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マグニチュードとは?震度との違いをわかりやすく!比例?換算・変換・計算できるのか【簡単に:関係】

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地震が発生するたびに、テレビやスマートフォンのニュースで「マグニチュード〇〇」「最大震度〇」という言葉が飛び交います。日本は世界有数の地震大国であり、こうした情報は私たちの生活に深く関わっています。しかし、「マグニチュードと震度って何が違うの?」「マグニチュードは計算できるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

マグニチュードとは、地震そのものの規模を表す指標です。一方、震度は「ある場所での揺れの強さ」を表すもので、両者はまったく異なる概念です。この違いを正しく理解することは、地震情報を正確に読み取り、適切な防災行動につなげるうえでとても大切です。

本記事では、マグニチュードとは何か、震度との違い、比例関係の有無、そして換算・変換・計算の方法まで、できるだけわかりやすく解説していきます。地震への理解を深める一助として、ぜひ最後までご覧ください。

目次

マグニチュードとは地震のエネルギー規模を示す指標である

それではまず、マグニチュードの基本的な定義と、その成り立ちについて解説していきます。

マグニチュードの定義と歴史

マグニチュード(magnitude)とは、地震が放出するエネルギーの大きさ(規模)を表す数値です。1935年にアメリカの地震学者チャールズ・リヒター(Charles F. Richter)によって考案されたことから、「リヒタースケール」とも呼ばれます。

リヒターが最初に定義したのは、カリフォルニア州の地震に限定したローカルマグニチュード(ML)でした。その後、より広い範囲の地震に対応するためにさまざまなマグニチュードの種類が開発され、現在では国際的にモーメントマグニチュード(Mw)が標準として使われています。

日本では長らく気象庁マグニチュード(Mj)が使用されており、現在もニュースなどで広く用いられています。近年は大規模地震についてはMwも合わせて発表されるようになっています。

マグニチュードは対数スケールで表される

マグニチュードを理解するうえで欠かせないのが、対数スケール(logarithmic scale)という概念です。

通常の数値は1、2、3、4と均等に増えていきますが、対数スケールでは1、10、100、1000というように、桁が変わる形で増えていきます。マグニチュードはこの対数スケールで定義されているため、数字が少し変わるだけで地震エネルギーは劇的に大きくなります。

マグニチュードが1増える → エネルギーは約31.6倍(10の1.5乗)

マグニチュードが2増える → エネルギーは約1,000倍(10の3乗)

マグニチュードが3増える → エネルギーは約31,623倍(10の4.5乗)

「たった2の差で1000倍」というのは、直感的にはなかなか想像しにくい数字です。しかしこれが対数スケールの特性であり、マグニチュードの本質的な意味といえるでしょう。

マグニチュードの種類と使い分け

マグニチュードにはいくつかの種類があり、それぞれ計算方法や用途が異なります。

種類 略称 特徴
ローカルマグニチュード ML リヒターが考案した原点。近距離の地震向け
気象庁マグニチュード Mj 日本独自。地震計の最大振幅から算出
モーメントマグニチュード Mw 断層面積・すべり量から算出。現在の国際標準
実体波マグニチュード mb P波・S波などの実体波を使用。深発地震向け
表面波マグニチュード MS 表面波を使用。遠方の浅い地震向け

なかでもモーメントマグニチュード(Mw)は飽和しにくく、超巨大地震でも正確に規模を表せるという利点があります。東日本大震災のMw9.0もこの方式で計算されたものです。

マグニチュードと震度の違いをわかりやすく整理する

続いては、マグニチュードと震度の違いを確認していきます。この二つは混同されやすいですが、意味するものはまったく異なります。正しく区別できると、地震情報の読み取りがぐっと上手になるでしょう。

震度とは何か

震度とは、ある特定の場所での揺れの強さを表す指標です。日本では気象庁が定めた震度階級が使われており、震度0から震度7まで(震度5と6は「弱」「強」に分かれる)の10段階で表されます。

震度は同じ地震でも観測する場所によって異なります。震源に近い地点では震度が大きく、遠い地点では小さくなります。また、地盤の固さや地形によっても震度は変わります。軟弱な地盤では揺れが増幅されやすく、同じ距離でも揺れが大きくなることがあります。

マグニチュードは「地震そのものの規模(エネルギー)」を表し、地震1回につき1つの値しかありません。一方、震度は「ある地点での揺れの強さ」を表し、同じ地震でも観測地点ごとに異なる値が記録されます。

マグニチュードと震度の対応関係

マグニチュードと震度は直接的に変換できるものではありませんが、一般的な傾向としては以下のようなイメージがあります。

マグニチュード(目安) 震源付近での震度(目安) 主な被害の目安
M3未満 震度1〜2程度 ほとんど気づかない
M4〜5 震度3〜4程度 棚のものが落ちる程度
M6〜7 震度5〜6程度 建物に被害が出ることがある
M7〜8 震度6〜7程度 広範囲で甚大な被害
M9以上 震度7(広域) 超巨大地震・大津波の危険

ただしこれはあくまでも目安です。震源の深さ・地盤の状態・震源からの距離など、さまざまな要素によって震度は大きく変わります。

震源の深さが震度に与える影響

マグニチュードが同じでも、震源の深さ(震源深度)によって地上の揺れは大きく異なります。

震源が浅い「直下型地震」は、揺れが地表に直接伝わるため、比較的小さなマグニチュードでも大きな震度が観測されることがあります。阪神・淡路大震災(M7.3)は震源深度が約16kmと浅く、直下型だったため広い範囲で震度7が記録されました。

一方、震源が深い「深発地震」は、エネルギーが地中で吸収される部分が多く、地表での揺れは相対的に小さくなる傾向があります。マグニチュードと震度の関係を考えるときは、震源深度も必ずセットで確認することが大切です。

マグニチュードは比例するのか?換算・変換・計算の方法

続いては、マグニチュードは比例するのか、そして換算・変換・計算は実際にどのように行うのかを確認していきます。「マグニチュードが2倍になるとエネルギーも2倍?」と思っている方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。

マグニチュードはエネルギーに比例しない

結論からいえば、マグニチュードはエネルギーに比例しません。マグニチュードは対数スケールで定義されているため、マグニチュードの数値が2倍になってもエネルギーが2倍になるわけではないのです。

たとえば、マグニチュード4とマグニチュード8を比べると、数字は2倍ですがエネルギーはどれくらい違うでしょうか。

差は8 − 4 = 4

エネルギー比 = 10^(1.5 × 4) = 10^6 = 1,000,000倍

マグニチュードが「2倍の数字」でも、エネルギーは「100万倍」の差になります。

このように、マグニチュードの数値とエネルギーは「比例」の関係にはなく、指数関数的(exponential)な関係にあります。この認識の違いが、地震の規模を正しく把握するうえでとても重要です。

マグニチュードからエネルギーへの換算・計算方法

マグニチュードからエネルギーを換算・計算するには、以下の式を使います。

Gutenberg-Richterの式

log₁₀E = 1.5M + 11.8

(Eの単位はエルグ、Mはマグニチュード)

例:M7.0のとき

log₁₀E = 1.5 × 7.0 + 11.8 = 10.5 + 11.8 = 22.3

E = 10^22.3 ≒ 2.0 × 10^22 エルグ

エルグ(erg)という単位はなじみが薄いかもしれませんが、1ジュール = 10^7エルグという関係があります。M7.0のエネルギーはおよそ2.0×10^15ジュールで、これは広島型原子爆弾の約47,000発分に相当するといわれています。

モーメントマグニチュードの計算方法

現在の国際標準であるモーメントマグニチュード(Mw)の計算式も確認しておきましょう。

Mw = (2/3) × log₁₀(M₀) − 10.7

M₀(地震モーメント)= 剛性率 × 断層面積 × 平均すべり量

M₀の単位はダイン・センチメートル(dyn・cm)

地震モーメントM₀は、断層がどれだけ大きく、どれだけずれ動いたかを物理的に表した数値です。岩石の硬さ(剛性率)・断層の面積・断層のすべり量の三つの積で求められます。

Mwはリヒタースケールのような「飽和」が起こらないため、M8以上の超巨大地震でも正確に規模を表せる優れた指標です。東日本大震災や2004年のスマトラ沖地震など、近年の大地震ではMwが広く使われています。

マグニチュードに関するよくある疑問と防災への活かし方

続いては、マグニチュードに関するよくある疑問を整理しながら、防災への活かし方を確認していきます。知識を実生活に結びつけることで、より実践的な備えができるようになるでしょう。

マグニチュードに上限はあるのか

「マグニチュードに上限はあるの?」という疑問はよく聞かれます。理論的には上限はなく、地球上の断層の大きさや岩石の強度によって実質的な上限が決まると考えられています。

観測史上最大の地震は、1960年に発生したチリ地震(Mw9.5)です。地球全体の断層の規模を考えると、地球上ではM10を超える地震は物理的に発生しにくいとされています。もっとも、これはあくまでも現在の科学的知見に基づく推測であり、断言できるものではありません。

地震名 発生年 マグニチュード 主な被害
チリ地震 1960年 Mw9.5 太平洋全域に津波
アラスカ地震 1964年 Mw9.2 北米西海岸に津波
スマトラ沖地震 2004年 Mw9.1 インド洋大津波
東日本大震災 2011年 Mw9.0 東北地方に大津波

マグニチュードと津波の関係

地震の規模を示すマグニチュードは、津波の発生と密接な関係があります。一般的に海底で発生するM7以上の地震は、津波を引き起こす可能性があるとされています。

ただし、同じマグニチュードでも津波の大きさは大きく異なります。断層の動き方(縦ずれか横ずれか)・震源の深さ・海底地形などによって津波の規模は変わります。マグニチュードが大きい地震でも、横ずれ断層の場合は津波が小さいことがあります。

反対に、「津波地震」と呼ばれるタイプの地震は、マグニチュードの割に津波が異常に大きくなることがあります。揺れが小さいからと油断は禁物です。

マグニチュードの知識を防災に活かす

マグニチュードの正しい理解は、防災・減災の行動を適切に判断する力につながります。

・M7以上の地震が海域で発生したら、震源から遠くても津波情報に注意する

・震度が小さくても、マグニチュードが大きい地震は広域に影響を及ぼすことがある

・「M5とM7は数字が2しか違わない」という感覚は危険。エネルギーは約1,000倍の差がある

・直下型地震は震源が浅いため、小さなマグニチュードでも甚大な被害が出る可能性がある

普段からハザードマップを確認し、自宅や職場の地盤・避難経路を把握しておくことが大切です。マグニチュードの数字を「自分ごと」として読み取る習慣が、いざというときの行動につながるでしょう。

まとめ

本記事では「マグニチュードとは何か」「震度との違い」「比例するのか」「換算・変換・計算の方法」について幅広く解説しました。

マグニチュードとは地震エネルギーの規模を対数スケールで表した指標であり、震度とは「ある地点での揺れの強さ」を表す指標です。この二つはまったく異なる概念であり、マグニチュードと震度を混同しないことが地震情報を正しく理解する第一歩です。

また、マグニチュードはエネルギーに比例するわけではなく、数字が1増えるごとにエネルギーは約31.6倍、2増えると約1000倍という指数関数的な関係にあります。この認識を持つだけで、地震ニュースの受け取り方がまったく変わってくるでしょう。

地震大国・日本で暮らす私たちにとって、マグニチュードや震度の正しい知識は防災意識の土台となるものです。日頃からニュースの地震情報を意識的に読み解く習慣をつけ、非常用品の確認・避難経路の把握など、身近なところからの備えを続けていただければ幸いです。