/3 から∠Cが2通り存在する可能性を確認

∠C = arcsin(√3/3) ≒ 35.3° → ∠A = 180° − 30° − 35.3° = 114.7°(有効)

∠C = 180° − 35.3° = 144.7° → ∠A = 180° − 30° − 144.7° = 5.3°(有効)

2通りの三角形が存在するため、それぞれaを余弦定理で求める

2辺と対角が与えられた場合に「三角形が2通り」になりえる状況は「二通りの解(2解)」と呼ばれる頻出テーマです。sinの値から角を求めるときは、鈍角の可能性を必ず確認する習慣をつけておきましょう。

まとめ

本記事では「三角形の辺の長さの求め方や公式(高校生向け)を解説!計算問題付き」をテーマに、正弦定理・余弦定理・三角比の使い方を計算問題とともに幅広く解説しました。

最後に重要なポイントを振り返りましょう。

2角+1辺がわかるとき → 正弦定理(a/sinA = b/sinB = c/sinC = 2R)

2辺+挟角がわかるとき → 余弦定理(a² = b² + c² − 2bc cosA)

・鈍角のcosはマイナス。cos120° = −1/2、cos150° = −√3/2

・2辺と対角(挟角でない角)が与えられた場合は三角形が2通りになる可能性を確認する

・∠Bが30°か150°かなど角の候補が複数あるときは内角の和で絞り込む

・問題を見たら「何が与えられているか」を整理してから公式を選ぶ習慣が重要

正弦定理と余弦定理は、高校数学の図形分野の中核をなす公式です。どちらか一方だけを覚えるのではなく、両方の公式の使いどころを正確に判断できるようになることが、得点力アップへの近道といえるでしょう。本記事の計算問題を何度も解き直し、公式を使いこなす感覚を磨いていただければ幸いです。