貴金属投資やコイン収集の世界で「1/12オンス」という表記を見かけたことはありませんか?
金貨や銀貨の重量表示として「1/12oz」という単位が使われており、特にアメリカやイギリスで発行される投資用コインでは時折目にする表記です。しかし、日本で一般的に使われているグラムやキログラムとは異なる単位のため、実際にどのくらいの重さなのかイメージしづらいという方も多いのではないでしょうか。
オンス(oz)はヤードポンド法における質量の単位で、主にアメリカやイギリスで広く使用されています。特に貴金属の世界では「トロイオンス」という特別な単位が使われており、一般的な常用オンスとは異なる点に注意が必要です。日本ではメートル法が標準ですから、オンス表記の貴金属を正しく理解するには、グラムへの換算が欠かせません。
本記事では、1/12オンスが何グラムに相当するのかを明確にし、その変換方法や日常で使える換算のコツを詳しく解説していきます。また、金貨や銀貨の具体的なサイズや値段の相場、アメリカとイギリスの代表的な1/12オンスコインについても詳しく触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1/12オンスは約2.59グラム(トロイオンスでの正確な換算値)
それではまず、1/12オンスが何グラムに相当するのか、結論から解説していきます。
貴金属の世界では「トロイオンス」という単位が使われるため、1/12オンスは約2.59グラムです。より正確に表現すると、2.591958グラムとなります。この数値を知っておけば、金貨や銀貨の仕様書に「1/12oz」と表記されていても、すぐに重量のイメージがつかめるでしょう。
1/12トロイオンス(1/12oz)= 約2.59グラム(2.591958g)
トロイオンスからグラムへの換算には、基準となる換算係数を使用します。1トロイオンスは約31.1035グラムですので、これを12で割ることで1/12オンスのグラム数が算出できます。
【計算例】
1トロイオンス = 31.1035グラム
1/12トロイオンス = 31.1035 ÷ 12 = 2.591958グラム
≒ 2.59グラム(小数点第三位を四捨五入)
ここで重要なのは、貴金属で使われる「トロイオンス」と一般的な「常用オンス」の違いです。常用オンスは1オンス=28.3495グラムですが、トロイオンスは1オンス=31.1035グラムとなり、約2.75グラムの差があります。
この違いを理解していないと、金貨や銀貨の重量を誤って計算してしまい、価値の見積もりを間違えることになりかねません。貴金属取引では、わずかなグラム数の違いが数千円の金額差につながりますから、正確な理解が極めて重要です。
| オンスの種類 | 1オンスのグラム数 | 1/12オンスのグラム数 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 常用オンス | 28.3495g | 2.36g | 一般的な重量表記 |
| トロイオンス | 31.1035g | 2.59g | 貴金属の重量表記 |
また、換算の際には電卓やスマートフォンの計算機アプリを活用すると正確で便利です。オンライン上には専用の貴金属換算ツールも多数ありますので、状況に応じて利用すると良いでしょう。1/12オンス=約2.59グラムという換算値を覚えておくと、金貨や銀貨を購入する際に役立ちます。
金貨や銀貨における1/12オンスのサイズと特徴
続いては、金貨や銀貨における1/12オンスの意味と特徴について確認していきます。
1/12オンス金貨のサイズと重量の詳細
1/12オンス金貨は、投資用金貨の中では非常に小さいサイズです。1オンス金貨や1/2オンス金貨、1/4オンス金貨、1/10オンス金貨と比較すると、1/12オンスは1/10オンスよりさらに小さく、最小クラスのサイズと言えるでしょう。
1/12オンス金貨の純金含有量は約2.59グラムです。ただし、コインの総重量はこれよりやや重くなることが一般的でしょう。なぜなら、多くの金貨は純度が22K(91.67%)や24K(99.99%)であり、合金成分が含まれているためです。
例えば、24Kの純金で製造された金貨の場合、総重量は純金含有量とほぼ同じ約2.59グラムとなります。一方、22K金貨の場合は、総重量が純金含有量よりやや重くなります。
直径については、1/12オンス金貨は一般的に14〜16mm前後となります。これは日本の5円硬貨(直径22mm)よりもかなり小さく、非常にコンパクトなサイズです。厚みは約1mm未満で、非常に薄く扱いやすいサイズと言えるでしょう。
1/12オンス銀貨のサイズと重量の詳細
1/12オンス銀貨は投資用コインとして存在しますが、金貨に比べると流通量は非常に少ないです。銀の価格が金よりも安価なため、1/12オンスサイズでは投資額が非常に小さくなることが理由の一つでしょう。
1/12オンス銀貨の純銀含有量は約2.59グラムです。銀貨も金貨と同様に、純度によって総重量が変わります。多くの投資用銀貨は99.9%の純銀ですので、総重量は純銀含有量とほぼ同じになります。
直径については、1/12オンス銀貨は一般的に16〜18mm前後となります。金貨よりもやや大きめのサイズです。銀は金よりも密度が低いため、同じ重量でもサイズが大きくなるという特徴があります。
1/12オンス銀貨は非常に珍しいサイズで、通常の投資用銀貨としてはほとんど流通していません。銀貨の場合は1オンスサイズが圧倒的に一般的で、小さいサイズは需要が限られるため、見つけること自体が難しい場合がほとんどです。
1/12オンスコインの保管とメンテナンス
1/12オンスの金貨や銀貨を購入したら、適切な保管とメンテナンスが重要です。貴金属コインは資産価値が高いため、傷や汚れを防ぐ必要があります。
保管には専用のコインカプセルやコインホルダーを使用しましょう。これらは透明なプラスチック製で、コインを直接触らずに保管できます。また、湿気を避けるため、防湿剤を入れた密閉容器で保管することをおすすめします。
金貨は比較的変色しにくい金属ですが、銀貨は空気中の硫黄と反応して黒ずむことがあります。特に銀貨の場合は、保管環境に注意が必要でしょう。
また、コインの価値を保つため、素手で直接触らないことが基本です。やむを得ず触る場合は、綿手袋を着用するか、コインの縁(エッジ)だけを持つようにしましょう。表面や裏面に指紋がつくと、長期的に変色の原因となります。1/12オンスサイズは非常に小さいため、取り扱いには特に注意が必要です。紛失しないよう、保管場所もしっかり管理しましょう。
1/12オンス金貨・銀貨の値段の相場と購入のポイント
続いては、1/12オンスの金貨や銀貨の値段の相場と購入時のポイントを確認していきます。
1/12オンス金貨の価格相場と変動要因
1/12オンス金貨の価格は、金の国際市場価格に連動して変動します。金の価格は日々変動しており、経済情勢や為替レート、地政学的リスクなどさまざまな要因によって影響を受けます。
2026年2月現在、金の国際価格は1トロイオンスあたり約2,800ドル前後で推移しています(※市場価格は日々変動します)。これを基準に計算すると、1/12オンスは約233ドル、日本円で約3万5千円程度となります(1ドル=150円として計算)。
【1/12オンス金貨の価格計算例】
金価格:2,800ドル/1オンス
1/12オンスの金価格:2,800 ÷ 12 ≒ 233ドル
日本円換算:233 × 150 = 35,000円
※プレミアム(手数料)が加算されます
ただし、実際の販売価格には「プレミアム」と呼ばれる手数料が加算されます。プレミアムには、製造コスト、流通コスト、販売店の利益などが含まれており、一般的に金価格の15〜35%程度が上乗せされます。
小さいサイズの金貨ほど、製造コストの割合が高くなるため、プレミアムも高めになる傾向があります。1/12オンスサイズは非常に小さいため、1/10オンスや1/4オンスと比べてもプレミアムが高くなることが多いでしょう。実際の販売価格は、プレミアムを含めて約4.5〜5万円程度となることが多いです。
1/12オンス銀貨の価格相場と投資価値
1/12オンス銀貨の価格は、銀の国際市場価格に連動して変動します。銀の価格は金に比べると変動が大きく、産業需要の影響も受けやすい特徴があります。
2026年2月現在、銀の国際価格は1トロイオンスあたり約32ドル前後で推移しています(※市場価格は日々変動します)。これを基準に計算すると、1/12オンスは約2.67ドル、日本円で約400円程度となります(1ドル=150円として計算)。
銀貨も金貨と同様にプレミアムが加算されますが、銀貨の場合はプレミアムの割合が非常に高くなる傾向があります。なぜなら、銀の価格自体が安いため、製造コストや流通コストの占める割合が相対的に大きくなるためです。
1/12オンス銀貨の場合、プレミアムを含めた実際の販売価格は2,000〜3,000円程度となることが多いでしょう。ただし、1/12オンス銀貨は流通量が極めて少ないため、見つけること自体が非常に難しい場合がほとんどです。銀貨は金貨に比べて少額から投資できますが、1/12オンスサイズは特殊すぎるため、通常は1オンスサイズを選ぶことが一般的です。
購入時のチェックポイントと注意事項
1/12オンスの金貨や銀貨を購入する際には、いくつかのポイントに注意が必要です。
まず、信頼できる販売店から購入することが最も重要でしょう。貴金属コインは偽造品も存在するため、実績のある貴金属商や大手の貴金属取扱店を利用することをおすすめします。
次に、コインの状態を確認しましょう。投資用コインの場合、未使用品(BU:Brilliant Uncirculated)が基本です。傷や汚れがあると、再販売時に価値が下がる可能性があります。可能であれば、カプセル入りの新品コインを購入すると良いでしょう。
また、購入時には必ず純度と重量を確認してください。証明書や鑑定書が付属している場合は、それらも保管しておきましょう。特に高額なコインの場合、第三者機関による鑑定を受けたコインを選ぶと安心です。
価格については、複数の販売店で比較することをおすすめします。プレミアムの割合は販売店によって異なるため、同じコインでも価格に差が出ることがあります。ただし、極端に安い価格には注意が必要でしょう。1/12オンスサイズは非常に小さいため、プレミアムが高めになることを念頭に置いて検討してください。また、換金性も考慮すると、より一般的な1/10オンスや1/4オンスを選ぶ方が賢明な場合もあります。
アメリカとイギリスの代表的な1/12オンスコイン
続いては、アメリカとイギリスで発行されている代表的な1/12オンスコインを確認していきます。
アメリカの1/12オンスコイン(イーグル金貨等)
アメリカでは、「アメリカンイーグル金貨」シリーズが最も有名ですが、実は1/12オンスサイズは発行されていません。アメリカンイーグル金貨は、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類のサイズで発行されており、1/12オンスは含まれていないのです。
そのため、アメリカ発行の1/12オンス金貨を探すのは非常に難しいでしょう。アメリカで少額から金投資を始めたい場合は、1/10オンス(約3.11グラム)のアメリカンイーグル金貨が最小サイズとなります。
1/10オンスアメリカンイーグル金貨は、22K(純度91.67%)で製造されており、直径は16.5mm、総重量は約3.393グラムです。デザインは他のサイズと同様に、表面にセントゴーデンズのリバティ像、裏面にイーグル(鷲)の家族が描かれています。
アメリカで1/12オンスに近いサイズを求める場合は、1/10オンス(約3.11グラム)を選ぶことになります。流通量が多く、購入しやすいサイズです。
イギリスの1/12オンスコイン(ブリタニア金貨等)
イギリスでも、「ブリタニア金貨」シリーズが最も有名ですが、こちらも1/12オンスサイズは通常発行されていません。ブリタニア金貨は、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類のサイズが標準的です。
ただし、年によっては特別な記念版や限定版として、1/12オンスサイズが発行されることもあります。これらは通常の投資用コインというよりも、コレクターズアイテムとしての性格が強いでしょう。
イギリスで少額から金投資を始めたい場合も、1/10オンスのブリタニア金貨が最小サイズとなります。1/10オンスブリタニア金貨は、2013年以降は24K(純度99.99%)の純金で製造されており、純金含有量は約3.11グラムです。直径は約16.5mm程度です。
デザインは、表面にエリザベス2世女王(または現国王)の肖像、裏面にブリタニア(イギリスの象徴的な女神)が描かれています。年によってブリタニアの図柄が変更されることがあり、コレクション性も高いコインです。
中国パンダ金貨やその他の1/12オンスコイン
アメリカやイギリスでは1/12オンスサイズが一般的ではありませんが、中国の「パンダ金貨」では年によっては1/12オンスサイズが発行されることがあります。
中国パンダ金貨の1/12オンスサイズは、24K(純度99.9%)の純金で製造されており、純金含有量は約2.59グラムです。直径は約14mm程度で、非常にコンパクトなサイズとなっています。
パンダ金貨の最大の特徴は、毎年デザインが変更されることです。裏面のパンダの図柄が毎年異なるため、コレクション性が非常に高く、アジアを中心に人気があります。表面には北京の天壇が描かれています。
パンダ金貨は、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンス、1/12オンス、1/20オンスなど、多様なサイズで発行されており、1/12オンスサイズも比較的入手しやすい年があります。
その他、オーストラリアの「カンガルー金貨」やカナダの「メイプルリーフ金貨」でも、年によっては1/12オンスサイズが発行されることがありますが、通常は1/10オンスが最小サイズとなっています。1/12オンスは特殊なサイズのため、コレクター向けのアイテムと考えた方が良いでしょう。
オンスとグラムの換算方法と実用的なコツ
続いては、トロイオンスからグラムへの換算をスムーズに行うための方法やコツを確認していきます。
トロイオンスの基本的な換算公式
トロイオンスをグラムに換算する基本公式は非常にシンプルです。覚えておくべき数値は「1トロイオンス=31.1035グラム」という換算係数だけでしょう。
グラム = トロイオンス × 31.1035
トロイオンス = グラム ÷ 31.1035
この公式を使えば、どんなオンス数でもグラムに変換できます。1/12オンスの場合は「31.1035 ÷ 12 = 2.591958グラム」、1/2オンスなら「31.1035 ÷ 2 = 15.55175グラム」、1/10オンスなら「31.1035 ÷ 10 = 3.11035グラム」となります。
逆にグラムからトロイオンスへ換算する場合は、グラム数を31.1035で割ればOKです。例えば8グラムなら「8 ÷ 31.1035 ≒ 0.257オンス」という計算になります。
スマートフォンの計算機アプリを使えば、これらの計算は数秒で完了します。また、オンライン上には専用の貴金属換算ツールも多数ありますので、正確な数値が必要な場合は積極的に活用すると良いでしょう。
暗算で素早く概算するテクニック
日常生活では、厳密な数値よりも大まかな目安が分かれば十分という場面も多いでしょう。そんなときに便利なのが、「1トロイオンス≒31グラム」という概算法です。
実際には31.1035グラムですが、31グラムと覚えておけば暗算が簡単になります。1/12オンスなら「31 ÷ 12 ≒ 2.58グラム」、1/2オンスなら「31 ÷ 2 = 15.5グラム」と瞬時に計算できるでしょう。
【概算での計算例】
1/12オンス ≒ 31 ÷ 12 ≒ 2.58グラム(実際は2.59グラム)
誤差:約0.01グラム(約0.4%)
この方法による誤差は1%以下ですので、日常的な目安としては十分に実用的です。ただし、貴金属の取引や精密な計量など、正確性が求められる場面では必ず正確な換算係数を使用してください。
さらに簡単な覚え方として、「1/12オンス≒2.5グラム」と覚える方法もあります。これなら暗算が非常に簡単ですが、実際の2.59グラムとは約0.09グラムの誤差があるため、あくまで大まかな目安として使いましょう。
貴金属投資における換算の重要性
貴金属投資において、オンスとグラムの換算は非常に重要です。特に金や銀の価格は国際市場では「ドル/トロイオンス」で表示されますが、日本国内では「円/グラム」で表示されることも多いため、両者を正確に換算できる必要があります。
例えば、金の国際価格が2,800ドル/オンスで、為替レートが1ドル=150円の場合、日本円でのグラムあたりの価格は以下のように計算できます。
【金価格の換算例】
国際価格:2,800ドル/1トロイオンス
円換算:2,800 × 150 = 420,000円/1トロイオンス
グラム換算:420,000 ÷ 31.1035 ≒ 13,500円/グラム
1/12オンスの価格:13,500 × 2.59 ≒ 35,000円
このように、オンスとグラムの換算ができれば、国際価格と国内価格を比較したり、適正な購入価格を判断したりすることができます。貴金属投資を行う際には、換算スキルが必須と言えるでしょう。
まとめ
本記事では、1/12オンスが何グラムに相当するのか、その換算方法と金貨や銀貨の具体的な特徴について詳しく解説してきました。
1/12トロイオンスは約2.59グラムであり、1トロイオンス=31.1035グラムという換算係数を使って計算できます。貴金属の世界では常用オンスではなくトロイオンスが使われるため、この違いを理解することが重要です。
1/12オンス金貨は、投資用コインとしては非常に珍しいサイズであり、中国のパンダ金貨などで発行されることがあります。アメリカやイギリスでは1/12オンスサイズは一般的ではなく、最小サイズは1/10オンス(約3.11グラム)となります。価格は金の国際市場価格に連動し、プレミアムを含めて約4.5〜5万円程度となります。
購入時には、信頼できる販売店から未使用品を購入し、適切に保管することが大切でしょう。カプセル入りのコインを選び、湿気を避けた環境で保管することをおすすめします。また、1/12オンスは特殊なサイズのため、換金性を考慮するとより一般的な1/10オンスや1/4オンスを選ぶ方が賢明な場合もあります。
オンスとグラムの換算スキルは、貴金属投資において非常に重要です。換算方法を理解しておくことで、適正な価格判断や投資判断がスムーズになるはずです。
本記事の内容を参考に、1/12オンスという表記を見かけた際には、約2.59グラムというイメージを持って、適切な判断をしていただければ幸いです。トロイオンスとグラムの換算スキルを身につけて、より賢い貴金属投資にお役立てください。